習近平は中国共産党書記長に就任してすぐ、「強中国夢」という言葉を口にした。
強い中国になるという夢。10年ほど前のことだ。
習近平は2049年、毛沢東が共産主義国家を樹立してからちょうど100年目、その夢が実現するとしている。
そのためには経済力で米国の倍以上になれば軍事力でも勝てると考えているのだ。
この中国の野望にいち早く気付いたのが、アメリカ国防総省の顧問マイケル・ピルズベリーだ。
著書「China2049」に詳しい。
かって中国は「韜光養晦」(とうこうようかい)、野心を隠して古い覇権を油断させ相手を倒す方針を取っていたが、習近平はもう野心を隠さなくなった。
しかしアメリカは気付くのが遅すぎた。中国は巨大なモンスターになっていた。
トランプ大統領が高率の関税をかけたのだが、米中の貿易量は減るどころか増えている。
もはや米中の経済は深く結びついて切り離せない。
デカップリングなど無理なのだ。
中国を抑えるために考えられる手は、先端半導体を中国に渡さない。
それともう一つは台湾海峡で危機を煽ってこの地域に戦争を起こすことだろうか?
ロシアがウクライナに侵攻して自らの体力を削っているように、中国に台湾を攻めさせて中国の力をそぐことは十分考えられる。
この際、日本は慎重に動いた方が良い。
動き方を間違えると日本の国土が戦場になる。
そうならないためにどうすべきか、
「戦争は絶対にしない、させない覚悟」が問われるのだ。