WIND BENEATH MY WINGS

震災後、私たちの暮らしの「あるべき姿」を考え中。持続可能で幸せな暮らしを一緒に考えていきませんか?

「時価総額上位500社」の記事を読んで

2008-01-13 14:03:55 | 時事問題
日経新聞に大きく報じられ、
NIKKEI-NETでも現在ランキング1位のこの記事。

時価総額」という言葉が私たち一般の人間に認知されたのは、
ITバブルの頃のソフトバンクとか、
その後のライブドア騒動なんかがきっかけだような気がします。

時価総額」は英語でいうとmarket capitalizationだそうです。
当日の終値×発行済み株式数=時価総額
企業の財産評価のひとつの指標。

例えば、株価1,000円、発行済み株式が1億株の企業は、
時価総額1,000億円。

企業単位で見たり市場全体で見たり、
株式市場がどの程度の規模を持っているかを示す1つの指標で、
時価総額の増減はその日にどんな株が動いたかを見る
手掛かりにもなそうです。
企業単位で見た時価総額は、
最近では株式市場が各企業に
どれくらいの評価を与えたかを示す指標
として重視され、
経営の目標を時価総額の極大化
におく企業もあるとのことです。
(ホリエモンは粉飾決算までして、
ここにこだわってしまった?)

さて、本題。
波乱が続く世界の株式市場で、
中国、ロシアなど新興国勢の存在感が
一段と高まっているのはご存知の通りです。

そんな中2007年の世界主要企業の株式時価総額が出ました。
そんでもって上位500位までの社数で
中国勢が日本勢を逆転したそうです。
これは結構世の中的には衝撃だったようです。

日本企業に対する市場の評価の低さが現れました。
日本株を売って高成長が見込める中国株に乗り換える
海外投資家が相次いだそうです。

うちの旦那がいうには、
「お金くん」
っていうのは
おうちでじっとしていられないそうなんです。

「どこに行こうか」
と常に探し続け、
「ここが良さそうだ」
と思って行った先でもすぐに
「やっぱあっちがいいな」
とすぐに行き先を変えてしまう
気まぐれくんなんだそうです。

「増えたい」
という本能があり、
「なんだか儲かりそうだな~」
というところに衝動的に行くけれど、
あまり深く物事を考えない子なんだそうです。

で、
いまお金くんは、
新興市場だとか、原油だとか、穀物だとか、
金(これは私も好きです)
が気に入って、そこにいるということだそうです。

お金くん、早く日本市場に戻ってきてね。

9年連続自殺3万人超に見る「生きにくい社会」

2008-01-09 21:29:21 | 時事問題
2007年度11月、政府は2007年版自殺対策白書
まとめていますが、
警察庁の統計によると、
自殺者は9年連続して3万人を超えているそうです。

かつては、自殺はあくまで、
個人的な出来事として扱う傾向が見られました。

ご存知の通り私は精神科に
入院していましたので、
自殺未遂した方を、
家族や知人がなじったり、
貶め更に追い詰める場面なども目撃して、
心を痛めてきました。

また、決して自殺を美化するつもりはありませんが、
自ら命を絶った方は身近におり、
その心情は察するにあまりあります。

しかし現在は、自殺に対する政府の認識も変わり、

「個人の自由な意思選択の結果ではなく、
さまざまな悩みにより心理的に追い込まれた末の死」
と、この白書でも定義され、
社会問題とされその認識も変わりつつあります。

自殺の背景にあるとみられる多重債務や、
長時間労働、失業などといった要因については

「社会的な取り組みで防ぐことが可能だ」
とされ、

今回の白書ではそういった社会的要因を踏まえ、

「生きやすい社会」

に変えていくため、
社会全体で取り組む必要性をあらためて訴えています。

私は、持続可能な社会とは
「生きやすい」社会であると考えます。

弱者を踏みにじり平気で蹂躙する社会が
健全な発展などするわけがないと思います。

薬害肝炎救済法案

2007-12-28 22:14:26 | 時事問題
与党肝炎対策プロジェクトチーム(川崎二郎座長)が、
今日(12月28日)、
薬害C型肝炎訴訟の原告側弁護団と協議し、
議員立法の骨子内容について合意したとのこと。

法案では、
前文に国の責任を認めて政府に謝罪を求めることを明記し、
原告側は要求が盛り込まれていると判断したそうです。

来年1月7日に国会に提出、今国会で成立を目指します。

やっと薬害C型肝炎訴訟を巡る問題は目処がついたようです。

法案の前文には
「政府は感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、
被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、
心からおわびすべきだ」
と明記しています。

これは評価できる内容だと思います。

シエスタ事故に思う。大切にしなければならないことが見えなかった代償。

2007-12-24 18:41:39 | 時事問題
渋谷区松濤の住宅街で今年(2007年)6月、
女性従業員3人が死亡、
通行人ら8人が重軽傷を負う大惨事となった
温泉施設「シエスパ」の爆発事故について、
事故原因が徐々に明らかになっている。

6月19日、シエスパ別館(B棟)地下1階の
温泉をくみ上げる機械室で、
制御盤内のスイッチが作動した際に発生した静電気が
発火源となり、室内に充満したメタンガスに引火して
爆発したとみられている。

これについて、事故は、ガス検知器がついていれば、
防げた可能性はあるという指摘がある。

地下から温泉をくみ上げる際、
ガスは配管のつなぎ目から漏れるという。
それだけに、密閉性の高い地下に、
温泉くみ上げ施設があるシエスパでは、
運営会社がガスの危険性を認識し、
地元住民には検知器の設置を確約していたという。

しかし運営会社と施設の管理委託を請け負った業者との間で、
どちらが費用を負担するかの折り合いがつかず、
設置されず、
その状態のまま放置されたという。

検知器の設置にかかる費用は20万円程度だという。
豪華な内装をに投じられた金額は、
数十億円といわれている。


なんてせつない77億円。ゴールドマン・サックスCEOのボーナスに思うこと。

2007-12-24 17:20:05 | 時事問題
ゴールドマン・サックスの取締役会は、
ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)に対し、
2007年のボーナスとして、
現金2680万ドルを含む総額6790万ドル(約77億円)を
支払うことを承認したそうです。

ちなみにロイドさんの2006年の冬のボーナスは、
5400万ドル(約63億円)なので、
もしかしたら、
ロイドさんとしては普通のことなのかもしれません。

ゴールドマン・サックスは、
競合他社がサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)
の問題に絡んで多額の損失を計上するなか、
逆に業績を伸ばし2007年度通期決算で過去最高益を達成しています。

しかし、同社の好業績の理由を考えると
せつないものがあります。

ゴールドマン・サックスは、
サブプライムローン関連の資産担保証券の急落を見込んだ
「逆張り」投資で、
1年間で40億ドル(約4500億円)近い巨額利益を上げています。
(米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版)

ウォールストリート・ジャーナル紙は、
ゴールドマンが相場下落を予測しながら同証券の販売を続けたため、
結果的に顧客が多額の損失を被ったとして同社の姿勢に
強い疑問を示していました。

ゴールドマンの担当部門のトレーダーらは、
昨年末、サブプライム関連証券が下落する危険性を予測。
今年初めから証券を売却し、
相場下落後に買い戻して利ざやを稼ぐ手法の投資を始めました。
金融市場が混乱した夏にはゴールドマン自身も15億~20億ドルの損失を出しましたが「逆張り」による巨額利益がこれをカバーしました。
サブプライム問題の深刻化を予測したトレーダーさんたちは、
巨額の報奨金を受け取るということです。

なんてせつない77億円でしょう。


山田洋行さん・・・。

2007-10-20 22:36:39 | 時事問題
昨日の旦那との会話。

「ねえねえ、モリヤさんとゴルフとかしてた、ヤマダヨウコウさんって、どこの商社の人?」(私)

「・・・・」(旦那)

旦那の冷たい視線が「このモノ知らず」と言っていた。

山田洋行はモチロン、防衛専門商社。
守屋さんのお友達の名前ではありません。

今年8月に防衛省を退官した「防衛省の天皇」こと守屋武昌・前事務次官(63)(=百合子さまと、人事で大バトルをした人)らの防衛専門商社癒着疑惑がいよいよ浮上してきた。

防衛専門商社「山田洋行」(東京・港区)を退職した元専務(69)が在職時に不透明な経理処理で不正支出をした疑いがあることが19日、関係者の話で判明。
元専務は防衛省幹部らと親密な関係を築き、輸送機エンジンの受注などで実績を上げていたという。
東京地検特捜部はすでに元専務から任意聴取しており、防衛利権を巡る癒着解明を視野に捜査をしているもようだ。

元専務は、航空自衛隊出身。
山田洋行在職中は同省相手の営業で中心的役割を果たした。

守屋武昌・前事務次官もゴルフのお相手で、同専務とは親密な仲だったということ。

「パワ-ハラスメントによる自殺」労災初認定が意味するもの。そして今パワハラを受けている人へ

2007-10-17 07:47:24 | 時事問題
男性営業マン(当時35)が自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、男性の妻が静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の渡辺弘裁判長は15日、暴言と男性のうつ病発症や自殺との因果関係を認め、労災の不支給処分を取り消した。

パワーハラスメントによる自殺に労災を認めた判決はこれが初めて。

自殺したのは製薬会社の旧日研化学(現興和創薬、東京・中央)の静岡営業所に勤務していた医薬情報担当者(MR)。

********

◇男性の遺書(営業所長あて)の要旨
悩みましたが、自殺という結果を選びました。仕事の上で悩んでいました。
入社して13年程になりましたが、係長に教えてもらうには手遅れで、雑談すら無くなりもうどうにもならなくなっていました。
恥ずかしながら最後には「存在が目障りだ、居るだけでみんなが迷惑している、御願いだから消えてくれ!」とか「車のガソリン代ももったいない」「何処へ飛ばされようと俺が仕事しない奴だと言いふらしたる!」等、言われてしまいました。
情けなくてどうしていいものかわからなくなり、元気もなくなり自分の欠点ばかり考えてしまい、そんな自分が大嫌いになってしまいました。
先月からふと「死にたい」と感じ、家族の事や「このまま終わるか!」と考えると「見返してやる」思っていたのですが、突破口も無く係長とはどんどん話が出来る環境になりませんでした。しかし、自分の努力とやる気が足りないのだと、痛切に感じました。係長には「お前は会社をクイモノにしている、給料泥棒!」と言われました。このままだと本当にみんなに迷惑かけっぱなしになってしまいます。
転職等、選択肢もあるし家族の事を考えると大馬鹿者ですが、もう自分自身気力がなくなりどうにもなりませんでした。

********

渡辺裁判長は上司の暴言の事実を認定したうえで、
「上司から人格否定の言葉が発せられることの部下の心理的負担は、上司との通常のトラブルより重い」
とし、
「係長の言動がうつ病発症と自殺の原因になった」
とした。

代理人弁護士は
「これまで上司の暴言も『指導上の範囲だ』とされ、労災認定から放置されてきた
ことに一石を投じる判決だ」
としている。

「存在が目障りだ、居るだけでみんなが迷惑している、御願いだから消えてくれ!」
「車のガソリン代ももったいない」
「何処へ飛ばされようと俺が仕事しない奴だと言いふらしたる!」

これはもう指導上の範囲を完全に逸脱した苛めだ。

そして、同種の行為は多くの会社で現実に起こっている。

パワーハラスメント(Power harassment)は、和製英語。=権力や地位を利用した嫌がらせ。上司が部下に言葉や態度による暴力を振るったり、できもしない執拗な要求で精神的に苦痛を与えること。

会社などで職権などの権力差(パワー)を背景にし、
「本来の業務の範疇を超えて」
「継続的に」
「人格と尊厳を傷つける言動を行い」
「就労者の働く環境を悪化させる」
あるいは
「雇用不安を与える」
行為。

そして、会社に対して被害を訴えても
「部下の側が悪いと言われる」
「とりあわない」
ケースが多いため
「泣き寝入り」
することも。
これが、被害者をさらに追いつめ、最近ではうつ病になってしまう例も多々みられる。

問題はまず
「指導育成や業務上の命令」
などに隠れて表面化しにくいこと。

企業には、人事評価の指標として目標管理などの制度があるが、
「できもしない目標を掲げさせる」
「ノルマを与えて達成しなかった場合、徹底的に部下を精神的に追い詰める」
ことが、パワハラの特徴。

目標を達成できなかったからといって言葉や態度で侮辱するのはパワーハラスメントです。

日本の企業では、これまで、従業員は終身雇用制度に守られていたため、
言われる側も
「がまんすれば辞めさせられることはない」
というある種の余裕があった。

しかし終身雇用制度が崩れ、不況による経営不安や雇用不安も影響し、
「雇用が奪われるのではないか」
「追い詰められて辞めさせられるのではないか」
また成果主義賃金制度により
「給料が大幅に給料が減るのではないか」
という焦燥感もあり、深刻な問題となっている。

こうした悲劇を防止するためには、会社として、問題のある上司を放置しない、
監査制度が必要。
「上司と部下の信頼関係は必ずしもあるというわけではない」
ということを前提に、人事管理を考えることが大切だ。

「部下にやつあたりをする」 
「問題が起きたとき部下のせいする」  
「えこひいきをする」
「相性が合わない部下は無視したり、怒鳴ったりする」  
「部下に荷物を持たせたり、たばこやジュースなどを買いに行かせる」   
「誘っても飲みに来ない部下を嫌って差別する」

こうしたことはパワーハラスメント(モラルハラスメント)である。

それにしても、こんなことは、
「人間として当然身に着けておかなければならないモラルの範疇」
であり、
正直なところ、
「人の上に立つ人間がそのようなことをするのは道義上許されない」
と思う。
なんという世の中なのだろう。

さて話をもどすが、今回の判決は、
「『パワーハラスメント』(モラルハラスメント)による被害が、労災認定される可能性が十分ある」ということを、世の中に知らしめ、企業側にその対策への目を開かせたことにあると思う。

また、これまで泣き寝入りしてきた被害者の方々もこれによってほんの少しは勇気を与えられたのではないかと思う。

それでも、亡くなられた35歳の男性は戻らない。
労災が認定されても、ご家族の悲しみは終わらない。

私たちにできることは、このようなことが起こらない世の中へ少しずつでも変えていくことだと思う。

また、パワーハラスメントをする側もまた人間である。人間は弱い。そして過ちを犯す。しかし同時に人間は、いつでも、良い方向に変わる可能性を持っているのだと思う。

人間の持つ、光と影。
その影を認め、その現実から目をそむけず、正面から対応しつつも、
光を見出し、磨き上げる社会であってほしい。

亡くなられた35歳の男性とそのご家族に心よりお悔やみを申し上げます。

*****最後に、パワハラを受けている方へ*****

あくまでも一般論ですが、パワハラをする上司を放置している会社では、
監査や自浄作用が機能していないことが多いと思われます。

この場合、やはり「外部の専門家」のアドバイスを受けることをお奨めします。

個人的な意見ですが、各都道府県にある労働相談の窓口や弁護士、社会保険労務士に相談することをお奨めします。

精神的に危ないな、と思ったら、迷わず専門医へ。
うつ病は早めの処置が大切です。

上司がどんなにあなたを否定しても、
あなたが自身が否定されたわけでは絶対にありません。

そして、死にたいほど追い詰められてまで
やらなければならない仕事なんてありません。

あなたの命や人生、幸せの方が、会社の仕事よりも一億倍大切です。

落ち着いて、まず休んで、病院を探して予約を入れて、勇気を出して行ってみましょう。
そしてパワーハラスメントについては、専門家に相談しましょう。

ひとつずつ、やっていけば大丈夫です。

必ず、事態は好転します。

「多重債務からの脱出」ライター椎原里織氏の本当に怖い実体験。

2007-10-14 17:38:54 | 時事問題
多重債務者問題を調べていて偶然出会ったサイト。
多重債務からの脱出」は、実際に多重債務者となったライター、椎原里織氏が、はじめはちょっとしたことから借金をし、更にそれを重ね、やがて多重債務者となった体験談。
あまりにもリアルで読んでいて鳥肌がたった。

書き出しはこうである。

***HPより****

持っていたカードの限度額がなくなれば、次の店へと飛び込み、わたしの手元にはサラ金のカードが3枚あった。利子だけ返し、元金は減らず。支払いにあっぷあっぷしていた。

平成14年10月、転職。アルバイトから正社員になれた。固定給制になった。社会保険がついた。社会的信用度が少し上がった。3枚目のカードの限度額も使いきり、わたしは4社目の店の無人契約機にいた。限度額は40万円。これもまたたくまに使い切った。

平成15年11月、祖母が亡くなった。孫のためにととっておいてくれた遺産は、すべてサラ金ATMに消えた。おかげで2社完済できた。祖母の想いが詰まった遺産は、わたしの手をすり抜けただけだった。

平成16年8月会社の業績が悪化。給料が激しく遅延し始め、1ヶ月丸々遅れることも当たり前になってきた。しかし、返済日を遅らせることはできない。もらった遺産もない、サラ金の限度額も使い切っているし、クレジットカードは度重なる延滞で利用停止になってしまっていた。

死刑執行を待つかのように、支払日が刻々と近づいてくる。

・・・もうだめだ・・・・

******************

現代はカード社会とも言われ、非常に便利な世の中だ。学生でも収入があれば簡単に作れてしまうクレジットカード。そして言葉巧みに借金地獄へ落とし込む甘い話の数々。

まさに実話版「火車」。

身の丈に合わない暮らし、挽回しようとしてはまる甘い罠。自分だけで解決しようとしてはまる泥沼。

私たちが暮らす都会には光と影があるのだと痛感する。

「アドボカシーの実効性は?」コラムに成功例として日本版ホワイトバンドをあげる傲慢

2007-09-22 10:17:42 | 時事問題
日経エコロミーをチェックしていて、呆然とした。再びマエキタミヤコさんが、連載コラムの中で
アドボカシーに実効性はあるのか?」と題して、日本版ホワイトバンドに触れ

ほっとけない世界のまずしさ(ホワイトバンド)」はそれまでの貧困解消運動を「チャリティからアドボカシーへ」大きくシフトさせた画期的なキャンペーンでした。

とおっしゃっており、
アドボカシーを根付かせ、世界を貧困から救ったのは、あたかも「ほっとけない日本の貧しさ」(=日本版ホワイトバンド)である、といいたいように見受けられる。

何度も言うように、マエキタさんは、時代の雰囲気を掴み、それを切りとり、伝えること、そしてメディアをまきこむことに長けた優秀なクリエーターだ。

それだけに日本版ホワイトバンドへ批判の本質を理解せずして、全く的外れな反論や論理のすり替えを繰り返す姿勢が、私は残念でならない。


ここでいわゆる「日本版ホワイトバンド」はなぜ批判されているか再び整理する。

(世界中のホワイトバンド活動と区別する意味で、「日本版ホワイトバンド」=「ほっとけない世界のまずしさ」と書いている)

■活動の目的やホワイトバンド売上金の使途などの不明確さ
■実際に仕切っていたのがPR会社であること
■「政策提案」と「その支持収集」が本来の目的だ、ということが、テレビコマーシャルやその他の宣伝活動内で十分に説明されていなかった。むしろ誤解を生むような表現だった。
ホワイトバンドの価格が他国の同活動の約3倍(Tシャツも同様)。
■「意思を表明するのは、日本で販売されている"ホワイトバンド"ではなく、身近にある白い布や白いひもでもよい」とされていることに対しての説明が当初よりなされなかった。
■「活動費用として使われたお金については、独立した監査人に監査を依頼する予定」とあるものの、その予定が実行に移されていない。(もしくは公表されていない)
■「日本版ホワイトバンド」が行った「政策提案」とその成果についての具体的な報告が十分になされていない。

繰り返しになるが、「日本版ホワイトバンド批判」は、説明が足りなかったり、資金の使途が不明瞭なことが批判されているのだ。
決してアドボカシーが理解されていないために起こったのではない。

また今回マエキタさんがコラムの中でホワイトバンドの成果として披露した内容は世界的活動の成果であり、その中で日本版ホワイトバンドが果たした役割や「日本版ホワイトバンド」が行った政策提言や具体的成果については依然として述べられていない。

もしマエキタさんが、「ほっとけない日本の貧しさ」=日本版ホワイトバンドへの批判に反論したいのであれば、売上金の使途を含む、日本版ホワイトバンドが実際に批判されている内容にこたえるのが合理的だと思う。
しかし、コラムの中では、上記の問題については全く触れられていない。

ちなみに、2005年に開催されたG8(主要国首脳会議)の場で発表された日本政府のODA(政府開発援助)への増額に対して、「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン実行委員会」のウェブサイトにおいては、『政府内部からは「この増額は、GCAP(「グローバルな貧困根絶キャンペーン)への回答である」というコメントがキャンペーンに届けられている』との内容の記述がされている。
しかし「日本政府(各関係省庁や関係省庁の閣僚、および与党自由民主党の国会議員に対して、「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン実行委員会」や、委員会が支援するとされるNPOから援助政策の変更要求が行われた結果、上記のようなODA増額が行われた」と言う事実は確認されていない。
また、上記のサイト内において記述されている、「政府内部」とは、具体的に日本政府のどの組織の、どのような地位の人物によるものなのかはまったく記されていない。
また会計監査についても、「ほっとけない世界の貧しさ」のHPでも永遠に「これから監査をうけます」と書いてあるのみ。ふう。

話を本題にもどすね。

もし、単純にアドボカシーについて啓発したいのであれば、
「ほっとけない世界のまずしさ」(=日本版ホワイトバンド)を持ち出すべきではないだろう。

日本でも世界でも着実に根付いている各NPO・NGOのアドボカシー活動を切り開いたのは「ほっとけない世界の貧しさ」=日本版ホワイトバンドでは決してない。

今回のコラムのような認識をもし本当に持っているとしたら、それは無神経を通り越して傲慢ですらある。

多くの関係者は、当時批判を真摯に受け止めて、その教訓のにもどづいて、前に進んでいることを私は信じたい。

関わった人の中でも、言い訳をしながら、その場所に立ち止まる人と、そこから前に進む人は大きな違いがある。

実際、ある意味利用されてしまった著名人の方たちの中には、自ら社会貢献活動をされている方がたくさんおられる。利用されたことに腹を立てて終わるのではなく、自ら新しい活動をはじめる、

このような方々の建設的思考には感動し、学ぶことは多い。


長島亜希子さんの訃報に思うこと

2007-09-18 18:17:06 | 時事問題
長島さんと亜希子さんは本当に素敵なご夫婦だ。
闘病中に最愛の奥様を亡くされた長島さんの気持ちを思うと言葉もない。

美人で才媛の亜希子さんに長島さんは一目ぼれしたと「私の履歴書」の中でも書いていた。

4人のお子さんを立派に育てあげた後は、社会貢献活動等に尽力されていたとのこと。

最近の亜希子さんは、環境問題に興味を持ち、2002年に温室効果ガスの排出削減にもつなげようと政府が設置した「環(わ)の国くらし会議」に参加。
家庭菜園の肥料に使うことで生ゴミを10年間出していなかったという徹底ぶり。

「環境問題は議論する時期は終わった。このままだと子供や孫の時代はない」
とおっしゃる言葉に、聡明さと芯の強さがうかがわれる。

本当におっしゃる通りです・・・。

心よりご冥福をお祈り致します。

グレース・ケリー。いまだ輝きを失わないもうひとりのプリンセス

2007-09-18 08:48:46 | 時事問題
米国では14日、ハリウッド女優からモナコ公国の大公妃になったグレース・ケリー妃(享年52)が自動車事故で死去してから25年目を迎えたとのこと。

グレース・ケリー妃は、レーニエ大公と3人の子供と暮らしていたモナコで車を運転中に、心臓発作を起こし不慮の死を遂げた。しかし今なお、同妃の美しさやスタイルが米国女性に影響を与え続けている。シンプルさを強調しつつ柔らかなパステルカラーを用いたいわゆる「グレース・ケリー風」スタイルなど、ファッションに与えた影響についてはこれを認めることになるだろう。

エルメスは、グレース・ケリー妃が同ブランドのバッグを持つ姿が報じられて以降、その長方形のワニ皮バッグを「ケリー・バッグ」と名付けた。
「ケリー・バッグ」は未だ高い人気を誇っている。

同時代の女優マリリン・モンローの明るさとセクシーさを前面に出した美貌とは対照的に気品を湛えた美貌は「クールビューティー(cool beauty)」と賛美された。
「裏窓」や「泥棒成金」などの映画に出演、「喝采」では、アカデミー主演女優賞を受賞した。その後、1956年にレーニエ大公と結婚し女優業を引退している。

で、代表作の「裏窓」です。裏窓はヒッチコック作品の中でもとりわけ好き。
ジェームス・スチュワートもカッコいい。

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
コーネル・ウールリッチの原作を、アルフレッド・ヒッチコックが技巧の極みを尽くして映画化したサスペンス。ジェームズ・スチュワート、グレイス・ケリーが共演した代表作のひとつ。“ヒッチコック・コレクション”。

裏窓

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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ヤワラちゃん泣いてた・・・。谷亮子世界選手権7度目の優勝

2007-09-17 19:11:36 | 時事問題
谷亮子が7度目の優勝。
柔道の世界選手権最終日で16日、女子48キロ級で谷亮子(トヨタ自動車)が2大会ぶり7度目の優勝を果たした。
優勝7度は世界選手権で男女を通じて最多。

授乳しながらの強化合宿を叩かれたり、限界説、多々あったが、ぜんぶ吹き飛ばして金メダル獲ったその精神的強さには脱帽だ。

3回戦で五輪の決勝で対戦した強敵のフレデリク・ジョシネ(フランス)に延長の末に優勢勝ち。準決勝ではアリナ・ドゥミトル(ルーマニア)、決勝ではヤネト・ベルモイ(キューバ)にいずれも優勢勝ちした。
決して圧倒的に勝ったわけではなく、下手すると3回戦で負けていてもおかしくない展開。それを粘りで、決勝まで勝ち進み、まさに執念で金を手にした。

結果がすべてのスポーツの世界で結果を出し続ける、ヤワラちゃんは本当に凄い。

追伸

ヤワラちゃん、あんなにボロボロで泣いているのははじめてみた。
プレッシャーだったとつくづく思った。
やっぱり選考会の件で叩かれたのはきつかっただろうなと思う。

「彼女も普通の人なんだな」、と思うと同時に、
プレッシャーを感じながらも最後まで頑張りぬき、結果を出した。
そのことに拍手をおくりたい。

今回、彼女もスーパーウーマンじゃないんだってことがわかった。
モチロン、普通以上の能力を与えられた人だけれど、金メダルなんて簡単にとれるもんじゃない。
苦しんで苦しんで、粘って勝ち取ったメダルの輝きはひときわでしょう。
正直、周囲はもう「北京」と言っているけど、早すぎるって。

まず誰よりも安倍総理その人が読むべきだった「官邸崩壊」

2007-09-13 11:35:50 | 時事問題
「深い人間的洞察と、政治という営為に対する真摯な問い、これまでの日本の政治ノンフィクションと一線を画した出色のドキュメントである。まず誰よりも安倍総理その人が読むべきだった」。
「官邸崩壊」(上杉隆 著)に寄せた、福田和也氏のコメントより。

最後の一文が名コピーだ。

以前書いた通り「官邸崩壊」(新潮社)は、参院選惨敗後安倍総理が辞職することを確信して準備された本だと思う。
少しタイミングずれたが結果的には、上杉氏が言ったとおり、安倍政権は崩壊した。

この本の中では「チーム安部」の身勝手さが臨場感あふれる記述で書かれている。安部政権を描いた本ではは、まだ少ない。激動する状況の中、ここまで取材した上杉氏は凄い思う。
また安倍政権をよく知る上杉氏は本日発売の「週刊文春」にも寄稿している。

「安倍首相がおかしい。虚ろな目で会見に臨み口数は極端に少ない。(中略)我が国のリーダーに何が起きているんだ」

と新聞広告にあるが、
記事の分量を考えると内容の大部分は、辞任発表前に準備されていたとしか思えないので、そういう意味では、上杉氏は予測していたのではないかと思う。

「官邸崩壊」を読んで、安倍総理辞任についてすべてがわかるわけではないが、官邸内部で何が起こっていたかは非常によくわかる気がする。
そういう意味では、一読に値する本だ。

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年
上杉 隆
新潮社

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それでも、あたりまえだが、安倍総理辞職については、どんなに新聞を読んでも、今日発売される雑誌を読んでも、すべてを理解することは出来ない。

今日の新聞を読んで、一国の総理が突然辞任するということは、いかに広く影響を与えることかを感じた。

とりわけ、国際社会における日本の信頼性といったことが懸念される。
サミットで環境問題におけるリーダーシップを発揮したい日本にとっての痛手は大きいと思った。
それでもなお、甘いと言われるかもしれないが、私自身は、心身ともにボロボロになった安倍氏が、本当に折れてしまう前に辞めて良かったと思う。、あの状態では
何が起きてもおかしくなかった。
今はただ安倍さんの健康の回復を祈り、政局の行方をみつめていきたい。