ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

ヤップ州の衛生的最終処分場の建設-最終回

2012-06-02 12:27:50 | ヤップ州
 ヤップ州の衛生的最終処分場について1~4回にわたり述べてきましたが、再度J-PRISMのChif Adviser及び
専門家より頂いた主な改善案を以下に記載します。
1.
 ・浸出水の魚の骨枝パイプ数は、狭い敷地に比べて多いので2本は省略可能である。(コストダウン、
  メンテナンス効果あり)赤○印から1本は省略可能、枝パイプ両先端は管を曲げて廃棄物層より
  高くして、空気の取り入れを多くする。
  

 ・敷地内の工事中、雨が降ると土砂が洗掘されて浸出水排水管の孔が目詰まりする場合があるので
  敷地地面を土木用不織布で養生する。

 ・グラベルフィルタ-チャネルからの排出は、底部の埋パイプからの放出ではなく高低差の自然フロ-に
  する(詰まり防止)

 ・ピットのコンクリ-ト施工方法は、まず珊瑚石・砂を敷き詰めてからコンクリ-トを流して固める方法に
  したら減使用材料でコストダウン

2.衛生的最終処分場の運営管理について

 ・搬入管理
  ・ゲ-トの開閉時間の設定、管理人の雇用
  ・搬入物量の把握(記録)
  ・搬入物の区分
  ・搬入物の梱包(袋、ドラム管等)
 ・維持管理
  ・覆土(廃棄物層の10~20%、周期等)
  ・発生ガス放出パイプ(Venting Pipes)
 ・モニタリング
  ・浸出水及び地下水の水質(PH,BOD,COD,SS,NO3,SO4,etc)
・発生ガスの把握(CO2,CH4,NH3,N2,H2,H2S etc)
・土壌

 以上より(1~5回)ヤップ州建設予定の衛生的最終処分場の第1段階が(図面作成、予算の確保)出来た  ことは、関係各位のご協力の賜物だと感謝しております。
 来年、再来年(2014年)迄には、この最終処分場が完成し安定した運営管理ができることを期待して
 やみません。完成後には、再度当地を訪れたいと思っています。

 これにて、次の段階はJICA企画調査員、専門家、チ-フアドバアイザ-、FSM大使館及び新SVにバトンを引き 継ぎ、2年間のボランティア活動を終了したいと思います。どうも有難うございました。
                 第22-1次隊 ヤップ州環境保護局へ派遣 寺越 寛