WIND BENEATH MY WINGS

震災後、私たちの暮らしの「あるべき姿」を考え中。持続可能で幸せな暮らしを一緒に考えていきませんか?

「9月11日の英雄たち-世界貿易センタービルに最後まで残った消防士の手記」

2007-09-02 16:32:05 | 読書感想文
9.11当日、現場で消防大隊の司令官として救助にあたっていた著者が、消防士ならではの冷静な視点で、あの日のことを語った本。
実際にその場にいた人が語る、あの、ビルが崩れ落ちる瞬間は、あまりの壮絶さに身体が震える。


内容(「BOOK」データベースより)
同時多発テロに見舞われた世界貿易センタービルへ市民救助のため捨て身の突入を敢行、崩壊するビルの何千トンもの瓦礫の下敷きになりながら奇跡の生還を遂げた消防大隊司令官が自ら語る、「グラウンド・ゼロ」内部からの驚異と感動のリポート。

内容(「MARC」データベースより)
9月11日、同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービルで市民救出にあたり、倒壊で生き埋めになりながら生還を遂げて、現場で陣頭指揮にあたった消防士が明かす、市民救出劇とサバイバルの記録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ピッチョート,リチャード
スタテン・アイランド生まれ。ニューヨーク市消防局勤続28年のベテラン消防士で、マンハッタンのアッパー・ウェスト・サイドを管轄とする第11消防大隊の大隊司令官。1993年の世界貿易センター爆破事件でも消火・救命活動の指揮にあたった経験をもつ。妻と2人の子供とともにポート・チェスターに在住

9月11日の英雄たち―世界貿易センタービルに最後まで残った消防士の手記
リチャード ピッチョート,ダニエル ペイズナー,Richard Picciotto,Daniel Paisner,春日井 晶子
早川書房

このアイテムの詳細を見る

橋本大也氏の「情報考学」で紹介されていた本を買いました。

2007-09-02 09:33:52 | 読書感想文
おはようございます。

起業家であり、ネット書評家である、橋本大也氏のブログ「情報考学」を覗いてきた。
噂通りの充実した内容。

まずは、情報量の多さに圧倒。また、ちゃんとジャンル別に分類されていて、利用者の立場にたっている。
そして何より、ご自分の言葉でわかりやすく書いてある。

デジカメの絵本」という本が紹介されていたので買ってきました。

「情報考学」はブックマークに入れておきますので、是非覗いてみて下さい。

「1分間でやる気が出る146のヒント」元気になり成長する為の珠玉のアドバイス

2007-08-29 23:19:50 | 読書感想文
今日、虎ノ門のコンビニで衝動買い。スタバでペラペラめくって読んでみたら、本当にやる気が出て来てびっくり。

どこからでも読める、1分で読める、すぐ実行できる。「考え方しだいで世界は変わる」という著者が、「人生を違う角度から見てみる」「自分が世界を変える可能性を信じる」など、読者の発想を変える斬新なヒントを1ページに1項目ずつ、明快に力強く提案。

著者のドン・エジック氏は、オレゴン大学にて組織経営学を学び、博士号を取得。30年間にわたり、小、中学校および高校の教師、校長をつとめる。人はポジティブな考え方をするによって自分の能力を最大限に発揮できるという視点にたって、人間関係や目標設定などに関する講演・執筆活動をおこない、広い層から支持を得ている。
きっといい先生だったことだろう。教えられた生徒は幸せだだと思う。

私が気に入ったのは、
「あせらず少しずつ変わる」「ささいなことに喜びを見いだす」「いっしょにいて楽しい人になる」「心を開いて、いろいろなことを学ぶ」など。
146のアドバイスすべてが、わかりやすく、時にユーモアたっぷりに書かれている。
特に「あなたには無理だ、と言われたことをやる」は傑作だ。
~「あなたにはできない」と言われたことをやってのける、これほど痛快なことはないだろう。(中略)誰かから「あなたにはそれは無理だ」と言われた時は、それをやってのけたときの喜びを想像して励みにしよう。~

この人、最高!!


1分間でやる気が出る146のヒント
ドン・エシッグ
ディスカヴァー・トゥエンティワン

このアイテムの詳細を見る

「決してあきらめないあきらめさせない」大学卒業後翻訳家をめざすダウン症女性らの夢をあきらめない姿

2007-08-23 09:39:09 | 読書感想文
決してあきらめないあきらめさせない―障害者、難病患者の日常を克明に追いかけたドキュメント
 世界ではじめて4年生大学を卒業し翻訳家をめざすダウン症候群の女性。脊椎損傷で四肢マヒとなりながらも医師国家試験に合格、精神医療の第一線で活躍する青年医師。人工呼吸器を装着しながらもトランペット演奏家をめざす筋ジストロフィーの患者。見えない、聞こえない、話せない中、めざましい発達を遂げる全盲ろうの少年など、ご本人たちが夢や希望をあきらめず努力を重ねる姿と周囲の支援が心を打つ。

できないことはたくさんあるが、できることもたくさんある。できることをさらにのばすためには、どうしたらいいのか。夢をあきらめない彼ら、あきらめさせない周囲の姿が、実話だけに、強く、深く胸に迫ってくる。「絶対に希望を捨てない、あきらめない、あきらめさせない」という言葉は、ハンデを持つ弟や息子と生きる、私自身へ語りかけてきているように思えた。

 
目次
第1章 夢は決してあきらめないことで実現する
―世界ではじめて四年制大学を卒業したダウン症候群症者・岩元綾の場合
 ダウン症候群をもって誕生
 葛藤があったから ほか
第2章 からだが動かないからこそ、患者の立場に立った医療をめざす
―電動車いすで院内を駆けめぐる四肢まひの精神科医・荻田謙治の場合
 元通りにはならないかもしれんなあ
 どうしても医者になるんや ほか
第3章 おれらは陽気な難病患者
―難病のロックギタリスト・石黒剛志たちの場合 
 この病棟の連中は妙に明るいんだ
 目標は、尊敬されるギタリスト ほか
第4章 いわれなき「二次障害」と闘うために、徹底的に「むき」になる
―より質の高い授業をめざす全盲の数学教師・窪田巧の場合
 「あと十年しかもちませんよ。あなたの視力」
 「障害をもった状態で生徒の前に出すのは気恥ずかしい」 ほか
第5章 それでもコミュニケーションできるんだ
―困難と向きあいながら、あざやかに発達を遂げる盲ろう児・森敦史の場合(
 見えないこと、聞こえないことが、日常
 それは「奇跡」なんかじゃない ほか

決してあきらめないあきらめさせない―障害者、難病患者の日常を克明に追いかけたドキュメント
清水 哲男
道出版

このアイテムの詳細を見る

「人間失格」、デスノートの人気漫画家の表紙効果。集英社の担当者は凄い。

2007-08-22 09:28:27 | 読書感想文
人気漫画家、小畑健さんのイラストにした集英社文庫の新装版。発行以来、1ヵ月半で75.000部をたたき出す。このアイデアを考えた集英社文庫の担当者は本当に凄いと思う。何かと何かを結びつけるというのもアイデアの手法だが、「人間失格」に「デスノートの小畑健さんの起用」は、なかなか考えつかないよ。

もともと「人間失格」そのものが、太宰の自殺により大きな話題となり広く読まれた作品であり、忘れられてはいるが、作品そのもののインパクトならば十分ある。「太宰治、人間失格の内容のインパクト」×「太宰治の自殺というインパクト」×
「デスノートの小畑健さんの起用による、直接効果」×「起用したことそのことの話題性」×「実際に本が売れたことが報道され話題に」。完全な勝ちパターンだ。

ちなみに念のため書くが、この本の中身はモチロン、ホンモノの「人間失格」だ。
漫画化されているわけではない。

あまりにも有名な、この太宰の自伝的小説。
私も含めて多くの人が一度は手に取ったことのある作品だと思う。本書が持つ、陰惨さは人間誰しも心の中に持っており、特に少年、青年時代に自らの苦悩を共鳴させた人も多いのではないか。
ちなみに私ははまり込むのが怖くて、高校生の頃斜め読みした程度。それでも息が苦しくなったけど。しかし、つきなみな意見だが、どんな理由にせよ、こどもたちの本を読むのは歓迎だ。

出版社/著者からの内容紹介
自殺未遂、薬品中毒…。3枚の奇怪な写真とともに渡された睡眠薬中毒者の手記に、克明に描かれた陰惨な半生…。太宰治の自伝であり、遺書でもある作品。(解説・小林広一/鑑賞・太田治子)

内容(「BOOK」データベースより)
「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。
(以上、アマゾンより)

人間失格 (集英社文庫)
太宰 治
集英社

このアイテムの詳細を見る

宮部みゆき「火車」~現在もまだ残る、多重債務者の悲劇

2007-08-21 18:49:08 | 読書感想文
レイクの経営悪化の記事を読んで、宮部みゆき「火車」を思い出す。
グレーゾーン金利の返還請求が急増、消費者金融各社の業績はのみなみダウン。
それでも多重債務者200万人、自己破産者数は20万人以上と言われる。

内容(「BOOK」データベースより)
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
(以上、アマゾンより)

個人的には、なぜ直木賞をとらなかったのかが不思議だ。
私が読んだはじめての宮部みゆき作品。

重いテーマを情感と悲しみをこめて、丹念に描く。
行方不明の女性を捜している過程で、いろいろな事が分かっていく。
幸せを追えば追うほど深みにはまるひとりの女性のあまりにも悲しい人生。そこに破滅が待っているとわかっていても、不幸な運命を振り払い、逃げ続ける人間の悲しい性。
彼女にめぐりあえた喫茶店。憐憫と同時に「もう逃げなくていいんだよ」と思った。

ちなみに「火車」とは生前悪行を働いた亡者を乗せて地獄へ運ぶという、火の燃えている車のことだそうだ。
宮部みゆきはいつもタイトルのセンスがいい。
これは本当に秀逸な題名だが、あまりにも本質をとらえすぎて、言葉もない。

いまだ増え続ける自殺者の中には、借金苦の方も多く含まれるそうだ。


火車 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社

このアイテムの詳細を見る

「エイズ犯罪 血友病患者の悲劇」櫻井よしこ

2007-08-21 14:22:34 | 読書感想文
内容(「BOOK」データベースより)
「私と一緒にエイズで死んでください」法廷に悲痛な叫びがこだまする。1800人もの罪なき人々がなぜエイズに感染しなければならなかったのか。国と製薬会社の責任を問う「東京HIV訴訟」を追い医の倫理に鋭く迫る。
(以上アマゾンより)

著者である櫻井よしこ氏は日本の血友病患者5000人のうち,1800から2000人もの人々が薬害エイズにかかっていることの実態を、雑誌「中央公論」で,1993年から94年にかけて連載し、それが「エイズ犯罪,血友病患者の悲劇」として刊行された。この本の反響は大きく、大宅壮一ノンフィクション賞受賞した。

エイズ犯罪 血友病患者の悲劇 (中公文庫)
櫻井 よしこ
中央公論社

このアイテムの詳細を見る


本書の中ではエイズ研究班の班長だった安部英氏の責任の重さにも当然言及している。その後、櫻井氏は、「本の一部に名誉棄損がある」と安部氏から民事で訴えられた。(安倍氏に対する薬害エイズについての刑事裁判がすでに進行中のとき)
そんな立場にたちながらも、著者の筆致は決していたずらに感情的にならず、冷静だ。しかし、責任ある立場の人達の、無責任な仕事により、大勢の命が奪われたことに対する著者の怒りが伝わってくる。このあまりにもインパクトのある書名が象徴するように、櫻井氏は血友病に関しては日本一の名医とも言われたことのある安部氏の「犯罪」を怒りをもって追いかけ続けた。

安部先生、患者の命を蔑ろにしましたね
櫻井 よしこ
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る

ローマが滅亡してしまうよ~。「ローマ人の物語」

2007-08-19 19:04:04 | 読書感想文
「ローマ人の物語」もいよいよ残り、2巻。
いまは14巻目の「キリスト教の勝利」を読んでいる。

この本を読んでいて、「寛容の精神」「敗者の同化」「公共心」など、すっかり古代ローマ人のファンになってしまった私は、最盛期を越えてからなんだか悲しかった。しかし、著者の塩野氏の「なぜローマは栄え、そして滅びたのか?」という問いに惹きこまれ、ここまで、熱中して読み続けてきた。

内容(「BOOK」データベースより)
ついにローマ帝国はキリスト教に呑み込まれる。四世紀末、ローマの針路を大きく変えたのは皇帝ではなく一人の司教であった。帝国衰亡を決定的にしたキリスト教の国教化、その真相に迫る。

内容(「MARC」データベースより)
4世紀末、ローマの針路を大きく変えたのは、皇帝ではなくひとりの司教であった-。ローマ帝国はついにキリスト教に呑み込まれる。帝国衰亡を決定的にした、キリスト教国教化の真相に迫る。

ぜんぶ読み終わったらまた詳しく書きますね。

キリストの勝利 ローマ人の物語XIV
塩野 七生
新潮社

このアイテムの詳細を見る

「ヒラリーとビルの物語」

2007-08-16 07:36:31 | 読書感想文
先日紹介した「ヒラリーとライス」を読み終わった。
なかなか面白かった。
どちらも、私には手の届かないエリートだけれど、特にヒラリーに関しては、人間味溢れる彼女の言動からか、なぜか等身大に感じた。
そしてヒラリー&ビル・クリントンという夫婦のあり方に興味を持った。「人生のパートナー」と同時に「政治のパートなー」。

よく語られる「辣腕ヒラリー」も彼女だが、一方ではビルの女性問題で傷つき、それでもスキャンダル対策の陣頭指揮をとり、ビルには怒り狂ったのちに結局許してしまうヒラリーはかわいい。
ヒラリーのことはなんでもゆるしちゃうビルもかわいい。

というわけで、早速「ヒラリーとビルの物語」を注文。

それにしても、どんなに叩かれても、傷ついても、不屈の精神で再び立ち上がるヒラリーは凄い。

内容(「BOOK」データベースより)
クリントン政権はふたりのものなのだ。もうずっと昔に決定されたヒラリーの人生戦略は、この利発な傷ついた心と野心を持つ善良な少年を材料にして、彼を政界の星に仕立て上げることだった。ヒラリーとクリントン大統領を赤裸々に描いた第1級の評伝。

内容(「MARC」データベースより)
クリントン政権はふたりのものである。もうずっと昔に決定されたヒラリーの人生戦略は、利発な傷ついた心と野心を持つ善良な少年を政界の星に仕立て上げることだった。ヒラリーとクリントン大統領を赤裸々に描いた一冊。
(以上、アマゾンより)


ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔 (PHP新書)
岸本 裕紀子
PHP研究所

このアイテムの詳細を見る


ヒラリーとビルの物語
ゲイル シーヒー,Gail Sheehy,櫻井 よしこ
飛鳥新社

このアイテムの詳細を見る

ピュリッツァー賞受賞作 「銃・病原菌・鉄」。なぜ人類に格差が生まれたかを紐解く

2007-08-12 17:03:25 | 読書感想文
内容(「MARC」データベースより)
なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか? この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、考古学などの最新研究結果をもとに解明。ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作。
(アマゾンより)

「ローマ人の物語」が終わってしまうので、次はこちらに挑戦しようと思う。それにしても、ローマ帝国が滅亡していくさまはせつない。

ナショナル・ジオグラフィックのDVDでも有名。実はダイジェスト版のDVDをみていて、原作が読みたくなった。

ちなみに、DVDのコピー(宣伝文)は、
「なぜ、世界は、これほどまでに、不平等なのでしょうか?。持つものと、持たざるもの。支配するものと、支配されるもの。一体、何が、それを決めたのか。」

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド,Jared Diamond,倉骨 彰
草思社

このアイテムの詳細を見る


[ナショナル ジオグラフィックDVD BOX] 銃・病原菌・鉄(DVD3巻セット)
ナショナル ジオグラフィック
日経ナショナル ジオグラフィック社

このアイテムの詳細を見る

はだしのゲン

2007-08-12 11:35:10 | 読書感想文
ドラマ「はだしのゲン」は、話題になっているね。
私自身は、小学生のとき公民館で上映されたアニメ映画をみて、衝撃をうけた記憶がある。
ドラマの原作は、中沢啓治による、自身の原爆の被爆体験を元にした漫画。
同タイトルで実写映画やアニメ映画化もされている。

1973年から「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった。作者の実体験に基づく名作として長年高く評価され、映画・アニメ・ミュージカル・絵本化もされている。

作中にもある母親を火葬した際、骨が残らなかったエピソードが、中沢に広島原爆の被爆を題材とした漫画を描かせるきっかけとなったとのことだ。
単行本、文庫本などを含めた累計発行部数は1000万部を超える。


〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻
中沢 啓治
汐文社

このアイテムの詳細を見る

「ローマ人の物語」~ローマ帝国興亡の一千年

2007-08-11 09:38:59 | 読書感想文
長くつきあってきた「ローマ人の物語」も残り僅かとなった。
まだあと1ヶ月半あるが、むさぼるように本を読んだこの1年間の中でも、この本と過ごした時間(主に夜、息子たちを寝かしつけた後)は至福の時だった。
塩野七海氏に感謝。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
塩野 七生
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
以上、アマゾンより

この本を短い文章で表現するのは難しいが、特に印象に残ったのは、ローマとカルタゴの死闘。中でも名将ハンニバルとスキピオが闘ったザマの会戦は興奮した。また、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が「ルビコンを渡った」時の葛藤と決意、天才的な総司令官ぶりのカッコよさなどは印象に残っている。また、塩野氏ならではの、ローマ人のインフラについて一巻を費やした「すべての道はローマに通ず」も面白かった。

文庫版は、持ち歩きやすく貨幣をテーマにした装丁はシンプルで素敵だ。
面白くてどんどん読んでしまうので、5冊づつくらい買っておいた方が良いと思う。


ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 新潮文庫
塩野 七生
新潮社

このアイテムの詳細を見る

「100万回生きたねこ」からの連想

2007-08-09 09:32:43 | 読書感想文
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。――週刊朝日書評より
このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。――日本経済新聞「こどもの本」書評より

「ダヴィンチ」で取り上げられていたのを、コンビニでみかけた。これもまた懐かしい。不思議な魅力とインパクトを持つ本である。

猫と言えば、五反田にはいまCATSシアターがある。
何度かお仕事をさせていただいた関係もあり、CATSは日本版で公私含め12回、ブロードウェイで1回(わざわざ自腹で観にいったの)観た。日本版の初演のときに、親と一緒に行き、椅子がごごご~と動いてびっくりした。普通の人としては相当たくさんみたと思うので五反田では観ていないが、息子たちには一度みせたいと思う。いまでも私は猫が集まっていると「お、集会だな」と思ってしまう。月の下でどこへ行けば餌が貰えるかなどの情報交換をしているに違いない。

「100万回生きたねこ」に話を戻す。
1977年10月20日、第一刷発行以来、今年88刷を数えるロングセラー。 100万年もの間、死んでは生き、死んでは生きを繰り返し、その間、一度も泣いたことがないトラねこのたくましく、ふてぶてしい生命感が印象的。そして最後は泣いてしまうかも。

いい本だよ。

100万回生きたねこ↓相変わらずの存在感だ。

100万回生きたねこ
佐野 洋子
講談社

このアイテムの詳細を見る

姉からのプレゼント「ぐりとぐら」

2007-08-08 21:31:56 | 読書感想文
珠屋のシュークリームを食べて「ぐりとぐら」を思い出した。
 
1963年に「こどものとも」誌上で発表されて以来、日本だけでなく世界各国で愛され続けるふたごの野ネズミ「ぐり」と「ぐら」のお話。
 
 ぼくらの なまえは ぐりと ぐら
 このよで いちばん すきなのは
 おりょうりすること たべること
 ぐり ぐら ぐり ぐら

歌いながら森へでかけたぐりとぐら。大きなたまごを発見し「あさから ばんまで たべても、まだ のこるぐらいの おおきい かすてら」を焼くことにした。甘いにおいにつられて、森の動物たちが次々と集まってくる。「けちじゃないよ ぐりとぐら ごちそうするから まっていて」。さあ、できあがり。おなべのふたをとると、ふんわり黄色いかすてらが顔を出す。
たまごが大きすぎて運べないなら、この場で作ろう。たまごのカラが残ったら、自動車を作って乗って帰ろう。次々と楽しいことを思いつき、軽やかに実行してみせるふたり。「(ぐりとぐらに)苦手なものはあるの?」という読者からの質問に、著者の中川李枝子は「失敗しても、間違っていても平気。やりなおせばいいもの」(『ぼくらのなまえはぐりとぐら 絵本「ぐりとぐら」のすべて』より)と答えている。ぐりとぐらの、この大らかな性格が、読み手の気持ちをやわらかくほぐしてくれる。
そして、誰もが夢中になるのはなんといってもあの「かすてら」。どれだけ時がたっても、甘い、幸せな記憶としてほかほかと胸に残る。

「ぐりとぐら」は、本書以降シリーズ化されており、クリスマスや海水浴など、いろいろな場面でのふたりの活躍を見ることができる。(門倉紫麻)

出版社 / 著者からの内容紹介
野ねずみのぐりとぐらは森で大きな卵を見つけました。大きな卵からは、大きなカステラができました。子どもたちに圧倒的人気の絵本です。

読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:小学低学年から
(以上、アマゾン紹介文より)

子供の頃、父の仕事の関係で各地を転々とした姉と私は絵本をみて育った。
長男が生まれたとき、姉がプレゼントしてくれたのがこの本。本当に懐かしく、嬉しかったのを憶えている。そして、小さい頃は、この巨大なカステラを食べたいな~と思っていたのを思い出した。(今でも食べたい。きっと姉も食べたかったに違いないと確信している。)

息子もこの本は大好きだ。
モチロン息子もあの巨大なカステラをたべたそうにしている。


ぐりとぐら
なかがわ りえこ,おおむら ゆりこ
福音館書店

このアイテムの詳細を見る

「弟」

2007-08-07 18:30:12 | 読書感想文
「弟」著者・石原慎太郎 幻冬舎

内容(アマゾン「BOOK」データベースより)
兄の手ではじめて明かされた石原裕次郎の全貌。―人生をタッグマッチで生きた2人きりの兄弟。死にゆく者と、生き残る者の無言の交錯。かけがえのない弟の知られざる生涯を、死の瞬間まで凝視し、生と死の根源を問う25年ぶりの書き下ろし長編小説。小樽、湘南の少年時代。海との結合。父の死と経済的逼迫。放蕩の季節を経て、一躍映画界の大スターへ。そして北原三枝との結婚と独立プロの設立。栄光と比例するように襲いかかる病魔との闘いの日々。たった1人の弟の光と影を秘められたエピソードで描きつつ、自らの来し方を振り返る石原文学、最初で最後の私小説。

今更説明するまでもない、石原慎太郎の代表作のひとつでありミリオンセラー。毎日文学賞特別賞受賞。石原の作品では、『太陽の季節』(文学界新人賞受賞 芥川賞受賞)を抜いて売り上げ2位。1位は 『「NO」と言える日本-新日米関係の方策-』(盛田昭夫と共著)

みんなそうかもしれないが(笑)私は、政治家、石原慎太郎よりも、作家・石原慎太郎の方が好き。
私なんかは「弟」や「太陽の季節」を読んでしまうと、あの方の偉そうな態度もなんとなくゆるせてしまうのだが。


石原 慎太郎
幻冬舎

このアイテムの詳細を見る