変化を受け入れることと経緯を大切にすること。バランスとアンバランスの境界線。仕事と趣味と社会と個人。
あいつとおいらはジョージとレニー




夢を見た。

理不尽な夢である。

おいらは囚われの身だった。

そして、訳もなく処刑されるという。

理由は分からない。

集団殺人。

多くの人達とともにガス室に入れられた。

何人くらいだったかも分からない。

いっぱいいたのは間違いない。

各人がベットだか布団だかに横たわっている。

おいらも横になっていた。

唐突に、頭上からガスが吹き込まれた。

息苦しい。

毒ガスだ。

横には妻が横たわっている。

間も無く息途絶えるだろうおいらの意識が、

妻に最後の言葉をかけようと手を握った。

もう時間がない。

走馬灯を追う暇ももったいない。

色々と考える間も無く、自然に、そして最後に

おいらの口は、

○○(妻の名前)、今までありがとう

の言葉を紡いだ。

妻はもう振り返る力も無かったが、

彼女からの最後のメッセージは

さようなら、○○(おいらの名前)

既においらには言葉を返すことはできなかったが、

この段階でおいらの悲しみが弾けた。


目が覚めた。

大きく息を吸った。

夢であったことに感謝。

横で眠っている彼女の頬にそっとキスした。

本当にいままでありがとう。

これからもよろしく。

そう呟きながら。

にほんブログ村 小説ブログへ


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )