横浜市長選は菅首相がなりふり構わず支援した小此木八郎候補が惨敗。
野党(立民・国民・共産・社民)などが推した山中竹春候補が圧勝した。
こういうのを「地滑り的勝利」というのだろう。
選挙において横浜市民の感情が対象に大きく傾いた時(IR反対、コロナ収束させよ)、そのエネルギーが大きなうねりになって山中候補に収れんした。
もっと端的に言えば、IRを推進しコロナ対策に失敗した菅首相にNOを突き付けたということだ。
自民党が正常な感覚を持っているのであれば、国会をすぐ開き与野党一致のコロナ対策案を話し合うことだが。
しかしこのところの動きは国会を無視して党内政局(自民党総裁選)に走り出した。
いまさら高市がどうした、下村がどうしたと騒いでもコロナは収まらない。
ここで新しい総裁を選んでも次期衆院選は大敗する。
派閥領袖はそれを読んで菅首相でとりあえず闘い、その先の政局に備えるつもりだろう。
若手は自分の選挙が心配なので看板を付け替えたいのだが、幹部を突き上げる勇気も意地もないようだ。
しかしここまで国民無視を決め込めば与野党逆転もあり得るだろう。
「自民党のプリンス」と呼ばれた中村喜四郎の自民党的手法による自民党支持層の切り崩しが始まっている。
その手法とはアポなしで自民党に近い団体に乗り込む。
その際「水戸黄門」のように立憲民主党の若手議員を引き連れて全国行脚しているという。
中村のキャッチフレーズは、
「党より人だ。風に頼らずとも勝てる自力を野党議員にもつけさせたいと考える」
この手法はかっての自民党が戦後一貫して築いてきた手法だ。
このようなアリのような戦法は、逆に新鮮に見える。
自民党の支持団体も「自民党一本」に欠けるリスクを計算し始めたようだ。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず 孫子