町田・相模原の司法書士・行政書士の宮下です。
僕が考える横領の要因は次の3つのいずれかです。
① 現預金の圧倒的不足
現預金が足りていない(と感じている)状態で、目の前に自由にできるお金があったら、魔が差すことも人間ならあるでしょう。
② 精神的な圧倒的虚無感
満たされないものは物理的なものだけではありません。
むしろこちらの方が問題です。
心を満たそうとお金を利用する。
一時は満たされた感覚を得られるでしょうが、一時です。
精神的な不足は物理的なものでは満たされません。
それに気づかないでまた繰り返してしまう。
一度バレなければまたやるでしょうが結局満たされない。
③ 病気
自分のお金を減らすことなく、金銭的欲求を満たすことができるお得感。
ある種の法を犯す快感に囚われてしまう。
司法書士は様々な研修が義務付けられています。
毎年、必要な単位を取る必要があります。
そして5年に1度、1日がかりの年次研修が行われます。
そこで横領についても議論がされます。
内容としては横領はやめましょう、ということです、
個人的にはそんな研修になんの意味もないと考えています。
時間の無駄です。
僕が考える横領の要因は上記の3つ。
そして、①は防ぎようがあります。
しかし、②と③はかなり難しい。もはや社会的枠組みの中で考えなければいけません。
つまり、横領は防ぎようがないんです。
横領は必ず起こります。
遺産相続や後見案件では預かり金として数千万円、時には数億円のお金を管理します。
特に後見では簡単に横領できます。
今すぐにでもできます。
でもね、普通しません。
1円ですら怖くてできませんよ。まじで。
やろうとも思いません。
しないんですよ、普通。
でも横領は起こる。
どうすればいいか。
まずは防ぎようのある①に注力するしかない。
時に司法書士は、安くて法的安定性の高い書類を作成することを誇りに感じることがあります。
もちろん個人的見解です。
さて、ポイントは「安くて」です。
そう、司法書士は安さに誇りを持っている部分が少なからずある。
高い報酬の案件では高くないか?値引いたほうがいいんじゃないか?という恐怖感に襲われる至極人間的な生き物です。
僕もそんな時期もありましたし、今でもそんな部分がありますが、このままではいけないという危機感も強くあります。
司法書士は変わらなければいけない。
最低賃金は上がり、物価も上がる一方で司法書士の報酬は安いままではよろしくない。
安さに誇りを持つフェーズはとうに過ぎた。
司法書士は実力及び責任に見合った報酬を取るべきです。
現預金の圧倒的不足を満たすためにではありません。
それは副次的な効果です。
司法書士会としては、横領は必ず起こるという観点から物事を考え、そして、まずは司法書士の報酬基準をどう上げていくのかを考えることがいいと思います。
まぁ報酬は事務所ごとに自由に決められるのでそれはそれで難しいですけどね~。
さらに難しいことは、報酬が安かろうが高かろうが、繁盛する事務所は繁盛します。
それが経営の難しいところでもあり、楽しいところでもあるのですが。
空気がおいしかったです。
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