町田・相模原の司法書士・行政書士の宮下です。
誰に聞いてもそれはダメだよねと言われるような行いをAがしてしまったとする。
Aに対しては皆(以下、「B」という)が批判する。
それはダメでしょと。
しかし、Aはわかっている。
Aはそれを知っていたが、それをしてしまった今、やっとわかった。
だから批判に対しては「わかってるよ!」とは言えない。
今わかったのであってわかってはいなかった。
知ってはいたがわかってはいなかった。
それをしてしまった以上、「わかってるよ」などとは言えない。
お前が言うな、と言われるのがオチだ。
だから、反省をしなければいけない。
わかっていなかったことを。
知っている状態でわかっているように生きていたことを。
しかし、それはAを成長させる。わかっていないBよりも。
一方で、Bはわかっているのだろうか。
知っている状態でAを批判していないだろうか。
その結果、Aが必要以上に気を病んでしまったらどう責任を取るのだろうか。
もし仮に、BがAと同じ状況に出くわした時、過ちを犯さずにやり過ごせると断言できるんだろうか。
Bは知っているから「自分ならこうする」「自分ならそんなことはしない」と言うかもしれない。
そして、Bはそれを根拠なく信じている。
Bはわかっていないことに気付いていない。
それはそうだ、知っているのだから。
Bは疑いもしない。
しかし、ある時Bは過ちを犯す。
Bはそこで悔いる。
わかっていなかったと。
BはAを責めた罪悪感と、人の持つ可能性の存在を思い知る。
絶対などない。
誰にもわからない。
その時の精神的、身体的、経済的、社会的状況によって人の行動は変わる。
ここでさらに気を付けるべきは、AとBが知ってすらいないかもしれないということ。
だから、誰かが批判はしなくてはいけない。
それは知っている者でもわかっている者でもいいが、第三者である必要はなく、家族や友達でいい。
その者の人生に関係のない者からの批判は無価値だ。
批判をする者も楽ではなく、ブーメランになる可能性もある。
しかし、知らない可能性を踏まえ、世間は過ちそのものを受け入れないということをわからせるために言わなければいけない。
知っている状態からわかっている状態への昇華。
ここで初めて過ちは価値あるものになるんだと思います。
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