ブルターニュの歌姫ノルウェン・ルロワに魅せられて (美津島明)
マイク・オールドフィールドというミュージシャンをご存じでしょうか。私が高校のときのことだから、一九七三年だったと思いますが、『エクソシスト』というオカルト映画が話題になりました。それのテーマ音楽として採用されたのが、マイク・オールドフィールド作『チューブラ・ベルズ』の導入部でした。
同アルバムは、当時若干二十歳(はたち)のマイク・オールドフィールドが、ひとりで作り上げてしまった壮大なロック・シンフォニーで、いまでも、いわゆるプログレッシヴ・ロックの歴史的名盤とされています。
そのマイク・オールドフィールドが、1983年のアルバム『クライシス』収録の「ムーン・ライト・シャドー」を同年にシングル・カットし、それが大ヒットしました。歌詞は殺された恋人にいつか天国で会えることを祈るという内容で、癒し系のとてもいい曲です。歌はマギー・ライリーが担当していて、その甘酸っぱいヴォーカルが、ポップな曲調に哀切感を織り込んでいます。とても好きな曲なんですね。
昨日youtubeサーフィンをやっていて、この懐かしい曲を、ノルウェン・ルロワ(Nolwenn Leroy)というフランスの若手の女性シンガーがカヴァーしているのを目にしたのです。お聴きください。
Nolwenn Leroy, Moonlight Shadow, France 2 [HD 1080p]
「大輪の華が咲いたような」という形容詞節はこの女性のためにあるのではないか、などという大げさな言い方をしてしまいたいほどに、私は、この女性の歌う身体像に魅せられてしまったのです。いやぁ、ほれぼれします。むろん自然体を大切にしている趣きの歌声や曲作りのセンスも申し分ありません。こういう歌手の存在をこれまで知らなかったのは不覚でした。
彼女がカヴァーしているマイク・オールドフィールドの曲はこれだけではありませんでした。1996年にリリースされた『Voyager』収録の「woman of Ireland」も歌っているのです。原曲は、ギターとバグパイプをフィーチャーしたインストルメンタル・ナンバーです。この曲も、昔よく聴いたものです。この曲の持ち味である、哀切感と倦怠感に満ちた情緒をしっかりとつかまえた歌いぶりになっています。
Nolwenn Leroy - Mna Na H-Eireann - Musiques en fete - France 3
そうやって聴くうちに、「この女性、タダモノではない。なにか、背景がありそうだ」と思うようになり、いろいろと検索してみたところ、Wikipediaに次のようにありました。
フランスの北西部ブルターニュ地域圏フィニステール県にあるサン=ルナンで、ブルトン人の家庭にて生まれた。
ブルトン人とは、どういう存在なのでしょうか。
ブルトン人は、フランス、ブルターニュ地方に主として暮らすケルト系民族のこと。彼らの先祖は4世紀から6世紀にかけてグレートブリテン島南西部から移住してきたブリトン人である。ブルターニュという地名は彼らにちなんでおり、一部の人々は今もケルト語系のブルトン語(最近はブレイス語と呼ばれる)を話している。
要するに彼女には、ケルト民族の血が流れているのです。そういう背景を頭に入れたうえで、彼女の次のような歌をいくつか聴いてみるのも一興ではないでしょうか。
そういえば、マイク・オールドフィールドの母はアイルランド人でした。彼は、酒乱癖のある母親への複雑な思いにこだわり続けることを通じて、アイルランドやケルト文化に関わり続けてきたといっていいでしょう。そのことに、ノルウェン・ルロワはおのずと反応したのではないでしょうか。
Nolwenn Leroy - Clip "Tri Martolod"
Nolwenn Leroy - La Jument De Michao
Nolwenn Leroy - Juste Pour Me Souvenir
マイク・オールドフィールドというミュージシャンをご存じでしょうか。私が高校のときのことだから、一九七三年だったと思いますが、『エクソシスト』というオカルト映画が話題になりました。それのテーマ音楽として採用されたのが、マイク・オールドフィールド作『チューブラ・ベルズ』の導入部でした。
同アルバムは、当時若干二十歳(はたち)のマイク・オールドフィールドが、ひとりで作り上げてしまった壮大なロック・シンフォニーで、いまでも、いわゆるプログレッシヴ・ロックの歴史的名盤とされています。
そのマイク・オールドフィールドが、1983年のアルバム『クライシス』収録の「ムーン・ライト・シャドー」を同年にシングル・カットし、それが大ヒットしました。歌詞は殺された恋人にいつか天国で会えることを祈るという内容で、癒し系のとてもいい曲です。歌はマギー・ライリーが担当していて、その甘酸っぱいヴォーカルが、ポップな曲調に哀切感を織り込んでいます。とても好きな曲なんですね。
昨日youtubeサーフィンをやっていて、この懐かしい曲を、ノルウェン・ルロワ(Nolwenn Leroy)というフランスの若手の女性シンガーがカヴァーしているのを目にしたのです。お聴きください。
Nolwenn Leroy, Moonlight Shadow, France 2 [HD 1080p]
「大輪の華が咲いたような」という形容詞節はこの女性のためにあるのではないか、などという大げさな言い方をしてしまいたいほどに、私は、この女性の歌う身体像に魅せられてしまったのです。いやぁ、ほれぼれします。むろん自然体を大切にしている趣きの歌声や曲作りのセンスも申し分ありません。こういう歌手の存在をこれまで知らなかったのは不覚でした。
彼女がカヴァーしているマイク・オールドフィールドの曲はこれだけではありませんでした。1996年にリリースされた『Voyager』収録の「woman of Ireland」も歌っているのです。原曲は、ギターとバグパイプをフィーチャーしたインストルメンタル・ナンバーです。この曲も、昔よく聴いたものです。この曲の持ち味である、哀切感と倦怠感に満ちた情緒をしっかりとつかまえた歌いぶりになっています。
Nolwenn Leroy - Mna Na H-Eireann - Musiques en fete - France 3
そうやって聴くうちに、「この女性、タダモノではない。なにか、背景がありそうだ」と思うようになり、いろいろと検索してみたところ、Wikipediaに次のようにありました。
フランスの北西部ブルターニュ地域圏フィニステール県にあるサン=ルナンで、ブルトン人の家庭にて生まれた。
ブルトン人とは、どういう存在なのでしょうか。
ブルトン人は、フランス、ブルターニュ地方に主として暮らすケルト系民族のこと。彼らの先祖は4世紀から6世紀にかけてグレートブリテン島南西部から移住してきたブリトン人である。ブルターニュという地名は彼らにちなんでおり、一部の人々は今もケルト語系のブルトン語(最近はブレイス語と呼ばれる)を話している。
要するに彼女には、ケルト民族の血が流れているのです。そういう背景を頭に入れたうえで、彼女の次のような歌をいくつか聴いてみるのも一興ではないでしょうか。
そういえば、マイク・オールドフィールドの母はアイルランド人でした。彼は、酒乱癖のある母親への複雑な思いにこだわり続けることを通じて、アイルランドやケルト文化に関わり続けてきたといっていいでしょう。そのことに、ノルウェン・ルロワはおのずと反応したのではないでしょうか。
Nolwenn Leroy - Clip "Tri Martolod"
Nolwenn Leroy - La Jument De Michao
Nolwenn Leroy - Juste Pour Me Souvenir
私はほんの5日前くらいにこのルロワさんをyou tubeのオススメで発見しました。なぜオススメで上がってきたのか謎ですが、まずは画像のルロワさんのルックスがタイプだったのです。若い頃のソフィーマルソーを思わせるというか、自分の思うフランス人美女の典型なんですね。ほかにはイザベルアジャーニやリュディヴィーヌサニエも好きです。
それで、曲を聴いてみたところ、また、大好物のアイリッシュトラッドを思わせるフレンチポップで、あとはいろんな曲をこの数日間聴き続けました。
そうすると、かなり以前の曲は普通のフレンチポップで後期の曲がご指摘のブルトン人の背景を思わせる曲なんだと気づきました。名声を得て、ホントにやりたい音楽を追求したんだろうと。
本人のサイトを見たら定期的にライブをやっているようなので、叶うならば、フランスで聴いてみたいものです。
久しぶりにいい歌手を探し出して、ここ数日は気分よくしてます。
ブログも大変参考になりました。
ありがとうございました。
私もルロワさんを「発見」したときは、しばらくの間うれしくってしょうがありませんでした。
大人の女性の上品なお色気がなんとも魅力的ですね。それと、通奏低音が効いたナチュラル・ヴォイスもすてきですね。おっしゃること、あれもこれもよくわかります。「若いころのソフィー・マルソー」は、言いえて妙です。
「友、遠方より来る。また楽しからずや」の思いです。同好の士との会話は、わくわくしてなんともいえません。