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「グリーンウォッシュ」企業と批判される前に

2009-01-31 16:49:03 | メディア・通信・IT・イベント
昨日のセミナーは企業向けででしたので、あらためて「グリーンウォッシュ」企業と言われないようにはという話があり、個人的には、これは今後、企業や広告関係者、メディアが、大きなリスクとして認識するべきだと思いました。

グリーン・ウォッシュ」とは、消費者が企業の環境活動があたかもビジネス活動の一環であったり特定の商品サービスに利益をもたらすと誤解を生じさせるような企業活動を指します。近年英国では、このようなグリーン・ウォッシュに対する消費者からの苦情が従来の4倍に膨れ上がっていると報告されています。

また、昨日あらためて指摘されたのは、「やっている側が環境に良いと思っていても知識や経験がないために、間違えて環境によくないことをしてしまう」危険性です。私は、環境への意識が高まる中、こうしたことは起こってくると思います。

今、日本の消費者や、環境NPO,NGOは欧米などほどには、グリーンウォッシュに敏感でも過激でもありませんが、私自身は「えーーー!」と思う表現に出会うことはしばしばあります。

こうしたことは、消費者のエコ商品離れや環境負荷削減のための産業界全体の動きの妨げになりかねません。

例えば、環境NGOのFriends of the Earth (FoE)は、シェルが打ち出している環境広告(煙突から出る煙を花に置き換えたイメージ図)に対し「石油を扱う企業が及ぼす環境への影響を誤って伝えている」と批判しています。

このような「グリーン・ウォッシュ」への批判は特に大手企業に対して激増していることが最近の公共広告機構の調査で明らかになっています。英広告基準審査協会 (Advertising Standards Authority (ASA))が2008年頭に発表した報告によると、2007年に同協会が受け付けた環境関連の苦情は2006年の117件から561件と4倍以上に急増しています。

苦情の主な対象となったキーワードは「カーボン・ニュートラル」「ゼロ・カーボン」「サステナブル」「オーガニック」「100%リサイクル」「greenest car in its class(産業内で最もクリーンな車)」であり、これらに対し、誇大広告である、もしくは、誤解を招きやすいという指摘が多くを占めています。

企業のコミュニケーションに関するコンサルテーションを手がける英Futerraは、このような状況に対し環境をPRする際、企業が注意すべき事柄をまとめたグリーン・ウォッシュ・ガイド (The Greenwash Guide) を発行しています。

私が特に危ないと思ったのは、全体的には環境活動を進めていないのに、ごく小規模な環境活動のみを強調することや、明らかに論理性に欠ける場合、証拠ゼロのことを大々的に言ってしまうことに危なさを感じました。

日本でも環境に関する消費者の知識が増え、企業や広告、PRへの目が厳しくなるのは時間の問題。CSR報告書や関連ウェブサイトなどのコミュニケーション・ツールの製作段階で気をつけるべきことだと思いました。


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