今日の言葉
たくさんある山をみて、登れない、どうしようと思っているんじゃなくて、まず一つ山に登って、頂上まで行くところからすべてははじまるんです
ドリアン助川
「サンデー毎日」1996.9.22
飲食業に続き、旅行業界にも「解雇」の波が押し寄せてきました。これから年末にかけて、歓迎されない「ビッグウェーブ」が来そうな雰囲気です。
二つの記事を紹介します。内容は解雇された女性と都会の若者二人の漁業へのチャレンジです。
旅行会社解雇次は在宅勤務できず退職
インバウンドも仕事も消えた。2020.9.24朝日新聞夕刊江口悟
新型コロナウイルスの感染拡大で、年間3千万人を超えていたインバウンド(訪日外国人客)が消えた。観光客の出入国制限緩和は当分望めず、旅行業界は苦境にあえぐ、インバウンドの特化した旅行会社の中には、早々に社員の解雇に踏み切った企業もあった。
「事業の先が見えず、仕事をふることもできない。全員辞めてもらいます」
3月半ば神奈川県に住む女性(27)は、急きょ集められたオフィスで解雇を告げられた。アジア各国からのインバウンド専門の旅行会社の正社員。語学力をいかせて「天職と思えた仕事を、あっさり失った。
「その頃にはなっまでの予約がほぼキャンセルされ、怪しいなとは思っていた。」
上司は「手続きは後で電話します」と告げたが、その後連絡はなく、いまだに離職票も届かない。
実家に近い地方の支店に勤めていたが、希望がかなって昨年転勤。訪日ツアーを予約した家族連れや新婚カップルの要望を聞いてプランを作り、ホテルや観光施設の予約を代行。レストランのメニューをあらかじめ翻訳しておくなど、きめ細かい対応で相手に喜ばれている実感があった。
旅行好きで韓国語と中国語を独学し、大学卒業後は現地の語学学校にも留学。旅行会社への就職は最高の選択と思えた。都会の生活で家賃は8万円台になったが、月給は手取り前後で不自由はなかった。
ところが今年1月、中国での新型コロナの感染拡大が報じられると、春節の時期の中国人観光客が減り、2月半ばにはキャンセルが相次ぐようになった。政府は3月5日、中国、韓国からの入国制限の大型強化を発表。それから解雇まではあっという間だった。
派遣会社に登録してメーカーのコールセンターの仕事に就いたが、2週間ほどでセンターが閉鎖され、在宅ワークに移行。自宅に有線のネット回線が必須とされたが、業者に問い合わせると「工事は1ヵ月先」とされた。急な在宅ワークの広がりで申し込みが殺倒していた。時給制のため給料が出ず、やむなく退職。7月にはよく月の家賃が良いできず、管理会社に支払いを延期してもらった。「半年前までは考えもしなかった生活、本当に不安でした」
7月に入って別のコールセンターの仕事が見つかったが、月給は手取り17万円ほど。家賃や光熱水費などを払うと残りわずかだ。女性は「旅行会社の仕事はあきらめている。無理して都会で暮らし続ける意味もなく、実家の近くに帰りたい」と話す。
「格好いい漁師に」 大阪の若者2人、三陸へコロナ転職
https://www.asahi.com/articles/ASN9R6QJLN9RULUC00V.html
都会から地方の時代に
リ-マンショックで、失業した人たちの再就職先は、飲食業が受け皿の役割を果たしました。しかし、現在、コロナ倒産で飲食店が次々と消えていきますので機能しなくなります。
新しい生活スタイル、コンクリートから自然回帰へ、「スーパーシティ構想」が話題になっていますが、一方、自給自足の暮らし、農水畜産業が脚光を浴びる時代にもなりそうです。
全国には、空き家、使われなくなった田畑がたくさんあります。地方自治体には、『○○バンク』があるので、活用する手もあります。
朝日で目を覚まし、田畑で仕事し、夕日を背にして家路をたどる。採れたての肴とおいしい地酒で晩酌、そして就寝、こういう暮らしを『リッチ』というのかもしれません。
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