まさおレポート

記憶の断片 臭いの記憶

昨日何かの折にふと高校時代の寮のトイレを思い出した。すると特有の臭いをありありと思い出した。それもその寮のトイレでしか無い、特有の臭いだ。いつものように泡のように浮かんできた記憶の断片で、何か関連のあるものを読んでいたり、関連のある事を考えていたから浮かんできたというものではない。記憶の海の深海に忘れ去られた古い層があって、その中から自然発生的にときどきガスが泡となって海上に浮かんでくる。この泡が記憶の断片で、日常の事柄とは無関係に浮かんでくる。日に一度の時もあれば週に一度の時もある。

この記憶の泡は記憶の深海からのメッセージだといつのころからか思い始め、できるだけ書き留めておこうしている。複雑なジグゾーパズルの断片と同じで、一体何を意味するのか今のところ全くわからないが、数が集まってくると組み合わせ次第でこれらのメッセージはなにか意味をなすのではないか、そんな期待をしている。

半世紀近く経つ記憶の寮のトイレは戦前に海軍航空隊の訓練施設として建てられたものを戦後高校の寮に転用したもので、木造3階建ての二つの棟の中間にあった。トイレと言うより便所と記した方がふさわしいが洗面所と一体の平屋建てで、常時水が流れ清潔を保っていたが、やはり特有の臭いはついている。こうした建物につきものの、昔海軍航空隊の訓練生がトイレで首をくくり、その幽霊を見たという話も伝わっていた。朝方は洗面と排便で込み合い、夜中に尿意を催してがらんとしたトイレに行くのはさすがに気持ちが悪かった。

記憶の泡のあるあたりにスノーケルをつけて覗くとなにかが見えるかもしれない。さらにダイビングでは一層見えてくるかもしれない。これらの装備に相当するものは何だろう。瞑想か夢、このあたりに記憶の深層を覗くキーがありそうだ。

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