みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

『海よ光れ! 3.11 被災者を励ました学校新聞 』田沢五月(国土社)

2023-02-08 | スタッフ新刊・活動紹介

「海よ光れ! 3.11 被災者を励ました学校新聞」 (国土社)

       

 私の初めてのノンフィクションです。

 お話の舞台は岩手県山田町の大沢小学校。高台にある学校の校庭からは、カキやホタテの養殖いかだを浮かべた波静かな山田湾を見下ろすことができます。

 大沢小学校の自慢は、昭和63年から毎年学習発表会に披露している全校表現劇「海よ光れ」です。昔の大沢の暮らしや、明治の津波、環境保護のことなどが盛り込まれた劇は、地区全体の宝となっていました。

 そしてもう一つの大沢の人たちが誇りに思っているのは、劇にちなんで「海よ光れ」と名付けられた大沢小学校の学校新聞です。内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞していました。

 2011年3月11日、大震災が起こります。津波に襲われた大沢の人たちは大沢小学校に避難しました。地区は孤立し、ケガ人を病院へ運ぶことさえできません。津波火災も発生します。そんな中で家族の安否を心配していた児童は「明日、自分は生きていないかもしれない」とさえ思います。

 それでも、先生たちと地区の大人たちが、自分たち子どもを、必死に守ろうとしてくれてくれるのを感じて、「私たちにもできることがある」と動き出します。

 やがて、大沢のみんなに元気になってもらうための新聞づくりも始まります。

 

 当時の児童だった卒業生のみなさんがくってくれた出版記念「海よ光れ」号外のおまけ付きです。

 ぜひ、お読みください。     田沢五月

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 あと一ヶ月と少しで、ふたたび、3.11がやってきます。

 『海よ光れ!』の冒頭では、海の恵みの中で育つ子ども達の生き生きとした姿が登場します。その後の展開がわかっているため、胸が苦しくなりました。あの地震を乗り越え、今成人した子ども達の姿も、この本は伝えてくれます。ぜひお読みください。

 この本は、第8回子どものための感動ノンフィクション大賞で優良作品を受賞した作品に、加筆、改稿、改題したものです。(お)

 



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