7月30日(日) 26/36℃
川柳風五七五句集(6)
頑爺の自由律 川柳風五七五句集(6)
頑爺2013〜
㊻
・希望持ち 描いた夢は今も夢
・これ以上イジメるのならボケてやる
・足腰を鍛えてボケりゃ徘徊す
・家居れば うっとうしいと山歩き
・人の文字 支え合うのと違うのか
・免返し 買い物両手に人力車
・期限切れ でも安ければガマンする
・健康誌 読んで気にするその場だけ
・TV消し することなくてもう寝るか
・呆けたなら 奇人変人治るかも
㊼
・ジャンボくじ 1枚買って夢を追う
・貯めたとて あの世へ行けば国のもの
・家の中言わざる聞かざるそれ一番
・サユリスト同じ歳とて老いを知る
・街歩きトイレ近くて西東
・山帰りシルバー券にてバスに乗る
・あの場所も漢字も忘れ五七五
・空気読め 読んだつもりが読み違い
・求職欄 眺め次の世夢を見る
・高血圧 山を歩けば正常値
㊽
・躓(つまづ)きは 家で多い山でなし
・時世の句 書いては消してまだ早い
・お~いお茶 呼べば出てくる夢をみた
・鬱(うつ)な雨 君の瞳に雨宿り
・レシピ見て 作った料理なぜ不味い
・ケイタイの進歩について行く気なし
・天国の 日帰りツアーないものか
・老い楽の恋と思えば不整脈
・掌(てのひら)に 転がされつつ籠の鳥
・どうせなら美しく咲くボケの花
㊽
・新聞をゆっくり読める一人朝
・段取りを自ら崩す自由の日
・夜更かしもすぐ眠くなりいつもごと
・冬脂肪もうしばらくは居座ると
・あの名前 思い出すのに三日間
・頼まれてメモったつもり書き忘れ
・大笑い腹を抱えて咳込んで
・磨けども珈琲紅茶お歯黒に
・大笑い つられ笑いに憂さも飛ぶ
・冬布団 蹴飛ばし何処へ行ったやら
㊾
・教室は画家の気分で筆をもつ
・妖艶な放漫裸婦は肥満気味
・念の為 捨てる本見てまた戻す
・不都合は 聞いて聞かないボケの真似
・戸惑いてシニア割引行使せず
・心地よい便座温か長居する
・映画見て涙流すはいつもオレ
・黄昏に出会う女性はみな綺麗
・芋爺も太陽浴びて干し芋に
・週刊誌 見出しにつられ立ち読みす
㊿
・ヘソクリは 金利もつかず虫がつく
・地下街の人込みに入りゴミになる
・図書館は種類の違うイビキあり
・公園の老人仕草よく似てる
・老い年に段差危ない格差より
・過去話し 都合に寄りて編集す
・美肌の湯 千と千尋の湯の模様
・手を繋(つな)ぐ老夫婦居て介護だと
・食べ放題 元がとれぬと行くのやめ
・白寿にて老後の為と蓄える
川柳風五七五句集(7)
頑爺の自由律 川柳風五七五句集
頑爺2014〜
(51)
・あの世には 親戚縁者多くなり
・自分史は粉飾だらけ誰も見ず
・煩悩が いったりきたりほどの酒
・古亭主 古女房と人に言い
・口福(幸福)と言う言葉知り歯を磨く
・節約をしすぎ遺産は税と消え
・ラジオから讃美歌流れ母想う
・この皺は母にそっくり鏡ごし
・風呂癒し心の疲れ洗いだす
・浮かんだ句 メモする間にもう忘れ
(52)
・思いやりオレにも欲しい予算分け
・餃子食べ 旨い満足あと気遣い
・大掃除 捨てる本見て夜が更ける
・忘れてた 今何していたかもう忘れ
・我が髪は冬の彼方となりにけり
・やり出した本の整理が終わらない
・好々爺 日向ぼっこで年が暮れ
・菜の花の黄色の春に夢があり
・山の中 猫一匹に後ずさり
・春嵐 のち冬嵐とはこれいかに
(53)
・初夏のどかキジも鳴かずば撮られまい
・好きな冬過ぎて花粉の季節なり
・口笛を早やウグイスと似せて吹く
・春風に 髪数本が抜けていく
・突然に森が騒いで鹿駆ける
・大クシャミ 森を飛び立つ鳥の群れ
・キラキラと山から望む春の海
・山歩き挨拶交わす山の道
・早春に香り千里と梅の花
・鬼は外 福は炬燵(こたつ)で丸くなる
(54)
・コマーシャル 昼夜流して利益あり
・七人の爺が集いてG―セブン
・マニュアルで話す店員ロボットか
・難民を過疎地受け入れ農育て
・原発を無くし水車で町おこし
・葉野菜も工場電球下育ち
・スマホ手に 何を探すか子供達
・スーパーの野菜売り場は旬不明
・少子化の対策一つ大停電
・庭を掃く箒にちょっと乗ってみる
(55)
・裸だが品位を保つ大相撲
・貧富の差 風呂に入れば皆同じ
・自転車も車がついて凶器なり
・缶コーヒー曳き立てブランド選び買う
・ピンキリの大学出ても学士さま
・健康法 信じたものの違ってた
・不景気か 賽銭箱に札がない
・政治とはキツネとタヌキの化かし合い
・参院選 新党次々混ぜご飯
・マニフェスト 鼻紙にもならぬ不用品
(56)
・腹の立つ政治評論 無責任
・暴れ雨 梅雨の風情をぶち壊す
・生ワサビ 呆けの頭に効きそうだ
・噂立て したり顔するリポーター
・聖戦は神と神とのぶつかりか
・両国はいつしか万国大相撲
・春嵐 散りし残葉はどこへ行く
・今日も又 バカ芸人の裸見る
・抽象画 さすが天才幼児の絵
・作品展 誉め誉められて和気あいあい
・絵画展 裸婦画の前は人気なり
・犯人は俳優配置でまるわかり
・玉の輿 別れて見ればゲス極み
・見た後でくだらんTV 時返せ
・想い出は心に留め物捨てる
・夜は明ける それを信じて目を閉じる
・マイナンバー人間様も棚卸
(57)
・もう少し緩めて欲しい鵜飼い糸
・自由とは束縛の中 発見す
・ヘタ絵でもいつか化けるかピカソ絵に
・若いです年輪顔に現れず
・宝くじ当選券を破る夢
・よく見れば釣った魚は鯰(なまず)かな
・濡れ落ち葉 乾かす間待ってくれ
・幸せだ 無理して言うと辛くなる
・不器用で ゴミ分別も不作法で
・就活は旨そうだからそれをくれ
・絵を描けば 性格丸出し いと可笑し
・グータラは性格でなし直るとか
・オバタリアン蝉より賑やか夏の森
*写真は全て神戸市立森林植物園内の散策路から 自然学校の仲間の皆さんと共に