小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

お受験という造語の中で揺れるママ達。小学校受験指導、20余年間の経験から、ズバリ!悩めるママ達に真のアドバイスを。

小学校受験 - ママの顔を鏡に映してみてください!

2011年05月18日 | お受験ママへのアドバイス

 すっかり世の中に浸透し、定着した中学受験。
夜、塾の名前の入ったバッグやリュックを背負って家路を急ぐ子ども達を目にすると、中学受験というものを知らない人も、嫌というほど知っている人も、すべての人が「中学受験って大変だあ・・・」と思うものです。
 確かに、中学受験は大変です。
小学校受験に比べて準備の期間も非常に長く、子ども自身がしっかりとした自分の意志を持つようになってからの受験ですからね。
 しかし、見方によっては、その中学受験は、小学校受験よりも「楽である」ともいえるのです。それはなぜでしょう?

 じつは、中学受験の場合は、合否の基準が非常に見えやすい!テストの点数、正誤が、そのままで「合否」につながります。誰もが知っている「偏差値」という数値も、そのままでさまざまな判断のバロメーターになります。
 ですから、中学受験をサポートする親は、「不確かなもの」への不安を持つ必要はありません。
 算国社理、算国の試験以外に、子どもの面接のある学校の場合でも、面接のほうが重視される・・・ということは稀で、あくまでも試験の結果が重要になります。要するに、「当日のテストの出来不出来」が、そのままで合否に大きく影響します

 しかし、その一方で、小学校受験や幼稚園受験の場合は・・・
合否は、とても不透明な部分が多くある、というのが現実です。いえ「不透明」という表現は適切ではないかもしれません。実際には、どの学校にも、確固とした基準や判断があるものですが、それが中学受験のように、単純に「数値として表せるものではない」というほうが良いでしょう。
 要するに、幼稚園や小学校受験の場合は、合格したお子様が非常に優秀で、不合格だったお子様は能力的に劣っていた・・・決してそうとは言えない、ということです

 たとえば。
世の中で「お受験と言えば、ドリル的問題をたくさん、正確に解くもの」と、神話のように信じられているペーパーテストですが、これが満点であっても、他の個別のテストや集団遊びや、グループでの製作をした時、何か学校が「この子は違うな・・・」と思われたり、親子面接をした時に、「むー・・・この両親は、何か違う・・・」と感じられたりしたとしたら?結果が良くない場合だってある、ということです。

  お母様、今のあなたはステキですか?
  お子様にとってステキなお母様ですか?
  お子様は、今のお母様に満足しているようですか?
  あなたはお子様から嫌われてはいませんか?
  あなたは愛する我が子から、疎ましい相手だ、と思われていませんか?

 最近の幼児虐待報道のような、とんでもない親でない限り、どんなに子どもが成長しても、子供達は、いつもパパやママが大好きだって事、ご存知ですか?少なくとも、パパとママのことを大好きでいたい!と思っているものですよ

 けれど、小学校受験の準備をしている親の多くは、自ら「愛されない親、子どもから拒否される親」に、どんどんと変身していっている・・・
 自分の勝手な都合で、我が子を誉めたり、叱ったりする未熟な親になっていっている・・・・そう、自分では全く気付かぬうちに・・・です。

 私のところに相談に来られるお母様の多くは、よくこんなことをおっしゃいます。
 「先生、私はずっと子どもの幸せを考えて、一生懸命に子どもに接しているんです。私は子どもの幸せを願うからこそ、あの子に勉強をさせているんです
 「私はうちの子のことを愛しているから、だから今は大変でも一生懸命にやりなさいって言ってるんです。私のためじゃない、みんなあの子のためなんです。だからこそ、私も心を鬼にして、必死にやってるのに・・・

 でもね、そういう心の中には、「私がこれだけやってるんだから、うちの子だって、このくらいはやってくれても良いはず」「私がこんなに愛してるんだから、それに応えてくれたっていいじゃないか」そんなふうに我が子に対して思っていませんか?

 眠い子どもをたたき起こして、朝から何枚ものペーパー学習を強要し、間違えると「なんで何度もまちがえるのー」と、ヒステリックに叱る・・・
 幼稚園や保育園でくたくたになっている子どもに、受験準備のためにと体操教室、絵画教室、ピアノ、ヴァイオリン、英会話と、さまざまなお稽古に連れまわし、夜はまた自宅で膨大なペーパー学習・・・

 小学校受験準備をしている子ども達は、4、5年前には、未だこの世に存在していなかったのです。そんな我が子に、怒鳴りつけたり、泣かせたりしていませんか?
 こんな狂気とも思える生活を、4,5歳児に強いている時のママ達の顔は、きっと美しくはないはず・・・です

 幼いたった4、5歳児にも、一生懸命にパパやママに伝えたい!と思っているメッセージがあるのですよ。
 「パパ!あのね、ボクは今こんなことを考えているんだよ!」
 「ママ!・・・ワタシはね、本当はママにこんなことをしてもらいたいの!」
そんな子どもの声が、いつも聞こえていますか?

 いろいろな学校で、学校説明会や見学会等が始まりました。どんなにのんびりと構えていたご家庭でも、少しは「ああ、いよいよだな・・・」と緊張し始めるのがこの時期です。

 でもね、どうぞ時には立ち止まり、ご自分の今の姿、今のお顔を見てみてください
 鏡に映ったお母様の笑顔はステキですか? とてもチャーミングなママですか?
 ちょっとのことでは笑わない、ひきつったような、ドキッとするほど怖い顔はしていませんか?

小学校受験 - 昔話を大事にしましょう!

2011年05月11日 | お受験ママへのアドバイス

 今は、どんな本屋さんでも、「子どものための絵本」「児童書」がずらりと並んでいます 戦後は、児童文学という分野がしっかりと確立され、名作を残される作家も多くなりました。
 「子どもの情操教育には、本の読み聞かせが大事」「幼い時期から、絵本をそばに置き、自然に本に慣れ親しむようにする」等々、本によって家庭教育の充実を図るご両親は少なくありません。

 その一方で、昔ながらの「おとぎ話」は、すっかり影をひそめてしまいました。
「桃太郎」や「浦島太郎」などは、かろうじて今でも子どもの世界の中に残っているように思いますが、「かちかちやま」「はなさかじいさん」「かぐやひめ」「こぶとりじいさん」「さるかにがっせん」などは、全く知らない・・・という子がほとんどです。やはり、それはとても残念なことだと私は思っています

 先日、こんなことがありました。
クラス中、誰よりも早くに問題が解けた生徒が、すっかり悦に入り、まだまだがんばっている仲間に「まだおわんないの?ぼくはもうできちゃたよ!」と言い、私にこっぴどく叱られました。
 まあ、子どもの世界の中では、こういうことは日常茶飯事。特に現代の子ども達は、「できる子に育てたい」というご両親の望みが強く、「早くできる」「たくさんできる」ということばかりに着目する親の元で育つ子どもが多くなりました その弊害で、「じっくりと取り組む」「見直す」ということのできる子どもが激減し、早い=良いこと、という意識が、すでに4,5歳児の中にも確立されてしまっています

 ・・・ということで、私はこの慢心する生徒を相手に、しっかりと諭したあとで、こんな言葉もかけたのです。
「ほらあ、そんなことをしているとね、そのうちにカメに抜かれてしまうわよ。うさぎになるのは格好悪いでしょう?」するとこの子はこう答えました。
「先生、ぼくはカメじゃないよ。に・ん・げ・・ん!」私は思わず大爆笑してしまったものです。

 10年ほど前でしょうか。勧善懲悪の昔話は子どもの教育上、良くない、と言われたことがあり、主人公は鬼も懲らしめず、悪者もバッタバッタとやっつけることなく、ひたすら「すべてが丸く収まり・・・めでたし、めでたし」というお話に書き換えられ、そういうハッピーエンドにされてしまった「昔話」が奨励された時代がありました。
 けれど、勧善懲悪のお話は、決して残酷でも、理不尽でもない!私はそう考えています
 純真で無垢な子ども達に「いけないことをするのだったら、叱られること、罰を受けることは覚悟しなさい」ということは間違いであると思いません また、鬼という架空の生き物は、実際には生き物ではなく、「邪悪なもの」の象徴として描かれて、登場しているわけですね。ですから、鬼を忌み嫌わず、やっつけることもなければ、社会の悪、心の中の悪、そういうものを「認める」ことになってもしまいます・・・

 昔話は、立派な日本の伝統文化です。
今では姿を消してしまった風習や、農耕器具、道具類がたくさん出てきて、お話の中で自然に「今の便利な時代」への感謝の思いもそだっていくはずです。
 どんなにすばらしい子ども向けの新文学が育ってきても、やはり「日本を知る」「日本の風習を学ぶ」「日本人の美学に触れる」という意味でも、是非ぜひ、昔話を大切にしましょう
 小学校受験の中で、しばしば登場する昔話・・・出題をされる意図は、そのような考え方がある、ということを知っていてください。


        

 このブログの他の、お役立ちホームページのご紹介

   幼児教室マナーズ http://www.madoka-manners.com/ リニューアルされました
   まどか先生の親と子の相談室 http://www.manners-sodan.com/
   0歳からの小学校受験 http://www.madoka-smile.com/
   働くママ・ワーキングマザーの小学校受験  http://www.hataraku-mama.com/

小学校受験 - 東日本震災を通じて

2011年05月03日 | お受験ママへのアドバイス

 3月11日の地震。あの地震が起こったのは、午後2時半過ぎ、のことでした。
このようにあらためて書いてみると・・・「ということは?」とピンとこられる方も多いのではありませんか?
 そうです その時間は、小学生の下校時間。
高学年の6時間授業であれば、学校内にいる時間ですが、低学年で、もし5時間授業で下校となっていれば、生徒達はちょうど学校を出て、帰路につく時間だったのでした。

 ほとんどの私立小学校の生徒達は、バスや電車等の公共機関を利用し、登下校しています  となると、彼らは電車の中やバスの中、駅に向かうためや駅から自宅への道を歩いている・・・という時間帯に、あの大きな地震に遭遇したことになります。
 ここまでお読みになって、あらためて「私立小学校を考えていたけれど・・・もう、そんな危険なことはさせられない」と、ゾワゾワと寒気のする思いになられた保護者の方もおいでになるかもしれませんね。

 確かに、今回の地震により、首都圏でも長い間、余震が続きました。
そういうことから、多くの私立小学校では、3月11日以降、余震そのものへの不安だけではなく、登下校時に利用する公共機関への心配等もあり、地震後は3学期の授業を再開することなく、なし崩し的?に終業式、春休みに突入という決定をされました。それだけ、住居に密着した公立小学校とは全く異なる心配事があることは事実です。

 危機管理という名のもとに、どの私立小学校でも、いろいろな災害を想定し、教職員と保護者が機会を設けてはシミュレーションはしていたはずです。しかし、これだけ大きな地震があるまでは、やはり「絵に描いた餅」的な、現実味を伴わないシミュレーションだったことでしょう。
 しかし、こうして現実となった今、学校側は、今まで以上に「細分化された対策」を作成され、「もし」に備えられていることと思います。

 あの日、私の教室「幼児教室マナーズ」の卒業生達も、私立小学校の在学生として、地震に遭遇しました。
 * 歩いている時に地震に遭遇した子ども
 * 電車の中にいた子ども
 * 学校を出たばかりの子ども
 * 乗換駅で電車を待っていた子ども・・・
いろいろな状況の中で「子ども達」は地震に遭遇し、その後は、本当に涙ぐましい努力をし、「知恵を絞り、自分の頭で考え、行動した」のでした。


  まわりの大人に道を聞きながら、長い間歩いて学校に戻った子ども・・・この子は、家に戻ることを考えるよりも、学校に戻るほうが距離は近い、と判断したのでした。

  電車が止まってしまった途中駅で外に出て、何とか公衆電話を探して、自宅に何度も電話をして、無事を知らせようとした子ども・・・降りたこともない見知らぬ駅でしたが、構内の長蛇の列の公衆電話に並ぶよりも、外に出れば、きっとすいた公衆電話があるだろう、と判断したのだそうです。

  同じ電車に乗っていた制服をきた他校の生徒に声をかけ、一緒に行動しようと相談した子ども・・・中の誰か一人でも親と連絡がつけば、数名が一緒であることを伝えられる、と判断したのだそうです。

 これはみな、低学年の子ども達の話です。当日、私立小学校に通う多くの首都圏の子ども達の「知恵」の極々一部、でしょう。

 これで、おわかりになりましたか?
ポイントを見失ってはいけません 大事なことは、「我が子が、どのように自分の頭で考え、持てる経験と知識から知恵を絞り、その場でどう対応できるか?」ということ・・・それがポイントです

 各私立小学校が今回の経験から、今まで以上にさまざまな事象を想定し、預かっている大切な生徒達に「万全を期す」ことは、すでにわかっていることです。在校生を大切にしない学校など、あり得ません

 だからこそ、本当のポイントは・・・「我が子がどう対処するか?」ということ。
確かに、近所の公立小学校に通うより、さまざまな危険性やリスクは高いことは事実です。しかし、その高いリスクを冒しながらも通わせるだけの「教育環境」が私立校にはあります。
 だからこそ、多くの保護者の方が、「私立小学校」をお考えになり、また、現実に多くの子ども達がそのリスクと危険性と背中合わせで毎日、登下校をしているのです

 小学校受験の鍵は、「ペーパーテストでいかに高い点数を採るかだ」などと、いまだに真剣に信じている保護者がいるとしたら?
 そんな受験準備をし、上手く入試をクリアしたとしても、実際に通い始め、今回のような災害に見舞われたとしたら、どれほどのことが考えられるでしょうか?
 ペーパーを子どもの背丈ほどの高さまで積み上げ、それを全部解かせること・・・それが受験準備だと信じていたら?

 きっとそんな親の元で受験の準備をしている子ども達は、かわいそうなことに、今までの両親との生活の中で、「知恵を働かせる」「自分で考え、判断する」ことの必要性や重要性さえ教えられずに育っていることでしょう

 今回の地震を機に、あらためて、「子どもに必要なことは何か?」「私立小学校に求めるものは何なのか?」をご両親で、十分に考えてください