たたき上げ人間がえてして陥りやす罠がある。
「自分は一生懸命頑張ってきた、だから今がある」という,勝てば官軍思想だ。
弱者に目が行き届かない。
この数か月で菅義偉の実像がはっきりしてきた。
かなり自説に固執する。よく言えば「ぶれない」、別の言葉で言えば「頑迷固陋」
NO2の時は、そのコアの部分は表に出せない。しかしNO1になるともろに出てくる。
①コロナ感染が拡大しているのに「GOTOトラベル」を中止できない
②75歳以上の医療費窓口負担を2割に引き上げる制度改革で、引き上げに固執している。
(今のところ公明党は年収240万円以上を主張し、与党内まとまらず)
75歳以上の医療費窓口負担は、一部の現役並み収入がある人(3割負担)を除いて1割負担だ。
菅首相は年収170万円以上(約520万人)から2割負担にすべきと主張しているという。
要するに団塊の世代がまもなく75歳になり医療費がどんどん上昇する。
だから今のうちに負担を上げようということだ。
もし引き上げなければ現役世代に負担がまわるというのも理由になる。
しかしどうだろう。高齢者で年収170万円というレベルでまともな生活が出来るのだろうか?
しかもかかるのは医療費だ。
このような社会保障の増大をカバーするために昨年10月に消費税を上げたのではなかったのか?
この引き上げで年間1000億円程度窓口負担が増えるという。しかしコロナ過の最中に大騒ぎすることでもあるまい。
菅義偉の頭の中は、竹中平蔵とデービッド・アトキンソンの「生産性第一」の思想に侵されているようだ。
本来なら自民党の「厚生族」あたりから反撃の狼煙が上がるのだが、解散総選挙をちらつかされて「借りてきたネコ」状態。
自民党には、タカもハトもいなくなったようだ。いるのはさまよえる羊か猫だけか。
自民党が頼りなければ、野党はもっと反対の声を上げて代案を示せ!