日日の幻燈

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【note】「最後の浮世絵師 月岡芳年展」、観てきました

2022-05-06 | 日日の幻燈


八王子市夢美術館で開催中の「最後の浮世絵師 月岡芳年展」を観てきました。

月岡芳年って誰?
リーフレットの解説によると、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師。歌川国芳に弟子入りし15歳でデビュー。無惨絵、武者絵、錦絵新聞の挿絵、美人画などを手掛けました。浮世絵というと江戸時代のイメージが強いのですが、彼はどちらかというと明治に入ってからの活躍が多い感じです。今回展示されていた150作品も、ほとんどが明治時代のもの。まさに「最後の浮世絵師」といったところですね。

では、展示されていた作品を、いくつか紹介します。
※下の画像はショップで購入した絵葉書です。美術館内での作品の撮影は禁止なのでご注意を!


【新形三十六怪撰 さぎむすめ】


「新形三十六怪撰」は妖怪画の連作。「皿やしき お菊の霊」「ほたむとうろう(牡丹灯籠)」「四ツ谷怪談」などの怪談話、鬼や土蜘蛛など伝説でお馴染みのものが中心です。
「さぎむすめ」は明治22(1889)年の作品で、文字通り鷺が娘に変じたというもの。鷺の白さを際立たせるため、帯は黒色としたそうです。


【風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗】


「風俗三十二相」は、江戸後期から明治にかけての女性をテーマにした美人画の連作。「にくらしさう」「うれしさう」など、各々、「~さう(そう)」とタイトルが付されています。
「うるささう」は明治21(1888)年の作品。若い女性が猫をかわいがっているのですが、猫からしてみると、とても「うるささう」。今だったらタイトルは「うざさう」でしょうか…。


【月百姿 玉兎 孫悟空】


「月百姿」は月をテーマにした連作(全100点)。基本的に作品のどこかに月が描かれていますが、あえて月を描かず、影や人物の仕草などから月を連想させるものもあるようです。
明治22(1889)年の「玉兎 孫悟空」は、月に住むという伝説の兎・玉兎と孫悟空の対決を描いたもの。孫悟空の、歌舞伎で見得を切るような姿が凛々しい。この愛らしい兎は、なぜ孫悟空を怒らせたのでしょうか?


ところでちょっと気になったのですが、浮世絵と錦絵の違いって何だろう?
帰宅してから調べてみましたが、いくつかある浮世絵の手法の中で、多色刷りの木版画のものを錦絵と呼ぶとのこと。江戸時代後期以降は、ほとんどが錦絵の手法となるそうです。
なるほど。
私は単純に、明治時代以降のものが錦絵なのかな?と思っていました…。


150点を鑑賞するとそれなりに時間を要しますが、コロナ以降、久々の美術館だったのでじっくり見入ってしまいました。
そんなに混んではいませんでしたが、ソーシャルディスタンス(最近、表立ってあまり聞かなくなりましたね)に注意しながら堪能してきた、「最後の浮世絵」の数々でした。



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