歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと
日日の幻燈




早く宿場へたどり着いて美味しいビールが飲みたい!という、今も昔も変わらぬ想いを抱きながら、高倉稲荷神社を後にして、いよいよ八王子宿へラストスパートです。


【八王子市・大和田町付近の甲州街道】


高倉稲荷神社を過ぎると、街道は国道20号線と合流します。
道はその辺りから下り坂。日野台から降りて行くってことですね。付近のバス停も「大和田坂上」「大和田坂下」と、そのままのネーミングだったりします。

【日枝神社・鳥居】


この辺りは、江戸時代の大和田村の東端にあたります。ここの日枝神社は「山王さま」と呼ばれて大和田村の人々に崇敬された云々…と、鳥居前の案内板にありました。

【日枝神社・参道】


鳥居から急な石段を上ります。けっこう疲れてきている身には辛いのですが、これも美味しいビールのため…などと罰当たりなことは、もちろん考えてはいません。あくまで信心、信心。

【日枝神社・社殿】


石段を上りきると、小ざっぱりした境内に出ます。
創建年代はわからないようですが、3代将軍家光から社領に関する朱印状をもらっているとのことですから、それなりに由緒ある神社ですね。現在の社殿は1975(昭和50)年に造られたそうです。

【大和田町四丁目交差点】


日枝神社を出てすぐの交差点。
街道は国道20号線沿いに真っ直ぐ進みます。その上を国道16号線が通ります。
ここで車道の左側に渡っておきましょう。すぐに20号線から細い道に入ります。

【旧道】


大和田町四丁目の交差点を進み、いったん20号線と分かれて左手の細い道へ入ります。
まさに旧道といった趣。なんだかホッとした感じになります。

【古い石仏】


道端に古い石仏たちが集められていました。多分、再開発などで行き場がなくなった仏様たちなのでしょう。

【大和田橋】


旧道を数百メートル進むと、浅川に架かる大和田橋に出ます。ここでまた国道20号線に合流します。
浅川は、夏は徒歩で渡り、冬は仮設の板橋を設けて渡ったそうです。きちんと橋ができたのは1905(明治35)年で木の橋でした。コンクリート橋になったのは1927(昭和2)年です。
大和田橋には空襲時の弾痕跡が残されています。
詳しくはこちらを → 大和田橋に残る八王子空襲の痕跡

【浅川を渡河中】


そして浅川を越えると、いよいよ八王子宿に入ります。江戸時代、今の季節だったら歩いて渡ったのですね。この日は暑かったので、川の水、気持ちよかったかもね。

【竹の鼻一里塚跡】


浅川を越えると、再び国道20号線と分かれて川沿いの道を進み、さらにその道から左手へ折れます。
しばらく行くと、江戸から11里目の竹の鼻の一里塚跡。立派な碑が建っています。この辺り一帯は、江戸時代には竹の鼻と呼ばれ、まさに八王子宿の東の入口にあたります。
一里塚の痕跡は残っていませんが、江戸時代には塚の上にお稲荷さんの祠があったそうです。
今は竹の花公園(鼻ではなく花です)となっています。けっこう子供たちが遊んでいて、ママさんが木陰になったベンチで読書していたのが印象的でした。

【永福稲荷神社】


一里塚のすぐ脇にある神社で、この辺り(新町)の鎮守でした。
1756(宝暦6)年に、八王子出身の力士・八光山権五郎によって勧請されたそうです。
9月の第一土曜日には「しょうが祭り」が行われ、縁起物としてしょうがか売られるそうです。今年は行ってみようかな。

【永福稲荷神社・八光山権五郎像】


神社の境内に八光山権五郎の像が建っています。
像の脇の案内板によると、彼は身長191センチ、体重は不明。絹問屋の跡取りで、商売をしながら江戸や大坂など各地で相撲をとったそうです。相撲が開かれる場所へ旅立つ際には、永福稲荷神社に参拝して旅の安全と必勝を祈願し、八王子に戻ると勧進相撲を奉納したとのこと。
歌舞伎役者とか力士とか、当時はヒーローだったのでしょうね。八光山権五郎も、八王子宿の期待を背に相撲をとり続けたことでしょう。


【市守大鳥神社】


八王子の宿場が開かれたのに合わせて、市の守護として建てられたのが市守神社。1590年代のことです。
その後、江戸時代の中期に天日鷲命が合わせて祀られ、市守大鳥神社となりました。
11月の酉の市は、ものすごい人出で賑わいます。
詳しくはこちらを → 市守大鳥神社

【市守大鳥神社・社殿】


さて、今回の旅は八王子宿のどこをゴールにしようか、決めていませんでした。
宿場の入口、竹の鼻の一里塚?
八日市宿のモニュメント?
で、結局、八王子駅に近い(=飲み屋街に近い)という暗黙の了解と無言の圧力により、ここがゴール地点となりました。
日野宿を歩き出したのが13時ころ、市守大鳥神社到着が16時30分。とにかく暑かったこの日、なんとか歩き切りました。

さ、この後はお待ちかねの冷たいビールと日本酒で、旅の疲れを癒しに行こう!
今日は飲むぞ!!!!
何たって八王子市民の私、どんなに深酒しても歩いて帰れるので、いつもに増して超強気なのでした。


そんなわけで、八王子宿へも無事にたどり着きました。
次回は八王子宿の先、険阻な道に挑むことになりますが、たぶん、涼しくなってからだなぁ~というのが、夜の反省会での一致した意見でした。

また相見える日まで、鋭気を養い給え、旅の仲間たちよ!


にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ    






コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする



« 【note】甲州... 【music】「香... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。