植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

次世代を作ろうとしないものは花も咲かない

2022年01月23日 | 植物
今年に入って、書と篆刻にかける時間が減っております。
本来ワタシの生活の中心になるべき園芸に重点を戻すべきだと思うからであります。植物全般、手間をかけただけその結果は歴然と出て来るのです。植え放しほったらかしで、十分育つ草木はありますが、水やりを忘れず適宜施肥し、剪定し、殺菌や殺虫して愛情を注いで育てれば、それに応えてくれるものなのです。

 昨年一年は、自治会の仕事に余計な神経と時間をとられ、篆刻に傾注した分、洋ランなど手間をかけるべき植物をずいぶん枯らしてしまいました。すでに処分した鉢植えは10個以上、残っているものも弱っています。今年は少しでも手をかけて蘇らせてやりたいと願うのです。

 一方、年初にあたって「今年こそ花を咲かせたい」「今年こそ実をつけさせたい」という植物がたくさんあります。ワタシの植物園(笑)・果樹園に来て数年経っても一度も開花しない植物があるのです。開花しなければ果物はなりません。毎年、今年は咲くに違いない、きっと受粉して実が生るだろうと期待して裏切られているのです。

 そこで現在の状態(落葉しているものなどで美しくはありません)から一部写真付きで紹介します。

 アイスクリームバナナの木です。耐寒性があり日本で地植えできるという品種で、丸2年経過、隣家の2階の窓の高さに届くほど生長しましたが、ついに花はさかずじまいでありました。以前植えたアケビバナナは植えたその年から開花したのです。

これは、農薬メーカーに勤務する次男推奨のすもも「貴陽」です。植え付け後5年以上で、2年続けて開花しましたが花粉量が少ない品種で自家受粉いたしません。昨年もさんざんほかの品種の花を取ってきては人工授粉を試みましたが、いまだ一つも実がついておりません。幾度も伐採を思い立つもその都度来年こそ、と思い直して今年最後のチャレンジです。樹勢が強くアブラムシが大量に発生するので今年ダメだったら伐り倒します。

この写真の奥には「サルナシ」というキウイフルーツの仲間を植えていますが、こちらも丸三年花が咲かず実も当然なりません。

これは「ラカンマキ」ダイソーで買ってきた10本300円の寄せ植えで、やっと1mほどの高さに育ちました。ワタシがまだ幼稚園通いしていた九州の温泉町の道すがら、この木に小さな実がついていて食べられたのです。人の家の軒先なので厳密には盗み食いでありました。あの頃みんな貧しく、甘いものに飢えていました。そんなノスタルジックな思いもあって、ワタシの店舗の前の植え込みに植えてあります。いつ花が咲くのか皆目見当もつきません。

これは、2年経過の「ヌアール・ドゥ・カロン」というフランス原産のイチジクです。元来イチジクは強健で、ぐんぐん大きくなり、植えたその年から実が生るものですが、この品種は成長が遅く実つきには年数がかかるそうです。世界で一番甘いと言われる滅多に入手できない苗木でしたから、今年なんとかイチジクが生って欲しいと願うのです。

この葉っぱが枯れた代物は「チユウキンレン」というとても珍しい植物です。6年ほど前に、開花株を1万円という大金をはたいて入手した植物で、一度開花すると半年の間、タケノコのような黄色い花が咲き続けます。鉢植えから株分けし本体を地植えしましたが、未だ花が咲きません。株が充実すると咲くらしいのです。ワタシの眼には十分太くなっているのですが・・・

まだまだこんなものではありません。
・ポポー  樹齢6年、2,3年えんじ色の花が咲くも受粉せず。伐り倒したけれど根が残っていてまた大きくなってきました。その根性に免じて再度チャンスを与えようと思います。

・イランイランの木  非耐寒性の為大きい鉢植えで屋内で冬越し、もう4年経つのに一度も花を見ません。昨年茶色い枯れた蕊のようなものを一つだけ発見したのですが花だったかどうか確認できておりません。

・ロンガン 一昨年初めて実が付いた熱帯植物です。去年は花が咲きませんでした。今は廊下で冬越しさせておりますが、はたして今年再開花するか。

 こうした花が咲かない原因は大きくは4通りです。①環境が悪いので花芽が付かない。つまり、水不足や肥料不足、あるいは気温や日照が適していないために、自分の個体を維持するのがやっとで子孫を残そうという状態にない。②植物が開花できるほどの樹齢に達していない、根や幹が充実していない。③逆にとても水や肥料が潤沢・過剰にあると危機感が無くなり子孫を残そうとしない。④自家受粉しない、雄花雌花の開花がそろわない、雄木・雌木のどちらかが欠けている。ということになります。

 これは、正規雇用に付けず収入が乏しいために、所帯を持ち子供を作る余裕が無い、政治や社会がそうした人をサポートできていない日本にも当てはまります。戦後教育も未熟で偏っていたため、普通に結婚して家族を増やす重要性が置き去りにされました。一方で引きこもってネットやゲームに埋没するパラサイトは、自分の部屋に食事が運ばれるので満足しています。これではお相手など見つかるはずもありません。働いていても、親元ですべてを親がやってくれる生活に安住出来るので結婚願望は無くなります。そして、自立しない人が日本には大勢いるのです。


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