《 空想から科学へ 》 奧菜主義革命~ 革命的奥菜主義者同盟非公然ブログ

奥菜恵さんは、精神と肉体の両方から無駄なものをすべて削ぎ落とし、必死に舞台に立っていた

5月10日ベニサン・ビット楽屋裏階段にて『失われた時間を求めて』終演30秒後

2008年06月04日 21時11分54秒 | Weblog
シアターガイド7月号「劇顔-GEKI-GAN 110」における
奥菜恵同志の発言大要は以下の通り。

 阿佐ヶ谷スパイダース:長塚圭史の新作は時間や場所、登場人物や物語の背景すら説明しない芝居。演者も長塚と中山祐一朗、伊達暁、劇団員の三人だけである。そこに加わる唯一の客演女優として、白羽の矢を立てられたのが奥菜恵だ。役名は「女」

「一年近く仕事を休んだ後の最初の舞台なので、もっと緊張や不安を感じるかと思っていたら、稽古にも不思議とすんなり入れたんです。長塚さん、伊達さんと05年に三人芝居『胎内』で共演させていただいたせいか、むしろ安心感を感じていたくらい。作品も抽象的ではあるけれど、一人の人間の心の中を描いているのかな、と自分なりにイメージできたし、見えない部分、わからない部分を埋めていく作業がむしろ楽しかった。本番中の今も毎回、役の気持ちや言葉の感じ方が変わり、発見が増えていくんです。」

 『胎内』が演技に対しての認識を変えた、と振り返る。

「塹壕に閉じ込められ飢餓状態になる男女を描いた戯曲で、演じる私も、普段の感覚とはまるで違い、精神と肉体の両方から無駄なものをすべて削ぎ落とし、必死に舞台に立っていたんです。うまく言えないけれど・・・・・・役を生きるということを、魂のようなものが震えるほど実感したとでも言うか。この作品も、設定はまったく違いますが『胎内』と同じような感覚があるのがとても嬉しくて」

 休養中はダンス・レッスンや旅など「好きなこと」をしていたにもかかわらず、とても長く感じたのだとか。

「でもあの一年があったから、舞台に立てることがいかに贅沢でありがたいかを感じられる。一言のせりふ、瞬間の感情をもっともっと大切にしたいと思える。恵まれている、幸せですよね、私」