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川柳風五七五句集(2)
頑爺の自由律 川柳風五七五句集(2)
頑爺2009年〜
⑩
⑩
・読み違い思い込みにて勘違い
・山で逢い図書館で会う帰り道
・物忘れ左右の脳が入り乱れ
・夕食はキムタク茶漬けとこれいかに
・歳ととも脳軽くなりダイエット
・メールきた開けばどうでもいいメール
・悔い残る人生なれど面白き
・距離を取り 影を踏まずに生きている
・老い楽を心の中で想像し
・カメレオン 色を変え変え古希を過ぎ

⑪
・琴線にふれた感動糸切れし
・出た杭が唯一残って今があり
・ゴミの日に出されまいかと外を見る
・老後には自分で介護本を読む
・老いメガネ 近老乱視ウロコ付き
・老後にと貯めたお金はいつ使う
・グチこぼしご飯こぼして歳こぼす
・枯れススキ 花を咲かせた頃もある
・よっこらしょ溜息ついてどっこいしょ
・朝起きてしわシミたるみの顔を見る

⑫
・相合傘 惚れて歩いて濡れたいな
・惚れ惚気もうすぐ俺は惚けのよう
・爺ジイでもチラリ乳房に目が釘づけ
・パソコンが壊れ使えず五感冴え
・無人島 ならばしないな見栄をはる
・この日記 見てくれること期待して
・ジジ臭い 爺服を着て鏡見る
・今日も又 過去反省の本を見る
・引退後 時間タップリ 持て余す
・リモコンでお茶を頼むと独りごと
・呆け恐し アレコレ本音 出るらしい
・また忘れ 忘れたことをまた忘れ
・この薬 なにに効くのか聴き忘れ
・オレのボケ オレオレサギも振り向かず
・欲減らし生きる欲さえ無くしかね
・混浴で箕面の足湯 ほっこりと

⑬
・グチこぼしついでにご飯こぼし過ぎ
・気躓き 生きてる証とケセラセラ
・皺だらけ頭の上はテカテカぞ
・珈琲と昔話が至福なり
・サユリスト 共に年輪味わいて
・風呂上りしばし体形鏡見る
・考えは変わるものだな過去日記
・薄髪を 右へ左へ助け合い
・毛嫌いは髪が無くとも同じだと
・古希過ぎりゃ 突然異変 当たり前

⑭
・大吉を引いて一枚クジを買う
・このたるみ満腹なればぴんと張る
・上手なら謙遜しなくていいのにな
・ウロウロと何を探していたのかな
・誕生日 昔は祝ってくれたのに
・満月が歪んで見える老化かな
・一枚を買って夢描く宝くじ
・頑固爺 自分じゃ素朴とすまし顔
・まだ男 残った髪は貴重品
・老人会 案内ハガキすぐ捨てる
⑮
・どの科でも老化と言われ医師不信
・グータラを鬱と間違い診てもらう
・免返納 これで加害者ならずすむ
・老夫婦 居るいなくても大我なし
・エンディングノートに書かず好きにして
・死亡欄 今日も年下ばかりなり
・脳のしわ顔の皺とは反比例
・ルノアール子供の頃にみた風呂場
・山歩きスランプ時はカンフル剤
・健康誌 ほんまかいなと立ち読みす

⑯
・自分史は後悔のみで進まない
・どっこいしょ 隣の人と声が合う
・欲や見栄 枯れて荒野を駆け巡る
・残尿感 後ろ気になるトイレかな
・孫すごい爺に似ずしてよかったな
・散骨は 泳げないから山にして
・メカ音痴 トリセツ見てもチンプンカン
・スイトンを知ってる顔にひもじさが
・蚊帳を今 知ってる顔に笑顔あり
・ナツメロに昔の美人思い出し
⑰
・一円で 飴二個買えた店あった
・金払いオレの買ったものどこ行った
・割引券 出したがそれは期限切れ
・飛び乗れば周りは全て女性のみ
・髭剃り中 咳出かかって我慢する
・図書館でつられ皆で欠伸(あくび)する
・描いた絵は 写真に撮って皆に見せ
・描いた絵を一度は家に飾りたい
・抽象画 書いたつもりで心見せ
・婆さんら喋り夢中で道ふさぐ

⑱
・なんとまあ還暦古希すぎ次喜寿と
・還暦で貰った赤シャツ古希で着る
・錆びてきた どうにもならん頭ネジ
・自炊食そろそろロボット頼みます
・欲無くせ さんざん言われボケとなる
・枯れ時はあがいてみてもそれが旬
・よく見れば猿もクションと目に涙
・老い加減 春の日差しに酔いかげん
・感激に夕陽見続け眼科いく
・幸せは鳥のさえずり聴ける朝
・け躓きよろける姿 老いを知る

川柳風五七五句集(3)
頑爺の自由律 川柳風五七五句集
頑爺2010〜
⑲
・故郷は縁者が減って遠くなり
・老の日々ローテーションかマンネリか
・段取りをいつも崩されストレスに
・夜目覚め 一句捻って朝忘れ
・バイキング 割引されて老いをスネ
・ウサギよりカメが御贔屓 歳と共
・老い楽の恋などあると思えない
・半額だ食べる予定を変えてみる
・試食品 人の見ぬ間に食べてみる
・リハビリと言われつづけた山歩き
⑳
・認知症なってやるぞと喧嘩ごし
・音痴でも歌う演歌はこぶし付き
・何よりも避けたい病 認知症
・油切れ 体の節々きしみがち
・大都会「駐禁」読めぬ日本人
・何かやる 何かやらかす人もいて
・旬の人 旬を過ぎればただの人
・シーフード接待先はタコ焼き屋
・嫌な奴 遠回りして鉢合わせ
・子作りをしたが子育てままならず
・死にたいわ 元気な時の言う言葉
・警察官 犬に吠えられ狼狽える
・ハックション山のこだまに花粉かな

㉑
・三つ指を付いて迎える妻の夢
・金払い愚痴をわんさか吐きだして
・その電話なぜに2階へ上がるのか
・大笑い金歯晒(さら)すな眩しいぞ
・人逝けば貸した金など香典に
・この人に言えばその内知れ渡る
・負け戦 いつもその後いい知恵が
・商売人 売る時 買う時 人変わる
・ロボットに教えた人が勘違い
・棚ぼたは落ちるぼた餅ありてこそ
㉒
・お迎えが来たという爺デイケアへ
・ハゲ頭 寒暖計の代わりする
・祝宴に辛多かれと寄せ書きが
・天国もムショも同じか人の業
・自由とは持て余したり夢見たり
・老い友に日々老い加減笑い合い
・信号でタクシー止まり手を下げる
・家具売り場 イビキ聞こえる昼下がり
・ケイタイにどなたですかと聞かれてる
・ケイタイにでたら声聞きすぐ切れる

㉓
・老人に違いはないがある格差
・心斎橋 ここは異国か多国籍
・運動会 娘出番後 暇になり
・加齢臭 タブリーズかけ出かけます
・老いてなお男のつもり髪直す
・尻の下 心地のよさも重すぎる
・雨降れば 洗車代わりと車出し
・ウオーキング 人気ない夜は怖くない
・不合格だったからこそ今日がある
・どんぶりに指つっこんでおいでやす
㉔
・好物は金と応えるお爺さん
・縁側で舟を漕いでて沈没す
・100均で買った香りでモテるとは
・毛生え薬 勧めた人を見てやめる
・絵馬みればピンコロ希望と筆文字で
・甘言に欲がチョッピリ動き出す
・春一番スカートめくり楽しそう
・お金より いい遺伝子が欲しかった
・老人会 ジジババばかりだと嘆く人
・取り合えず寝たふりをして寝てしまう
・何年も薬をつけて丸坊主
・ホトケさま 腹の中では何思う
・願い事 多すぎたかな流れ星
・金歯見せ 茶髪と張り合うジジイかな
・また一年もう一年と年を取り
・トリセツの細かい文字ほど怪しいな

㉕
・冗長の校長話しにあくびっ子
・二日酔いタバスコ珈琲飛び上がる
・駅前の足湯はいつも混浴で
・100歳が老後の為と金貯める
・老い姿 ジイかバアか分からない
・渋滞によく見りゃ婆さん話し込み
・人構わずお喋り婆さん道ふさぐ
・よく見れば熟女と婆さん紙一重
・呆け爺にポスター美人ウインクし
・老い楽の恋のドラマに目耳立て
㉖
・あの爺さん信号赤で堂々と
・ジジババがお手て繋いで交差点
・足湯場で混浴じゃわとはしゃぐ爺
・爺さんは金も残さず婆残す
・拡散は誰にも言うな貴方だけ
・CMの化粧品手に婆微笑む
・俺宛ての手紙来たのは五年前
・今更とお洒落楽しむ金惜しい
・店名につられ入ったジャズ喫茶
・恋の手で介護の手取り握ります
・鳩を追う犬につられて爺走る
・怖いチャリ これも車と変わりない
・春が来た また生きようと習い事
・自炊食カレーばかりでインド人
・大笑い入れ歯飛び出し苦笑い

*写真は全て千里南公園の散歩道から