→ 行ってみたいな南大東島 →
♦ 島国に暮しつづけてきし我がさらに小さき島に焦がれる 松井多絵子
台風情報でよく耳にする太平洋の南大東島は沖縄の那覇から約360キロ、今はもう初夏だろう。およそ1300人が住むこの島は、働く人の4割がサトウキビ農家だ。畑の面籍の9割はサトウキビである。サトウキビから作る砂糖の価格は外国産の数倍もする。TPP交渉の末、外国産が入ってくれば、経済的打撃を受けることは必至だ。結局、米国内の製糖メーカーを守る必要があったことなどが南大東島に有利になったようだ。サトウキビからできる「ラム酒」も島の宝だ。私はサトウキビを沖縄で買ったことがある。まるで杖のようだ。♦食べ方は約5センチに切り分ける。外側の緑色の皮を剥ぐ。白いところだけ齧り甘味を吸う。ソフトな甘味だった。
♦ この島の高所にわれの別邸を厚きガラスの全円の家
この島の月桃は亜熱帯地域に分布するショウガ科の多年草。沖縄本島のものより葉も茎も長く、香りも強い。民芸品の材料になっている。月桃の茎のフタ付のバッグは編むのに2か月もかかるものもあるらしい。この月桃のバッグにオニギリを入れてハイキングをしてみたい。島の周囲は断崖絶壁。ここから太平洋を眺める、海を独り占めできる。さらに日の丸山展望台に立てば山も海原も私にひれ伏す。私は女帝だ。さぞいい気分だろう。しかし、この島へ行くツアーは見当たらない。夏の日差しは暴力的だそうだ。行くなら今だろうけれど、、。
♦ 海と空のはざまの青のなかにいて還りてゆかな青春の夏
1月6日 松井多絵子