(1985年)『ニュースステーション』放送開始
ニュース番組のイメージは、Nステ以前・以降に分けられると思う。
確か放送がスタートする前のCMで、「ニュースを解りやすく伝える」とかなんとか言ってたように記憶するが、その通り、Nステはそれまでのニュース番組にはない、素人にも理解しやすい丁寧な解説が行われた。
なので、はじめの頃は決して悪い印象はなかった。
しかし、ある時期からやたらセンセーショナルな演出を行うようになり、番組がおかしな道を歩むようになる。
映像に煽るようなBGMをあてたり、多面的なアプローチを捨て、兎に角一定の方向に視聴者の意識を持っていこうとする強引な構成を繰り返したり、感情的な判断を優先させたり……。
それは最早ニュースではなくワイドショーである。
元々日本のマスコミの批評性は程度が低かったが、Nステ的番組作りを他局も進めたことで、テレビ界全体の質の低下は決定的となった。
それは今の惨状を見れば明らかだろう。
特に民放で、この番組の報道なら信用出来ると言えるものがひとつでもあるだろうか。
功罪を比べた時、Nステは罪の方が上回ると考える。