いつの間にか姿を見せなくなっていた職場の同僚。
彼女の机はそのままの状態で、相変わらず、そこは空白だった。
いったいどうしたんだろうと、周囲の者に聞いても
分からないの一言。
色んな想像を巡らせてはみたが、
やはりこれぞという決定的な答えはなかった。
病気なんだろうかとも思ったが、何しろ情報が入らないのでしようがない。
そして、
久しぶりに彼女の机の前を通り過ぎて行くとき、机の上を一枚の布が埃除けのために被せてあった。
だが、
何だか喪に伏すような寂しさが、
そこからは感じられたのだった。
それが急な知らせだったのだが、入院中の彼女が急に容体が悪化して亡くなったそうなんだ。
そういえばと、
あるもう前の事を思い出した。
彼女をふと見たとき、
あれ?と意外なものを見てしまったのだ。
彼女の身体の中心線に、
黒いほくろがあった。
これって良くない相だよな、確か重い病気にかかるって感じの相じゃなかった?
大したことにならなければ良いんだけれど・・・。
そう思ったことを思い出した。
それがこんなことになるなんて。
最後に一言優しい言葉でも言って別れたかった。
それが残念だ。
彼女の冥福を祈りたい!