現在増築工事中の現場より、秋の空。
左側が離れで、右が母屋。
母屋の北側に建つ離れは、面積的にも、日当たりにも限りがあり、
居間の天井は、かなり高めの4m程です。
柱の裏にくる台所の窓からは、のどかな風景。
窓を開けて、この景色を見て、私は、よしっ
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と、かなり嬉しかった。
この家にとって、とても大切な景色です。
限られた条件の中で、始まる増築・改築工事は、
いろんな工夫が、ぎゅっと濃く詰まるので、現場も面白いです。
決して、十分な広さとはいえない空間に、お施主さまが、家具を置き、
どうやって工夫をして暮らしていかれるのか。
広さからではない、生活を楽しむ、豊かにする空間を、
どこまで設計で作ってあげられているのか、
竣工してから、さらに真意を問われるので、
とてもお施主さまの暮らしぶりが気になります。
と、増築工事中の現場に立ち寄って、
高松で開催された「四国活性化フォーラム」内の基調講演(「可能性をつくれ」)に行ってきました。
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写真:CASA vol31 表紙
講師は、安藤忠雄さん。
俗にいう「安藤建築」は、コンクリートの打ちっ放し。
安藤さんは、書籍の中で、自分の住宅のことを「ゲリラ住宅」と呼んでいます。
その方が、どんな話をされるのか、とても興味がありました。
さすが関西人、話が大変面白く、会場は大爆笑がしばしば。(爆笑が大半。)
もともと建築関連の講演会ではないので、
小難しい建築の話は、抜きの様でしたが、安藤さんの本当の中身を感じられました。
いくつもの心に残る言葉が、私のメモ帳の中に書き込まれました。
・瞬時に可能性をかける。
・何を見るかは自分の心の中の問題。
・前を向いて生きていく。
・理想は、自分の心の中でつくるもの。
・本音を言わないと。
・人の心の中に、可能性を宿さないと駄目。
と、話の中で、何度も出てきた「私は、ムッとして」という言葉。
とても、人間くさい人でした。
「私が、建築をやめる時は、はみだせなくなった時」だそうです。
安藤さんの場合の「はみだす」は、私の想像を遥かに超えていました。
やっぱり、世界でも戦う人は、魅力的だなと、とても強く感じました。
(ちなみに、今回のブログタイトルも安藤さんの言葉です。)