ひきこもりから抜け出すには
前期高齢者の仲間入りをすると、最重要事項は同居人がいてくれるかどうかでその後の人生は決定されます。ありがたいことに、自分には、妻と長男がいますので今のところ大丈夫です。「8050問題」は、親が寝たきり、子どもが引きこもりで収入の道が失われ、社会とのつながりがなくなるのが一般的な事例です。この記事の救いは、妹さんがいて、定期的に訪れていたので現状を把握でき、お兄さんは立ち直ることができました。一人暮らしの高齢者もいます。独居老人として社会とのつながりが薄くなり、病気やけがで、身動きができなくなり、孤独死になる境遇の人もいます。終いの迎え方は千差万別、「ピンピンコロリ」「老衰による自然死」「闘病の先に待つ壮絶死」等、どれになるかわかりませんが、最後に一言「生きてきてよかった。ありがとう」とつぶやいてあの世に旅立ちたいものです。それには、社会とつながりをもつこと、これが、ひきこもりから抜け出す第一歩です。
支援を受けた家族45%が中断
ひきこもり状態だったり無職だったりする中年の子と、高齢の親が同居する家庭が、社会から孤立し、経済的な困窮などさまざまな問題を抱え込んでしまうことがある。80代の親と50代の子の家庭に目立つことから8050問題と呼ばれている。そうした家庭で親の死に直面した子が、周囲に知らせず、「事件」になることが相次ぐ。親の死を隠して年金を受給し続けるケ-スばかりでなく、精神疾患などの理由で連絡できない例もある。
KHJ全国ひきこもり家族会連合会が当事者や家族ら約630人から回答を得たアンケート(18年公表)では、支援を受けた経験がある家族の45%が自治体などの支援機関や医療機関の利用を中断したことがあると回答した。相談などにたどり着いても、理解のない言動に傷つくなどして、再び孤立していく様子が浮かび上がる。
同会理事でジャーナリストの池上正樹さんは「行政の支援が途絶し、家族が孤立するのはこの問題の典型のひとつ。当事者や家族は『ひきこもりは恥ずかしい』『自分たちが悪い』などと社会に思い込まされてきた。こうした心情への理解が支援する側に足りていないと感じる」と話す。
おわり 高橋淳