「未来」新年会の出会い
♥ ああ ぼくはゆらり小舟にのせられてただよいながら歌をよむひと 鈴木麦太朗
短歌の上達に欠かせないのは、作ることと読むことを同じ比重で続けることだ、とセンパイに言われたことがあった。でも私は歌を作ってばかり、いまだに知らない名歌がどっさりある。3年前からブログをやりながら、他者のブログはほとんど知らない。昨日「未来・新年会」で笹公人選歌欄の鈴木麦太朗さんが私のブログを読んでくださっていることを知り、とてもうれしかった。モッタイナイことに私は麦太朗さんのブログを知らなかった。帰宅して調べたら彼は投稿家として知られていて、平成24年度NHK全国短歌大会で大賞を受賞している。
1月号未来 笹公人選九首のなかから私の好きな四首をとりあげてみる。
♥ ふねにふね曳かれてゆくよ古利根川ふたつのふねの速さひとしく
(当たり前のことにあらためて気が付く。それが一首になる。読者が共感する楽しさ)
♥ この街の西にそびえる電波塔空を支えるには細すぎる
(空は地球を覆う大いなる屋根か、それを支える電波塔はいかにも華奢な身体である)
♥ やがて来るその日のための乾電池あわれ古びてゆくほかなく
(心臓が電池に思えてくる。わたしの電池はもう切れるかもしれない。コワイ歌である)
♥ 茶柱といえばそうかなコンビニにペットボトルのお茶立ちならび
(ペットボトルのお茶を1本買う。コンビニはすぐに自動的に1本補充される)。
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1月18日 ☃ 雪
穏やかな人の冷えたる言葉かな この暖冬の1月に雪 松井多絵子