えくぼ

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小保方晴子の「あの日」

2016-01-31 09:10:31 | 歌う

            ・・・ 小保方晴子の「あの日」 ・・・

♦ あいまいな記憶をたどる少女期のあの頃あの日あの時のこと  松井多絵子

 3日前、新聞であの小保方晴子を見た。「この本の中に真実を書きました」という「衝撃の手記」。まるでタレントのように愛らしい彼女の写真を見ながら1月27日の「折々のことば」をたどる。 「何でもないことを 悲しく言うのは 何でもないけど 悲しいことを 何でもないように言うのは苦しい」。これは小野省子の詩集「牛丼屋夜間アルバイト」のなかの言葉。これを 鷲田清一が  ✿「折々のことば」に引用し、次のように書いている。 

 おのが悲しみについて書こうとすると、つい自らを哀れんで、ことばにふくらし粉まぶしてしまう。あるがままを書くというのはそれほどに難しい。自分のことだからこそきちんと距離をとらないといけないのだが、自らを隔てるのは、言ってみればかさぶたを剥すようなもの。ちりちり痛む。 2016年1月27日 朝日新聞朝刊より。

 2年前の真冬、2月だったか、小保方晴子を私がはじめて知ったのは。白い割烹着を着て試験管を扱っているテレビの彼女はとても可愛かった。STAP細胞を語るときも更に可愛かった。でも話している内容はさっぱりわからない。若くてカワイイ女が難解な研究をしている。リケジョに弱い老女たちは彼女を自分の孫のように話題にした。いずれノーベル賞などと、私もそう思った。ところがじきにSTAP細胞は胡散臭いと騒がれ、騒ぎがエスカレート。

 小保方晴子が有頂天だったのは何日くらいか。その後は地獄の日々だろう。マスコミは怖い。その怖さが身に染みている彼女自らがなぜ本を刊行したのか。定価1400円(税別)
私は読んでいないが検索では次のように書かれている。ご参考までに。

 ♦ 事件について報道されている以上のこと、秘密の暴露はまったくない。

 ♦ 著者が関与したとされる疑惑は華麗にスルーされSTAP騒動の原因がわからない。

 ♦ 共同研究者・若山氏への批判が執拗ではないか。

 ♦ 「死にたい」「涙があふれた」など本の後半は泣いてばかり。

 ♦ 突然メルヘンチックな描写が挿入され、言い訳文学めいているのではないか。

 などなど、彼女のファンの男性が 「あの日」を読み終えて放心しているとか。以前、連日のようにテレビで騒がれても、彼女は美しく装い、まるで女優のように記者会見をしていた。その図太い神経は自分を信じていたからか。自分をかばっていたからなのか。

                      1月31日  松井多絵子