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この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

ヒートゥー狩り

2010-03-09 09:45:45 | つれづれ記
ザ・コーヴという映画がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門を受賞した。
ご存知だと思うが、和歌山県太地町で行われたイルカ追い込み漁をドキュメンタリータッチで撮ったものらしい。単にイルカ漁の残酷さを訴えるだけでなく、クジラ肉に偽装して売っているとか、水銀含有量が多く人体被害を招くとか、都会の人に聞いてイルカ食は一般的な食文化にないとか、水族館でのイルカショーはイルカにとってストレスになっているなど、これでもかこれでもかと批判しているようである。

今のところ和歌山県の太地町の方では立ち入り禁止区域に無断で撮影した違法なものであるとか、イルカ漁は県の認可を受けた合法的なものであるとか、長年にわたるイルカ漁の歴史と文化を理解していない偏った作品だという屁のようなメッセージを出すだけで、他に打つ手がないようである。
映像の持つ力は凄まじい。入り江がイルカの血で真っ赤に染まった映像を見せられただけでほとんどの人はその残酷さに眉をひそめるだろう。
このままでは間違いなくジャパンバッシングにつながっていくだろうと思う。

沖縄でも昔、「ヒートゥー狩り」と言って、イルカの追い込み漁は盛んに行われていた。名護湾が有名で、確か昭和63年頃だったと思うが、名護のそば屋で壁に張られたイルカ漁の観光ポスターを見たことがある。
まだ一度も見たことはないが、幼い頃父から聞いた話によると、沖合いからイルカを追い込んで行き、迎え撃つ漁師たちが櫂のような太い棒で叩き殺して行くというのである。名護湾一面がイルカの血で真っ赤に染まったらしい。今でも細々漁はしているようで、北部のさしみ屋あたりで「ヒートゥーあります」の看板が掛かっているのを見かけることがある。
また、普天間飛行場の代替地である辺野古大浦湾の人たちにとってジュゴンは貴重なタンパク源だったというのは有名な話だ。

まぁ、残酷な話には間違いない。沖縄ではヤギもおいしく食べている。世界的には、牛、豚、馬、鹿を食しているし、中国をはじめ犬を食べる地域もあれば、猿の脳みそや羊の脳みそまで食べる。イギリスは平気で兎を食べるし、鳩も高級料理だ。
それぞれの地域でそれぞれの必要性から食文化は出来上がってきたのだから、一方的にその文化を持たない側から非難されても困るだろう。フェアであるならアメリカの巨大食肉工場でされていく牛や豚や鶏を撮影したシーンも並べて見せるべきである。その上で動物愛護を語るなら構わないが、牛や豚や鶏はいいというのは片手落ちだろう。

今回の監督がベジタリアンで一切肉を食さないというならわたしも今後一切イルカは食べないと誓うが、われわれは植物も含めて生命あるモノを戴いて生きながらえるしか道はないのだ。
偏った正義感だけで裁かれたくはないと思う。
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1 コメント

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分かるが・・・ (ヤンバラー)
2011-09-19 17:53:31
最後まで読んで納得したが、初めのほうの「屁のような~云々」の下りは無い方が良いのでは?全体としては私も同意見であり、いい切り口だと思ったので気になった次第。
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