小林製薬の「紅麹」が大問題になっている。
当初は狭い範囲で収束するのかと思われたが、「機能性表示食品」ということから影響する範囲が拡大した。
他の食品に添加されていたのだ。
この「機能性表示食品」というのがくせ者で、コレステロールを下げるなどと表示され,宣伝されるとあたかも「薬」かと思いこむ。
このような紛らわしい扱いは当初の制度設計に問題があった。
「機能性表示食品」は、安倍政権の成長戦略の一環として2015年に開始された。
「規制緩和」という魔法のような呪文を唱えて、ゆるゆるの制度設計だった。
企業の責任で機能性を表示。
消費者庁への届け出だけで、食品ごとの審査が無い。
要するに安全性は企業任せだったのだ。
国が審査し、食品ごとに消費者庁が許可する「特定保健食品」は、国のお墨付きがある。
しかしそれだけ審査も厳しいし、時間もかかる。
物事は安易に流れるものだ。企業は「機能性表示食品」に注力する。
テレビをつければコマーシャルはこればっかりだ。
今回のケースは起こるべくして起こったと言えよう。