川瀬有希の時の旅


「今日は何の日」と題し、過去のその日に起こった出来事を、自由気ままに語るブログです。

10月22日/ 今日は何の日

2012-10-22 00:15:00 | 忌日

(1937年)中原中也死去

その前年(1936・昭和11年)に長男文也が亡くなったのをきっかけに、精神に変調を来たしたと言われる。
そして、結核性脳腫瘍を発病、入院するも脳膜炎を併発し息を引き取った。

多くの詩を遺したが、生前出された詩集は『山羊の歌』のみ。
『在りし日の歌』は没後出版されたもの。
その中に収録されている自分の好きな作品をひとつ紹介したい(ただ全文は長いので冒頭部のみ)。



「春日狂想」より抜粋(作・中原中也)

愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。

愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。

けれどもそれでも、業が深くて、
なほもながらふことともなつたら、

奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。

愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、

もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、

奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。