こんにちは~!
みちのく童話賞スタッフ:堀米薫です。
宮城県で農家(和牛、水稲、林業)をしながら、児童文学を書いています。
今回は、専門の「牛」のお話をしますね!
よく、「酪農家」と紹介されるのですが、そんな時は、居心地が悪くて体がもぞもぞしてしまいます。
だって、酪農家とは乳牛の農家なのですから。
我が家は、和牛を飼う「肉牛農家」もしくは「和牛農家」なのです。(きっぱり)
同じ牛でも、乳牛は、足も長く体も大きいのに対し、和牛は、ずんぐりむっくりです。(ヨーロッパ人と日本人みたいでしょ?)
牛の性格矢体質、食べるえさや飼い方も、大きく違います。
乳牛の話は酪農家さんにお任せするとして…。
和牛は、赤身の間に脂の入った「さし」が有名ですよね!(和牛のことになると、つい身を乗り出しちゃいます!)
この脂には、芳香があるうえに、魚の脂に近い(常温でも溶け出しやすい)という特徴があるんですよ。
日本は、ヨーロッパと違って乾草が十分に収穫できる環境ではないので、冬の間和牛に与えられるのは、稲わらしかありませんでした。
がざがさの稲わらを食べて生き残ってきたんですね~!けなげだわ。(でも、わらには納豆菌があるし、胃の中で発酵させるのにはなかなかの優れもの!)
そして、長い歴史の中で、たまたま「さし」が入る遺伝子が残ってきたわけです。
和牛の「さし」は、遺伝子の賜物なのです。(日本の財産なんです!と力説!)
和牛は、3年近く育てて、最終的に肉用に出荷します。
出荷というと、頭の中にドナドナの世界が浮かぶ方も多いかも。
農家になりたてのころは、正直、別れの切なさを感じる時もありました。
でも、和牛農家になって数十年の今は、胸を張って送り出しています。
牛との生活は、正月もお盆休みもありません。
たとえ自分が高熱でふらふらでも、牛の世話を休むことはできないないです。(子育てと一緒ですね)
さらに、牛は体重1トン近くにもなり、人間がちょっと気を緩めれば、すぐさま命の危機に・・。(骨折や打撲も何度もありました~)
牛との3年間は、牛も人も、まさに命がけ。
全力で牛を守り、育てあげてきたという実感があるんです。
だから、牛たちが私たちの命となって生き続けてくれるという誇りとともに、送り出すことができるんですよ。
・・・で、そんな和牛農家の私が、なぜ、児童文学を書いているのか。(全然違う仕事ですよね!)
それは、牛が、さまざまなことを、教えてくれるからです。
さまざまなことって何?!
・・・・それは、ぜひ、私の著書を読んでくださいね!(それかい!)
堀米薫
絵本『ゆうなとスティービー』ポプラ社(堀米薫作・丸山ゆき絵)
::::::::::::::::::::::::
かくゆう、私も、堀米さんのことを、酪農家と紹介してしまったことがあります。反省。『ゆうなとスティービー』とてもいい絵本です。ぜひ、ご覧ください。
あのおいしい和牛、稲わらを食べてるんですね。知らないことが、多すぎる。そして、おいしいお肉、食べたい~。(お)