日日の幻燈

歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと

【note】甲州街道・鶴川宿から下鳥沢宿まで歩いてみた(1)-鶴川宿を往く-

2018-09-23 | 旧甲州街道を往く

2018年9月22日土曜日。
旧甲州街道を歩く旅、何と1年ぶりに開催となりました。前回は鶴川宿へ到着したところまででした。集まっては飲み会ばかりしていた我々、旅の仲間4人ですが、この日は決意も固く1年振りの街道歩きに臨むものの、前回の記憶をたどりつつの旅立ちとなりました。

前回はこちら

【上野原駅ステンドグラス】


どんよりとした雲、ところどころの青空という、どっちつかずの天気の下、9時40分に上野原駅に集合、そのままタクシーで鶴川宿の入口へ向かいます。バスもあることにはあるようですが、2時間に1本、3時間に1本という感じ。車だと駅から10分程度なのでタクシーを使うのが吉。江戸時代なら駕籠を雇ったといったところでしょうか。
ちなみに上野原駅は最近新しくなったようで、バスやタクシーはすべて南口での乗降となるようです。前回、鶴川から上野原駅までバスに乗った際は、狭く不便な北口で降りたので、広々とした駅前ロータリーが完成してめでたしめでたし。
写真は駅改札階のステンドグラス越しに眺めた南口。「日本では数少ない本格的なステンドグラスであり規模においても国内最大級の一作品」とのこと。

【鶴川宿入口】


江戸方面から歩いてくると、鶴川を越えてすぐ宿場入口となります。現在はきれいなモニュメントが建っています。午前10時過ぎ、今回はここからスタートです。

1843(天保14)年の「甲州道中宿村大概帳」によると、鶴川宿の概略は以下の通りです。

本陣…1軒
脇本陣…2軒
問屋…1ヶ所
旅籠…8軒
宿場内の家数…57軒
宿場内の人口…295人

小さい宿場ですが、東側を流れる鶴川が川留になると賑わったそうです。名物は鮎。



【水天宮】


宿場に入ってすぐ、左側にある小さな水天宮の祠。

【鶴川宿風景1】


宿場内を進んでいきます。静かな雰囲気で時折車は通るものの、のんびりと歩くことができます。

【鶴川神社】


左手の小道の奥に鶴川神社の鳥居が見えます。ガイドブックによると、1661(寛文元)年の創建で鶴川宿の鎮守だったそうです。境内には駒つなぎ石が残されているとのことですが、あっという間に旅の仲間たちの背中が遠くなってしまい、呼び戻すのもどうかと思ったので、ここはそのまま素通りしました。

【問屋跡】


鶴川宿の問屋跡。大きな敷地には立派な家屋・蔵が見えます。ガイドブックによると、江戸時代の高札が保存されているとのこと。

【鶴川宿風景2】


問屋跡の前で、歩いて来た上野原方面を振り返るとこんな感じです。この辺りが宿場の中心だったのかな?左に見える家屋が脇本陣(屋号柏屋)のようですが、とくに案内や標識も出ていないので、ガイドブックなどからの推測です。

【鶴川宿風景3】


雰囲気のある家屋が街道の両側に並びます。ただ大正時代に大火があり、建物はそれ以降の再建のようです。

【鶴川宿風景4】


上野原市が無料配布している「旧甲州街道ウォーキングマップ」によると、村のほとんどが宿屋を経営していたとのこと。江戸時代の「旅籠8軒」という記録からすると、それは明治以降、近年を含めてのことだと思いますが、確かにそんな雰囲気の家屋が目につきました。

【本陣跡】


一直線に続く宿場の西はずれに位置した本陣。現在はマンションが建っています。
その奥に立つ建物は、鶴川宿の名を冠したサービス付き高齢者向け住宅「あいらーく鶴川宿」。

【鶴川宿風景5】


本陣跡地に建つマンションの向い側に、細い砂利道があります。旧甲州街道は左折してこの細い道を入っていきます。そのまま舗装道(県道30号線)を進まないように注意。
ここまでがかつての宿場のメインストリート。ゆっくりと歩いても10分程度です。

本陣や問屋場などの案内標識は皆無なので(旧甲州街道を示す道標は、随所で見かけますが…)、かなり綿密に下調べをしてから臨まないと、個々の特定は絶望的です。また、ガイドブックと上野原市のホームページにUPされている案内でも、記載内容が微妙に異なっていて混乱してしまいます。

【A】『ちゃんと歩ける甲州街道』(ガイドブック)
■柏屋脇本陣跡
建坪57坪で門構え無く玄関付で問屋を兼ねた。川端家。
■問屋跡
加藤家。高札を残している。

【B】「旧甲州街道ぞいにあるく」(上野原市HPより)
■問屋
屋号柏屋。脇本陣をも務める。間口24間、奥行き18間、当時西街道筋にある。間数、建築様式等不明であるが「上段の間」はあった模様。大正10年の大火後間口を半減、南向きにして現在に至る。
(加藤家については記述無し)

ブログなどでは【A】に沿った記事が多く、現地の案内板は【B】に準じています。   
ま、細かいことにこだわらずに、宿場の雰囲気を味わうだけなら、なかなか良い感じです。


それでは、鶴川宿のメインストリートを抜けて、次の宿場・野田尻宿へ向かいましょう。5キロ弱の道のりです。


にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ    






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。