[映画紹介]
インド映画。
「バーフバリ」の人が出ている、というので、
あの王の顔を拝めるのかと足を運んだが、
主役のプラバースではなく、
敵役のラーナー・ダッグバーティの方だった。
とんだ勘違い。
深い森の中で、
野生の象の群れを見守りながら一人暮らす男スミトラナンダン。
森を愛し、動物たちと家族のように暮らし、
10万本の植林をして森を守るこの男のことを、
人々は敬意を表して「森の神」と呼んでいた。
ある日、巨大企業が、彼の住む森を占拠し、
リゾート施設の開発を進めようとする。
森と象を守るため、開発を阻止しようとするスミトラナンダンだったが、
逆に罠に嵌められ、投獄されてしまう。
建設予定地の森の一角は高い塀で囲まれ、
ゾウたちが平和に暮らしていた場所は奪われてしまう。
スミトラナンダンは身を賭して最後の抗議を決意するが・・・
という、環境問題を背景に置いたような話が展開。
強引なリゾート開発に反対した村人たちは、
警官隊に追われ、ゲリラ活動を始める。
それはエスカレートし、
銃撃戦となり、地下トンネルを掘って、
壁を根元から爆破するべく、爆弾が仕掛けられる。
と、どんどんとんでもない方向に話が進んでいく。
題材が題材なだけに、
インド映画風のダンスシーンはないが、
状況を説明するような歌は流れる。
インド映画には独特のくどさがあり、
今回は、そのくどさが悪い方に転がった。
では、わざわざ映画紹介することはないのではないか、
と思われるかもしれないが、
一つだけ良いところを挙げると、
沢山の象が登場し、
その象たちに演技させているところ。
水飲み場を奪われて、壁沿いに移動すると、
今度は村人たちに阻止されて、
という象たちの姿が哀れに描かれる。
その後ろ姿には、哀愁まで漂う。
というわけで、CGの恐竜映画に対抗するかのように、
実写の象たちが演技する映画、として、紹介した次第。
インド全土で公開するために、
3言語(ヒンディー語、タミル語、テルグ語)で
同時に撮影したという。
吹き替えでは済まないのか?
インド映画は、
悪役には、悪役顔の役者を選ぶ、という分かりやすい方針で、
そういう顔の悪徳警部が登場する。
この警部、住民を銃殺してゲリラ犯に仕立てるわ、
部下たちも平気で銃を向けるわで、
インドの警官は、本当にすごい。
監督と脚本はプラブ・ソロモン。
5段階評価の「3」。
新宿ピカデリーで上映中。
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