暦には大きく分けて
「太陽暦」と「太陰暦」とがあります。
太陽暦は太陽の年間運動をもとにして
一年の長さを決めるこよみで、
古代社会ではエジプトやマヤの暦が
一年の長さを365日とする太陽暦でした。
現在、ほぼ世界共通で使われている
グレゴリオ暦もまた、
一年の長さを365・2425日とする高精度の太陽暦です。
古代エジプトでは、
毎年、夏至の頃にナイル川が氾濫しました。
この洪水によって、
ナイル川流域に肥沃な土砂が大量に齎され、
優れた農地が自然に出来上がったのです。
しかし、その一方で、
洪水は毎年多大な被害も伴いました。
やがて、
夜明け前の空におおいぬ座のシリウスがはじめて見えると、
続いてナイル川の増水はじまることがわかり、
夜明け前の明け方の空が熱心に観測されるようになりました。
そして、
シリウスがはじめて見えた日が、
新しい年のはじめとされたのです。
そのため、
古代エジプトの暦は 恒星暦とでも言うべきものなのですが、
それはとりもなおさず、
太陽暦と同じ周期となるわけです。