行雲流水の如くに

日韓の対立は宿命なのか?--兄弟喧嘩を克服するためには

複雑系脳科学の権威中田力氏によると、日本人と韓国人の染色体に有意の差は認められない、という。

要するにどちらが兄か弟かはさておくとして、兄弟関係にあるということだ。

逆にそんな関係だから対立を始めると始末に負えない。

 

日本と韓国が独自の道を歩み始めたのは、663年の白村江の戦いあたりからと言われている。

(百済支援のための日本の遠征軍が唐・新羅の軍と戦い大敗した)

日本の文化は無限小世界へと向かう。それに陶酔感を見出すのだ。

パチンコという文化がかくも日本で盛んなのは、いわゆる日本的孤独主義のたまもの

その趣向を洗練させたものが日本文化を代表する茶道で、この瞬間のこの時点だけを意識する一期一会は日本的実存主義と言えるものです。

(漢陽大学校名誉教授金容雲1927~2020)

確かにパチンコの経験のある人は分かるだろうが、遊戯中は無の境地に近いものがある。

コロナ過だからパチンコをというのも分からないでもない。

 

一方の朝鮮半島は歴史上外部の侵略を何度も受け、統計で見ると3年に1度だという。

このような歴史の中で、抵抗精神と時期を待つ知恵を培ってきた。

どうにも行き詰った時に沸き起こる生への執着、どうしようもなくいたたまれない心理が「恨」(ハン)なのだ

日本は逆に外部からの侵略は殆どなく、そのかわり自然災害が頻発した。

そこで生まれたのが「あっさり」、すべて運命のためだとして、素直に現実を受け入れる。

 

この文化的な違いは大きい。

お互いが理解できないくらいの差があるのではなかろうか。

 

1927年東京に生まれ日本文化をよく知る金容雲は次のように述べる。

真の日韓理解の道は両者の原型を知ることから始まると信じています。歴史が不条理なものであるのは、個人の存在と同様です。普遍的な歴史の価値というものなどはなく、実際にどこまで歴史を遡れるのか、その基準も曖昧です。

日韓外交の最善の在り方は、問題提起される度にその本質を見極めることにあります。

現実に生きている人々が、一期一会の精神で相手の原型に誠と敬をもって立ち向かうしか、道はありません。

 

現在の日韓関係は戦後最悪とも言われている。

このしこりを解きほぐすのは、お互いが真摯に話し合いを続けることによってしか見いだせないだろう。

時の政権のキャパシティに任せておくのではなく、国民同士が相互の理解を深めることが必要だ。

 

      白い雲、流れる水、共に悠々


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