NHK放映「トマ・ピケティ講義」第1回《21世紀の資本論~格差はこうして生まれる~》(美津島明)
NHK放映「トマ・ピケティ講義」第1回《21世紀の資本論~格差はこうして生まれる~》(美津島明)いま読書人の間で話題沸騰のトマ・ピケティ『21世紀の資本』。経済学の専門書として...
NHKで放映された「トマ・ピケティ講義」に、なるべく平易な解説をつけてアップする、ということを「その4」まで続けましたが、その後中断してしまいました。それを再開するぞ、という思いを新たにするために、当論考を再アップすることにしました。
ピケティが、膨大な量のデータをもとに、圧倒的な説得力で指摘した格差の拡大は、その後もとどまるところを知りません。以下は、ロシア在住の国際関係アナリスト・北野幸伯(よしのり)氏が今月の22日に配信したメール「世界の格差は、本当にすごい」からの引用です。ごらんください。
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【驚愕】●世界の格差は、本当にすごい
日本も近年は、「格差社会だ!格差社会だ!」といわれます。
それでも、世界の現状をみたら、かなりマシですね。。
先日、本当に驚きの情報をみつけましたので、シェアさせて
いただきます。
CNN.co.jp1月18日から。
貧困問題に取り組むNGOオックスファム・インターナショナルは、
最新の報告書を出しました。
そこには「驚愕の事実」が明らかにされています。
<オックスファムは今週スイスで開かれる世界経済フォーラム年次
総会(ダボス会議)に向け、米経済誌フォーブスの長者番付やスイ
スの金融大手クレディ・スイスの資産動向データに基づく2015
年版の年次報告書を発表した。
それによると、上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、
どちらも計1兆7600億ドル(約206兆円)だった。>
どうですか、これ?
<上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、
どちらも計1兆7600億ドル(約206兆円)だった。>
つまり、トップの金持ち62人の資産は、貧しい方36億人の資産に
匹敵する!
また、オックスファムの報告書は、「格差が急速に拡大している
こと」をはっきり示しています。
<富裕層の資産は近年、急激に膨れ上がっており、上位グループの
資産はこの5年間で計約5000億ドル増えた。
一方、下位半数の資産は計1兆ドル減少した。>(同上)
上位グループの資産は、5年間で60兆円(!)増えた。
下位半数の資産は、5年間で120兆円(!)減った。
さらに、驚きの事実が出てきます
<また、上位1%の富裕層が握る資産額は、残り99%の資産額を
上回る水準にあるという。>(同上)
上位1%の資産は、残り99%の資産額より多い!!!
もう少し広くみてみましょう。
<富裕層と貧困層の所得格差も拡大を続けている。
1日あたりの生活費が1・90ドル未満という極貧ライン以下の生
活を送る下位20%の所得は1988年から2011年までほとん
ど動きがなかったのに対し、上位10%の所得は46%も増加した。> (同上)
世界には、1日当たり1.9ドル(=228円)、つまり月7000円以下で暮
らしている人が、20%もいる。
世界の人口が73億人とすると、14億6000万人もいる。
どうですか、皆さん。
私は、かなり驚きました。
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グロテスクなナンセンス・ギャクとしか思えないようないびつな事態が、現に、この世界で進行しているのですね。ピケティの問題提起の大きさを再認識する思いです。