[映画紹介]
アメリカン・コミックのヒーローチーム
「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の実写映画化作品。
1作目「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」 (2014) 、
続編「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」 (2017) に続く第3作目。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の32作目。
マーベル映画は、面白いし、技術的にも最高だと思うが、
あまりに膨大な世界観に、理解の範囲を越えてしまい、
少々敬遠気味。
だが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を観るのは、
監督のジェームズ・ガンの才能に惹かれるからだ。
こののシリーズは、ジェームズ・ガンの映画だと言ってよく、
とにかく、彼の才能が生み出した傑作。
実は、第1作公開時、特に興味は引かれなく、劇場では観なかった。
しかし、海外旅行の帰り、機内で
「2」を観て、驚倒した。
冒頭の樹木型ヒューマノイドのベビーグルートの背後で
展開されるバトルシーンの見事さに、目を見張った。
しかも、画面は中心にグルートを置いたまま。
どのような才能が、こんな映像を可能にするのか。
今回、「3」を観る前に、
「1」と「2」を再見。
ところどころに記憶はあるものの、
全体のストーリーは忘れていた。
どうもマーベル映画の時、そういうことが起こりやすい。
そして、いちはやく「3」を観ていた娘からレクチャー。
実は「2」と「3」の間には、
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」と
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の
2作品が挟まっており、
大きな変化がもたらされている。
中でも、「3」で登場するガモーラは、
「インフィニティ・ウォー」で、サノスに殺されたガモーラではなく、
「エンドゲーム」で、世界を復活させる作戦のために
過去から呼び出されたガモーラであって、
つまり、ピーターとは会っておらず、
ましてピーターと恋仲になる前のガモーラである、
ということだけは、
把握しておくように、
と娘からアドバイスを受けた。
このアドバイスは有効だった。
で、「3」 の話。
ガーディアンズたちは、
ノーウェアに本拠地を建設し暮らしていた。
ピーターはガモーラを失った喪失感から酒に浸っており
メンバーにも呆れられている。
ある夜、全身が金色の謎の男に奇襲され、
応戦するも、ロケット・ラクーンが重傷を負う。
治療しようとするが、
体内に自爆スイッチが埋め込まれていることが判明し、
その解除のパスワードを得るために、
チームは敵の本拠地に潜入する・・・
という話と並行して、
ロケットが普通のアライグマから遺伝子改造される過程、
その際に出会った他の改造動物たちとの関わりが
瀕死のロケットの回想として描かれる。
このロケットの話が哀切で、涙を誘う。
ロケットは只の賞金稼ぎの傭兵の乱暴者かと思ったら、
改造されたための哀しみを持つ悲劇の存在だったのだ。
という話もなかなかだったが、
やはり見せ場は、数々のバトルシーン。
ディズニーがウォルトの構想を
アニメーターたちに伝授して映像化したように、
このシリーズもジェームズ・ガンが
自らの頭の中にあるイメージを
どうCG技術者たちに伝達して、
映像化したか、だ。
そして、それは見事に成功している。
その上、ユーモアもあふれている。
メンバー同士の会話のやりとりに思わず笑いがこみあげる。
「俺はグルート」としかしゃべらなかったグルートが、
ある場面で、違う言葉を口にするのが泣ける。
グルート、ドラックス、マンティス、ネビュラら
それぞれに見せ場が用意されているのも嬉しい。
とにかく、徹頭徹尾ジョーン・ガンの映画。
一時期、過去の差別発言が問題視されて、
監督から外されそうになったが、
ジョーン・ガンあっての「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。
一応今度で終結とは言っているが、
多分、そうはならないだろう。
5段階評価の「4.5」。
拡大上映中。
日本のゴールデンウィークに合わせ、
アメリカより2日早い公開となった。
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