小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

お受験という造語の中で揺れるママ達。小学校受験指導、20余年間の経験から、ズバリ!悩めるママ達に真のアドバイスを。

小学校受験 - 我が子を受け入れられない親

2013年12月01日 | お受験ママへのアドバイス
 小学校受験を決めた時から、ほとんどの親は「理想の子ども像」を頭の中に思い描きます。
そして、少しでもその理想像に我が子を近づかせようと必死になる・・・そうすることが合格すること、親の決めた志望校に入学できる条件 なぜか、そう信じて疑わないのが親なのですよね。
 今の我が子を受け入れない 自分の描く理想像に近い子どもばかりに目がいき、我が子が見劣りしていると秘かに嘆く なんと悲しいことでしょう

 現在は私立小学校の高学年になっている男の子のご家庭ですが、その方は受験準備をされるために、約1年間、非常に遠方から、一時間以上もかけて私の教室に通ってくださいました。
 その方が初めて相談においでになった時、私はご相談の内容をお聞きし、耳を疑い、そして、お母様と一緒に泣きました。
 仮にAさんとしましょう。Aさんは、坊ちゃんを連れて、いくつもの受験準備の教室の体験を受けたり、試しに通われたそうですが、どこのお教室でも「おたくの○○君は受験に向いていない」「積極性の足りない子どもでは、受験には対応できない」「表情に乏しく、よく泣くお子さんなので、受け入れがたい」etc.etc.
 確かに、Aさんの坊ちゃんは積極的なお子さんではありませんでしたが、お話をお聞きすると大変穏やかで心優しく、思慮深さの感じられるエピソードがいっぱい。
 はじめの頃は、そんなにふうにマイナスポイントばかりを指摘されても、Aさんはそのたびに「うちの子は優しい子だし、家では創意工夫をしてよく遊んでいるし・・・」と思っていたそうです
 けれど、それも1回や2回だけではなく、いくつもの教室、何人もの先生に指摘されると、さすがのAさんも、「うちの子は、ダメなのだろうか?」「そんなにこの子は、劣っているのだろうか?」と、平常心で我が子を見られなくなっていった・・・とおっしゃいます。
 ちょうどそんな時、私の教室のホームページにたどり着き、ご相談においでくださったのでした。

 Aさんの場合、不幸中の幸いだったのは、やはりこのママが、最後まで「積極性がないのも、声が小さいのも、よく泣くもの事実だけれど、でも、この子は優しい良い子だと思う」と、我が子を受け入れ、評価し、心底愛し、そういうあたたかい思いを坊ちゃんに向けていらしたことでした

 考えてみてください
もしAさんが幼児教室で「あたなの子どもはダメです」と言われるたびに「ほら、また言われたじゃないの もっと大きな声で答えなさいよ」「どうしてちゃんとご挨拶できないの?いつもママが言ってるでしょ」「なんで泣くのかなあ しゃんとしないさい!ほら、まわりのみんなはちゃんとやってるじゃない。泣いてるのはあなただけよ」とマイナスの言葉ばかりを浴びせかけ、鬼の形相で怒鳴り、延々と文句を言い、時にはに口もきかない・・・そんなことをしていたとしたら?
 きっとAさんのところの坊ちゃんは「捨て子」になってしまい、情緒不安定になっていったことでしょう けれど、最後の最後のところでAさんは、息子のマイナス面も十分に理解し、認識しつつも、プラスの部分も認め、評価をし、愛情を持って接していたのでした。だからこそ、その後の正しいリードで、この子は伸びていったのです

 捨て子なんて大げさな!と思われるかもしれませんが、4歳、5歳の子どもは、親しか頼る人はいないのです ママこそが、一番、愛してもらうべき相手で、最も子どもが心寄せる人、ですよね。違いますか?
 そのママに「あなたはダメな子なのかもしれない・・・」「もっと、○○ちゃんのように、~~できる子だったら良かったなあ・・・」などと思われるとしたら、それは、物理的には捨てられてはいないかもしれませんが、心で捨てているのと同じですね

 そこにいるのは、あなたの子どもです。
あなたのDNAを受け継ぎ、無垢に生まれてきた後、あなたに毎日、育てられた子どもです
 我が子を受け入れられない親・・・そんな無慈悲で残酷な親を、どんな学校が保護者として評価し、求めてくれるでしょうか?
 血を分けた我が子を受け入れられず、批判ばかりしているような親は、きっとどんな学校に入学をしても、自分の思い通りの対応でなければ、先生や学校を批判し、文句を言うようなモンスターペアレンツになるでしょうね。

 受験準備に限らず、まずは我が子を「受け入れる」「受け止める」大きな器と大きな愛情が子育ての基本です。何事も、そこからスタートしていくのです

 いかがですか?あなたは、モンスターペアレンツの卵になってはいませんか?
あなたの子どもは、あなたの子どもに生まれてきて良かった、と思っているでしょうか?あなたが「ああ、○○ちゃんのような子どもだったらなあ・・・」と一瞬でも思ったとしたら、きっとあなたの子どもは「ああ、△△ちゃんのママのところに生まれたかったなあ・・・」と思っていることでしょう