こんにちは。スタッフの岩崎まさえです。
『東北ふしぎ物語』では、青森の「消えた人々~三内丸山遺跡」を書きました。
縄文遺跡で知られる三内丸山遺跡を初めて訪ねたのは、十数年前のことです。
人が暮らした痕跡を一つ一つ巡りながら、ボランティアの方は熱心に案内してくれました。
広い敷地を巡り終わったときです。
「どうして人々はここから、いなくなってしまったんでしょう……」
ポツリとボランティアの方がつぶやかれたのです。
遺跡には戦いや伝染病で、多くの人が亡くなったという痕跡はありません。
豊かな暮らしが出来ていた村から、とつぜん人々が消えていたのです。
とてもふしぎに思いました。
その事をこの物語に書きました。
現在はその理由の一つとして、気象変動がおこり、栗などの作物が実らなくなって、
集団で暮らすことが出来なくなったのでは、という説があります。
今年は猛暑日が続く、とても暑い夏でした。
そして線状降水帯が次々と発生し、各地で大きな水害が起こっています。
この異常気象に、これからの私たちの暮らしはどうなるのだろうと、
不安を覚えた方も多かったのではないでしょうか。
私も三内丸山の村から、消えていった人々のことを考えていました。
(岩崎まさえ)