小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

お受験という造語の中で揺れるママ達。小学校受験指導、20余年間の経験から、ズバリ!悩めるママ達に真のアドバイスを。

小学校受験 覚えてしりとりの薦め

2009年06月18日 | その他、もろもろ
 現代の子どもたちは、話すことが苦手ですが、じつは困ったことに「聞く」ことも苦手なんです
 ただ、「話すこと」と「聞くこと」はが同じ言語分野であると思われがちですが、実際には、その苦手という原因は、全く違ったことに由来する、と私は考えています。

 話すことが苦手な原因は、先だっても同ブログに書いた通り、「言語力の低下」です。しかし、聞くことが苦手な原因は、言語力の低下が主な原因ではなく、もっと精神面に関係していると言えるでしょう。
 今の子どもたちは、本人がそれを意識しているかどうかには関係なく「何が何でも自分が中心」という考え方を持っています。少子化の現代では、多くの家庭では「子どもが中心」。ほとんどの子ども達は、家庭内では王子様、王女様 知らず知らずのうちに、「ぼく、わたし」が基準なんですねえ・・・
 こういう背景があり、今の子ども達を見ていると、あまり他人には興味を示しません。「仲良しになりたい」という気持ちは、相手への興味や思い入れではなく、自分が楽しむための相手、自分がさびしい思いをしなくても良いためのお友達・・・
 多くの子ども達は、、大なり小なり、みな自分が大事で、自分が好きで、輪の中心にいたい!と願っているようです。たとえ、積極的に人の前に前に出たいと思っている子どもではなくても・・・なんですね
 そういう意識がどの子の根底にもありますので、ですから「自分が話す」ことには一生懸命になっても「人が話すこと」にはあまり興味を示さない・・・人が何を思っているかを知るよりも、自分の思っていることを人に伝えたい!それがまず第一なんですね。

 さあ、こういうことを認識していただいた上で
子ども達の「聞く力」を育てるために、『覚えてしりとり』をしてみましょう。あくまで、これは「遊び」ですから、楽しい親子の時間の中で実践してみましょう。
 
 普通のしりとりの場合は・・・
「めだか」の次は、「か」で始まる言葉を探して・・・「かえる」と言います。「かえる」の次は、「る」で始まる言葉を探して・・・「るすばんでんわ」となりますね。
 でも、「覚えてしりとり」の場合は、その方法は同じでもルールが違うのです。
「めだか」の次の人は、確かに「か」で始まる言葉を探しますが、自分で「かえる」と言う前に、自分の前の人が言った言葉も言います。
 つまり・・・「めだか」の次の人は、まずは「めだか」と言った後で「かえる」と言うのです。では、その次の人は、「る」で始まる言葉を探しますが、言う時には、1番の人の言葉から、すべて言っていき、最後に自分の探した言葉を言います。ですから、この人は、「るすばんでんわ」を言う前に、まずは「めだか」「かえる」と言って、やっと自分の「るすばんでんわ」を言うわけです。
 じゃあ、次の人は・・・「わ」で始まる言葉を探して・・・言う時には、「めだか」「かえる」「るすばんでんわ」「わなげ」と言います。
 次の人は・・・「げ」で始まる言葉を探して・・・言う時には、「めだか」「かえる」「るすばんでんわ」「わなげ」と言って、「げーむ」と言うのですね。
 こうして、どんどんとつなげて言っていきます。自分の言う言葉を探さなければいけないし、人が言ったことを聞いていないといけないし、それまでに言われてきた言葉を覚えていなければならないし・・・

 「聞く力」「集中力」「記憶力」「思考力」すべてを鍛える良い遊びなんですね 5歳児であれば、20個程度は十分に覚えて、言っていくことができますよ
 お父さんもお母さんもやってみてください。でも、くれぐれも運転中にこの遊びをする場合には、運転への注意力は散漫にならないでくださいよー


小学校受験 文章の理解力

2009年06月01日 | お受験ママへのアドバイス
 ここ10年、子ども達の「言語能力」の低下は、かなり深刻な問題です。この原因は、家庭生活の中で、母国語である日本語が大切にされていない・・・ということに大きな原因があると思っています。
 国際化社会という御旗を掲げ、幼児期からの外国語習得に躍起になる親が多い中、親そのものが正しく美しい日本語が話せなかったり、話そうという思いがなかったり・・・私は大変残念なことだと思っています
 そんな状況のもと、現在の子ども達は、5、6年前の子ども達と比較すると、「口頭で出された問題の意味そのものが理解できない」ということがよくあります。

 私の教室では、どんなカリキュラムを教える時も、いきなりペーパーを使うのではなく、ホワイトボード上に例題を出し、子ども達にわかりやすい言葉を使い、何度も何度も、多方向から説明をします。一人一人の顔を見ていると、その子が私の言葉、私の説明を理解しているかどうか?ということがよく理解できます。わかったかな?とたずねて、ウン、ウン、と頷いても、必ずしも子ども達の理解度は一定ではありません
 ウン、ウン・・・の子ども達の表情をよく見て、理解の程度が浅そうだと思った時には、その子に対してピンポイントで説明をします。
 そして、やっとしっかりと全員が理解できた、と思えた時に、初めてペーパー学習を始める・・・という手順を踏みますが、年々、ここまでの時間が長くなっていくのです。つまり、子ども達の「言葉の理解力が低下している」ということ、ですね

 お母様方は大人ですから、どんなペーパーの問題を読んでも、「むー、この問題・・・理解できない」ということはあり得ません、よね。
 でも子ども達の場合は、日頃、ご家庭の中や幼稚園、保育園の会話で用いている言葉と、ペーパー学習で使われている言葉には「大きな隔たり」があり、決して同じ言葉として理解はできないのですよ。お気づきでしたか?

 「どちらが多いですか(少ないですか)?」程度の言葉であれば、普段の会話でも使っています。ですから、こういう問題の意味がわからなかった、ということはないでしょう。
 しかし、こういう問題はいかがでしょうか?
 問題1:
『上の段と下の段には、5枚ずつカードが並んでいます。それぞれのカードには絵が描かれてあります。その絵をよく見て、上のカードと下のカード、それぞれ関係のある絵を探して、線で結びましょう。』

 問題2:
『ここに描かれてあるリンゴを、上の四角の中に描かれた人数で分けようと思います。必ず、一人一人に分けるリンゴの数が同じ数になるようにするためには、何個あげればよいでしょうか。その数を、下の線の上に赤のクレヨンで○を描いてください。』

 大人は、「わかるはずだ」と考えます。うちの子は、すでに5歳(6歳)になっているのだもの・・・普段は、私に偉そうに反抗的な口答えもするわけだもの・・・と。
 けれど、案外、子どもは実際には完璧に出された問題を理解できている、とは限りません
 中には、出された問題を聞き、「はいはい、この間、やったやつね」という理解の仕方をしている子もいて、この場合には、完全に「問題を理解した」のではなく「慣れ」によって、理解したつもりになっているだけ、なんです。
 ですから、こういう子ども、こういう理解の仕方をした子どもの場合は、ほんの少し設問の内容を違ったものにするだけで、見事に間違ってしまう・・・こういうことは少なくありません

 特に数量の問題などは、小学校に入ってしまって、数を数字で表すことを覚え、数式にして書き換えられるようになったほうが、絶対に間違いにくくなるものです。
 しかし、小学校受験準備の段階では、数量の問題も、すべてが基本的には「文章題」であり、数量の問題を、しっかりと文章を理解することによって「○」や「△」という印に数を置き換え、「3」と描く換わりに「3個、○を描く」という作業をしなければなりません。
 そのためには、出された文章での問題を、完璧に理解していなければ、先には進めない・・・とか、間違った答えを導き出してしまう・・・こういうことが頻繁に起こってしまうわけです。

 問題のメカニズムを理解することが、何よりも一番大切であることは言うまでもありませんが、もっとそれ以前に、わが子の「言葉(文章)の理解度、理解力がどの程度であるのか?」ということを、親側がしっかりとチェックし、言葉の言語能力を高める努力をしないといけません

 外国語の習得がなかなか難しいように(たとえば、鉛筆が「pencil」である、と覚えるのは簡単ですが、「ぼくの鉛筆の芯がとがりすぎていたから、とても書きづらかった」と言うのは難しいですね。しかし、実際には、子ども達は、そういうことも言えなければいけないわけですし、そういう言葉を理解できなければ困るのです)、言葉の習得には時間がかかります。

 わが子の言語能力・・・それは、今までの5年間、6年間のご家庭での積み重ねの結果、です。言葉の発音、文章を組み立てる力、聞く力、等、総称すれば「言語力」を、あらためてチェックしてみましょう
 そして、ペーパー学習での「子どもの間違い」が、カリキュラムの不理解なのか、言語力の未熟から来るものなのかを、しっかりと見極め、対処をしなければなりません。


        

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