管理室にて
管理室にいると「ウ-バ-イ-ツ」の配達員が時間差で来館しまします。装いは様々、年齢、性別、国籍関係なく、うす緑色の配達用リュックサックを背負い、スマホを片手に来館します。お店から頼まれた品物を運ぶためにです。今までは、マック、ケンタ、柿家鮨等の店員制服組が主でしたが、代わりこの夏以降、リュックサック組が目立ちようになりました。乗り物も自転車、バイク等、個性豊かです。
「ウ-バ-イ-ツ」の配達員は約1万5千名で、人員だけなら大企業並みです。そして、配達員は個人事業主で、配達件数に応じて収入が確定されます。隙間時間、フルタイム等、働くスタンスは自分で決められ、人間関係の気遣いも必要なく、自由度満点のところが人気の秘密です。配達中のケガは自己負担でしたが保障されるようになったという記事がありました。
傷害保障制度獲得
配達には乗り物を利用するのでどうしても、事故のリスクがあり、怪我した場合、個人事業主ですので自己負担になります。そこで、配達員の人たちが、事故で負傷したときの補償してくれるよう交渉した結果が下の記事です。それまでは保険は適用されませんでした。
治療費上限25万円
飲食宅配代行サ-ビス「ウ-バ-イ-ツUber Eats」を運営するウ-バ-ジャパンは、配達員が配達中の事故で負傷した際に「見舞金」を支払う制度を10月1日から始める。配達員はウ-バ-と雇用契約を結ばない「個人事業主」で、労災保険が適用されていないことが問題視されていた。不十分だった配達員への補償が一歩前進する。
新たな「傷害補償制度」は、ウ-バ-側と三井住友海上保険の補償制度費用保険に加入し、見舞金の費用を保険金でまかなう。配達員の負担はない。
新制度では、飲食店に商品を受け取りにいく時点から注文者への配達が完了する時点までの間の事故で負傷した際に、ウ-バ-が見舞金を支払う。けがの治療費は上限25万円、入院費は1日7500円(30日まで)を上限に支払われる。死亡時は1000万円の見舞金が支払われる。
米ライドシェア(相乗り)サ-ビスのウ-バ-・テクノロジーズは2018年から、ウ-バ-イ-ツのサ-ビスを日本の都市圏で展開している。
飲食店と注文者の間を自転車やバイクで行き来する配達員は、事故に遭うリスクが高い。ウ-バ-は、配達員向けの対人対物の損害保険は今年4月までに会社が加入していた。だが、配達本人にはウ-バ-の従業員ではないため労災保険が適用されず、配達員への補償制度は未整備だった。
10月3日には配達員による労働組合が開かれる予定だ。設立を支援する川上賢人弁護士は新制度を評価しつつ、
「医療費の上限が25万円だが、労災保険ならかかった費用全額補償される。25万円で区切る合理的理由がなく、補償内容が不十分だ」と指摘する。
朝日新聞
ウ-バ-イ-ツとの契約は個人事業主として結ばれていますので、社会保険、厚生年金等は未加入です。一日、配達した件数で収入が多くも少なくもなり、派遣社員と比較すると安定収入という点ではマイナスです。完全雇用で安心して働ける職場は夢のまた夢、自分で事業を立ち上げ、生活の糧をえなければならないので、その受け皿として、ウーバーイーツの存在が機能しています。これからは、誰でもできる仕事は、外国人実習生が代勤するようになります。彼らと同じ仕事を希望しても、低賃金等、同じ条件で雇われます。それならば、自分のペースで縛られることなく個人事業主として仕事ができるウーバーイーツのシステムを活用、収入を得るのも職業選択の一つになりました。「働き方改革」といわれていますが、国は頼りにならないので自分で改革しなければならない令和時代です。