五木寛之が1967年に書いた小説に「青年は荒野を目指す」がある。
青年は荒涼たる世界を歩み始める、という意味で言えばその通りだろう。
不安と希望をもって歩くわけだ。
しかし老人も(私は75歳くらいからだと思うが)幽玄の世界に足を踏み入れる。
それは希望と絶望が行ったり来たりする不思議な世界だ。
人生は努力すれば必ずうまくいくというものでもない。
しからば何もせずにボーツとしていれば良いかというとそうでもない。
五木寛之は次のように述べる、
うまくいかなかったら、自分は努力したが、他力が働かなかったから結果は出なかった、これはもう仕方がないこととして自分を責めない。
逆にうまくいったときは、様々に働いた他力に感謝する。
2006,6,20 石狩浜のハマナス
よく見れば なずな花咲く 垣根かな 松尾芭蕉
なずなはぺんぺん草のことで雑草扱いだが、人が見ておろうがおるまいが、咲くべき時が来たら全力で咲いている。
芭蕉はその健気さに感動したのだろう。
この冬は大雪に見舞われて大変だったが、雪解けが進んだ4月上旬には花木の芽吹きが見られることだろう。
2021,4,1クロッカス