町田・多摩センターの司法書士の宮下です。
学生時代、多摩センのカリヨン館のサイゼでバイトしてたんですけど、今は亡きリブステーキを2回連続で頼まれた60代くらいのダンディな紳士がいました。
ホールスタッフが"?"の様子でキッチンに戻ってきたと思ったら僕にこう言いました。
リブステーキ2回頼んだお客さんが、"この肉の焼き加減は素晴らしい。焼いた人を連れてきてほしい"って言ってるんですけど、行ってもらっていいですか?
当時、既に用意された食材をマニュアル通り作ることは完璧にできてました。
これはバイトとして雇って頂いている以上当たり前なので偉そうに言うことでは全くないんですけど書かずにはいられません。
そして、どういった順番で料理を提供すれば、お客さんは楽しく食事をすることができるのか。
パスタの後にサラダを出すことなんて言語道断です。
辛味チキンやミラノ風ドリアが出てるのに、パスタが後に出てくるなんてありません。正直結構ありました
複数人で来てるのなら、なるべく一緒のタイミングで食べられるように料理を提供する。
特に、2人で来てるのに一方の料理だけ出して、それを食べ終える頃にもう1人の料理が出てくるなんて、これはキッチン担当の自腹案件です。
そのために各メニューの出来上がる時間は全て頭に入ってなければいけません。
どうすれば効率よく、無駄なく、スピーディーに料理を出すことができるのか。
これはサイゼリヤのキッチンを担当してる全ての者達がその意識でいます。たぶん
私たちは、お客様に料理を提供しているのではありません。
人生のかけがえのない時間を提供しているのです。
さて、用意された食材、マニュアルに沿って作れば同じものが出来上がります。
そもそも、その食材、マニュアルを作ったことがまず果てしなくすごいわけではありますが、あまり注目されません。
そして、同じものが出来上がりますが、実はそこには差を作り出すことができるんじゃないか。
先ほど言ったような料理を出す順番やスピードもそう。
さらに、ソースの絡め方や盛り付けなど、一見同じ結果でもその過程で多くの差別化のチャンスが埋もれている。
もしかしたら、”差別化”とはとても小さなものの積み重ねなんじゃないのか。
冒頭のリブステーキは、当時、鉄板で焼いて焼き加減を自分で判断して提供するものでした。
なので肉をヘラで鉄板に押し付けながら焼いたり、裏返したり、脂部分は少し焼き加減変えたり、横も少し焼いたりと、いかに最高の焼き加減で出せるかを毎回意識していました。
これは全く驚くような方法ではありませんが、結果、その意識がダンディズム紳士に伝わった時に、結果が同じものに対してその過程を意識することの大事さを学んだ気がしました。
そんな小さなことこだわったって・・・と思うでしょうか。
サイゼのキッチンと司法書士は思いません。
登記手続きは結果が同じと言われることがあります。
しかし、登記手続きの相談を受ける前からの所作、相談時の初動、方向性、そして手続きの進め方や書類の内容は司法書士によって様々です。
結果が同じと揶揄しているのかもしれませんが、司法書士はその言葉が快感でたまりません。変態すぎ
なぜなら司法書士の登記業務は結果が同じでなければいけないからです。
同じ結果を生み出すために日々研鑽をしている猛者たちです。
これは以前も書きましたが、登記業務は同じ結果を求められるからこそ、いかに付加価値を生み出すかが重要だと考えています。
付加価値を生み出すことができる事をサイゼリヤで学んだ僕が、登記業務に付加価値を見出すことができないわけがありません。
物事の真理は同じ。
小さな差が大きな差になる。
どうでもよさそうな1つ1つの細かい作業、いつもは意識していなかった動作、無意識に通り過ぎていた作業に成長のヒント、仕事の面白みが隠されているかもしれません。
これが朝リビングに置かれていた場合、それは「ごめんなさい。探さないでください。」の意味です。
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