歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと
日日の幻燈




【一の鳥居】


昨日、東京都杉並区の大宮八幡宮に行ってきました。
もともと杉並区の郷土博物館へ行く計画を立てていて、ならば普段は杉並区に縁もゆかりもない身なれば、せっかくだから近くに名所でもないかな?と調べていたところ、この大宮八幡宮に行き当たったわけで。
そういえば、最近買った江戸時代の村尾嘉陵の紀行文「江戸近郊道しるべ」(安部孝嗣訳 講談社 2013年)にも、この大宮八幡宮に詣でた話が出ていたっけ。

【二の鳥居】


で、行ってみてビックリ。かなり大きな神社です。もっと村社的なこじんまりとした神社を想像していました。
まず参道が立派。一の鳥居と二の鳥居の間の参道は、緑に覆われ清々しい気分になります。3月末から4月初旬は満開の桜が見事だとか。

【神門】


ちょうどお祭り(わかば祭り)の真っ只中、境内はかなりの賑わいでした。植木なんかも売っていて、それがお目当ての人もかなりいるようです。

【拝殿1】


大宮八幡宮は、平安時代後期、源頼義によって創建されたとのこと。頼義の子・八幡太郎義家も、社を修築し松を植えるなど縁が深いそうです。
江戸時代には寺領30石だったとか。武士で30石というと、ちょっと貧乏侍?ってイメージですが、寺領30石はどんな程度だったのでしょうかね。
豊臣秀吉が小田原征伐の際に八幡宮宛に出した制札や、由井正雪が奉納したと伝わる絵馬(8代将軍吉宗が本物と鑑定したとか…)があるそうですが、普段は非公開。残念。

【拝殿2】


手を合わせていく人も結構いて、行列になっていました。もちろん私もきちんとお参りしてきました。
ちなみに「子育て・安産・縁結び・厄除け開運」にご利益があるらしい。私の場合はいつもの通り、

「いいことがありますように…」

【菩提樹】


境内の菩提樹は、家康の二男・結城秀康の側室・清涼院が植えたと伝えられているそうです。近くにはなんじゃもんじゃの木、八幡太郎義家が植えた松(…実は枯れてしまって2代目だとか)もありました。

【参道の屋台】


お祭りには欠かせない屋台。遊びに来ている近所の子供や家族連れが買っているのを見て、ついつい私も…。

【屋台のお団子】


アツアツのお団子。醤油辛い味をイメージしていたら、けっこう甘かった。小さな子供も美味しく食べられるように…との配慮かな?
そういえば、小さいころ、お団子ってあんまり美味しいとは思わなかった。でも甘い餡子のお団子は大好きだったな…なんて思い出しました。

【参道】


さて、大宮八幡宮に来たからには、「鞍掛けの松」を見ていかねば。神社の方に聞いたら、鳥居を出てまっすぐ500メートルくらい行ったところ、とのこと。このまっすぐ続く道はかつての参道だそうです。今は道の両側に住宅が立ち並んでいます。

【鞍掛けの松】


これが噂の「鞍掛けの松」です。
参道沿いにあるので(神社に向かって左手)、見落とす心配はありません。
八幡太郎義家が、奥州へ出征するときに馬の鞍を掛けたという伝承が残る松で、村尾嘉陵も書き留めていて、江戸名所図会にも記録されています。江戸時代には名所となっていたのですが、すでに松は枯れて代替わりしていたようです。


そんなわけで大宮八幡宮。
じっくりと境内を巡れば、まだまだいろいろとありそうなのですが、すでに3時半をまわっていて、気になるのは博物館の閉館時間。
う~ん…残念ですが、当初の目的地である郷土博物館へ向かったのでした。




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