goo毎日絵日記

毎日の絵日記。空気描き、その日その時の雑感。

廃寺の桜誘い

2010-04-07 09:55:35 | 日記
外で身体を動かしていて、陽射しの強さもそんなにかんじないのに、汗をジワリじわりとかくような日中でした。三時に泥足仕事を終え、汗ばんだ身体や衣服が気持ち悪く感じていたのですが椅子から暫くほっこり。谷向こうの屏風のようになった杉林のなかの桜が色づいてきたのを眺めつつビールを(発泡酒。感じとしてはビールなのでご容赦。)窓からは山裾の杉林の中の点在する山桜が紅く葉=花をだしだしその存在をしらしめていて、目に心地よく。朝は山腹の桜もポッと咲いているのを認めていたので。ヒョットしたら、近くの廃寺の桜が咲いているのではと思いが…。
この廃寺歩いて十分もかからぬ所なのですが、以前私の所を訪れた方が導かれるように一人そこに行かれ。頭が痛いと帰ってこられ、「祈ってくれ!祈ってくれ」という声がワンワ聞こえたと云われたのです。私ども何度もそこを訪れていたのですが、そういう声は一切聞こえず。逆に閑散として気持ちの良いところと思っていたので、見る人は見ると「違うんヤ!」と感じ入り、その廃寺の見方は変わりましたが。でも「桜が咲いているかもしれない」と惹かれてしまって、ビールを飲み干すと蹌踉と泥足ドタ靴で、埃まみれの姿でその廃寺を足を運んでいったのです。陽はすでに褪せ始めて、普段でも十数台しかと通らない鬱蒼ウネウネ山道を5分ばかり歩き、そしてその廃寺の分岐の道をのぼります。こうなるとお化け屋敷のアプローチに近くなります。当方至って気が小さい方なのですが、ホーラー映画にあるごとくついついその怖い所に導かれるなんて思いをもちつつ、ガラガラ道を登りつめてゆきます。入り口付近にウインドー前部に枯れ葉の乗った放置乗用車がテンとあるんですね。それもナンバー付き。「おおこれは、これは」と邪推したくなりますが。さすがに傍に行って覗き込むことはパス。廃寺とはいえ以前はたえず人の手入れを感じていたのですが、山石の階段の弛み、脇の亭の腐り崩れ落ちをみて。最近は手入れされていないのではないかという風情。まあ、冬場の天候の悪さと、山の獣達の跳梁跋扈から、考えればいたしかたないともいえます。歩き合わせにくい石段を登ると、待望の桜がまっていました。ソメイヨシノの仄白い色あいとちがい、ポッと頬を染めたような赤紫がかった色合いの撩乱の桜が待っていてくれたのです。わたしの思惑はドンピシャ。「通りゃんセ!通りゃんセ!」の謡のごとく。色の失われてゆく空との花色の対比、眼福です。「寂」帯びたる廃寺。わたしのとって、やはり此所は「心やすらう所」でした。
帰りの道も、ついつい視線がいってしまう投棄車が怖かったのですが…。
コメント
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