みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

東北こわい物語挿画のこと おしのともこ

2025-01-08 | 日記

こんにちは!みちのく童話会 会員のおしのともこです。

今回は『東北こわい物語』の挿画について。

イラストラフと合わせて制作秘話をお話しますね!

今まで「こわい絵」を描いたことがなく、挑戦でした。

 

 

「縛り地蔵」佐々木ひとみ

主人公 拓斗の顔。最後まで迷いながら描きました。

いわゆる「いい子」である彼と、心の奥にいる本音の部分の彼。

ラフの拓斗と、実際に完成した拓斗の表情がずいぶん変わりました。

 

「マヨイガの贈りもの」ちばるりこ


このお話の主人公紫が、ラスト「まさか!」という展開になります。

その瞬間の表情を描きたいと思いました。

けれどその部分は読者に想像してもらった方が

より物語に広がりがでるかも…と、あえてこのラフはボツにしました。

そしてランニングシューズに焦点を当てたイラストに変更。

紫の揺れる内面を表すために髪型も修正。

風に揺れるロングヘアにしてあります。

 

「あの世とこの世」もえぎ桃

こわがりの怜が、思わず叫ぶシーン。

彼の素直さ、まっすぐな想いが伝わってくる、

物語の山場です。

ラストまで読み進め、もう一度読み返したくなる鍵になるシーン。

風車がまだ描き込めてなく、テキトーですね。

 

「ゆがんだ愛の、その先(安達ケ原の鬼婆)」吉田桃子

物語は一冊の本を中心に展開していきます。

その要になる鬼婆の本。

こわいですね〜。

般若のお面を参考にしました。

鬼婆は怖いけれど、そこには深い悲しみと愛情があって

どこか憎みきれない人間らしさを感じます。

 

「スノーモンスター」野泉マヤ

雪山で道を見失うこわさ。

自然へのおそれ。

そのなかでも諦めず、一歩を踏み出す健人のイラストラフ。

やがて方向感覚を失い、途方に暮れる健人のイラストラフ。

「もっと雪を多く、真っ白に。大自然の圧倒的な存在感を出して」

という編集さんのアドバイスを受けて、仕上げました。

 

「黒い石」みどりネコ

主人公 佑香が櫛で髪をとかす。

今よりもっときれいになりたい少女の心と

辰子姫の伝説が引きあう物語のクライマックスシーン。

姉妹の関係って、お互い近い存在だからこそ

羨ましくなったり、反発したり。

このシーンは、「お互いの表情を大きく、対比して見せましょう」

という編集さんのアドバイスで修正。

2人の表情の違いが印象的なイラストになりました。

 

『東北こわい物語』を手にしたら

ぜひイラストラフと見比べてみてください。

本当はもっと何枚もラフがありますが、

今回はその一部を紹介させていただきました!

 

おしのともこ



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