みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

「縛り地蔵」(『東北こわい物語』)佐々木ひとみ

2025-01-06 | 日記

こんにちは。みちのく童話会 会員の佐々木ひとみです。

      

現在発売中の『東北こわい物語』で、「縛り地蔵」(宮城県)というお話を書かせていただきました。

モチーフの〝縛り地蔵〟は、仙台市の広瀬川近くに実際にあるお地蔵さまです。

縄でぐるぐる巻きにされたインパクトのあるお姿を初めて目にした時から、「いつか物語に登場させたい!」とずっと暖めてきたモチーフでした。

このお地蔵さまは地元の方々から「人間のあらゆる苦しみ悩みを取り除いてくれる」と信じられていて、縄で縛って願をかける習わしから〝縛り地蔵尊〟と呼ばれています。体に巻きつけられた縄は、年に一度のご縁日(7月23日)に解かれます。

どれほどインパクトがある姿なのか興味を持たれた方は、本書の31ページに〝縛り地蔵尊〟の写真が掲載されていますので、ぜひご確認ください。

物語では、「勝手に外すと、外した人に縄にこめられた悩みや苦しみが降りかかる」としましたが、その部分は私の創作です。

また、物語には仙台の〝妖(あやかし)スポット〟として、扇坂・行人坂という二つの坂も登場します。こちらも仙台城二の丸跡近くに実際にある場所で、妖しげな伝説も実際に伝わっているものです。

取材のために千貫沢沿いを歩きましたが、湿り気を帯びた重い空気が漂うエリアで、今より圧倒的に闇が濃かった時代、ここを二の丸への登城路として日常的に利用していた侍たちの胆力を思わずにはいられませんでした。

仙台を訪ねる機会がありましたら、物語の舞台を歩いてみていただければ幸甚に存じます。


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