こんにちは。今年も師走へと突入しました。今年の日本は特に寒いとのことですが、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。お互い風邪には十分気を付けていきましょう。
なお、今号は諸般の事情により、10月と11月の合併号とさせていただきます。
1.平成24年10・11月の活動
10月はホーンコレクションも新たなエリアへと拡大。また、JICAの専門家が一カ月間訪れ調査等を行いました。さらに10月からは新会計年度が始まったということもあり、他の目的に使われないうちに(笑)収集車の部品等を確保しようと、取引の調整をしてくれることになっていた日本外交協会と見積もりの依頼を行いました。
そして、私にハプニングが。。。10月末の週末にダイビングを行った際に、耳抜きがうまくいかなかったことが原因で急性中耳炎にかかってしまったのです。このため、仕事にも大きな影響を与えてしまいました。
これまでミーティングを重ねてきたYouth Environmental Summit(青年主体による環境サミット)が11月2日に行われ、多くの人たち(100名以上??)が集まったそうですが、私にも発表の場が与えられていたにも関わらず、参加することすらできず。また、11月7~9日に首都ポンペイで行われたJICAボランティア環境部会も、これまで私が連絡調整を努めてきたにも関わらず中耳炎の炎症により飛行機に乗ることへドクターストップがかかってしまい、残念ながら参加することができませんでした。
このミーティングの場では、「家庭ごみの発生量と組成分析」、「埋立場における搬入量調査」と1年に1回のペースでごみの調査を行ってきたJ-AWAREの第3弾ついて主に話し合いが行われました。私はJICAスタッフ、環境系ボランティアの皆さまの配慮により電話会議という形で参加させていただき、次回は商業系ごみ(事業系ごみ)に関する発生量調査を行うことで話がまとまりました。
急性中耳炎にかかってから、2週間ほど安静にさせていただいたおかげで11月中旬に職場復帰。来年3月に予定されている埋立場およびその周辺の改善工事のための見積もり調査に出かけたり、首都に駐在している日本大使館から来られた参事官にごみ収集車や埋立場の案内を上司とともに行いました。
なお、私と共に活動しているカウンターパートは、11月の1か月間研修を受けに神戸に行っていたために、これらの活動は副局長と行いました。
ちなみに日本への研修では、ごみ処理の実施機関である公共事業局からも8月に一人行っています。
2.イラス村でのホーンコレクション
5月に寄贈を受けたごみ収集車を用いて6月から行っているホーンプロジェクトですが、10月から2つ目の地域となるイラス村へ拡大しました。拡大するにあたっては、いかにコミュニティの核となる人とコンタクトを取るかに苦戦したのですが、これまでも私たちのプロジェクトにも加わってくれている短期大学がイラス村で行っていたワークショップに参加させてもらうことにより、現地とのつながりができました。話をしてみると、このコミュニティでは、地域をどうにかきれいにしたいとちょうど活動を起こし始めていたところだったので、早速私たちもワークショップを開き、その翌日からホーンコレクションをスタートしました。
6月から実施しているムウェン村では、最初は収集件数がとても少なかったのですが、このイラス村では、住民自身が何かしたいと思っていたこともあってか、また世帯数が多いこともあり多くのごみを集めることができています。
また、ワークショップで対象に含むことが出来なかった地域では、収集時にチラシを配ったのですが、ここでは収集員が一緒になって説明を行ってくれました。チラシはチューク語に翻訳されているものの、やはり直接話をするのが一番。この収集員の活躍がホーンコレクションの住民への周知に大きく役立ちました。(詳しくは「新たな地域でのプロジェクト」)
3.ごみ収集同行調査
10月は、JICA専門家が行ったTime & Motion Studyと呼ばれる調査にも同行させていただきました。これは、ごみ収集車を1日中1週間尾行し、実際の収集状況を把握することで、収集の改善へとつなげていくための調査です。
そして調査を終えた後のミーティングでJICA専門家から挙げられた指摘事項。まず良い点として、「収集記録を毎日とっている」、「収集車がバックする際など、アシスタントが誘導を行っている」、「トラッシュビンの周りも含めてごみを拾い集めている」こと。収集記録については、宿題のごとく運転手に記録をとるようお願いしていたため、専門家の方からこうして褒めてもらえたことで彼らのやる気にもつながるはず!次に悪い点として、「収集中運転席の窓を閉めているために、アシスタントや住民とのコミュニケーションが十分に取れていない」、「出発時の確認を怠ったことで、収集に必要な道具を忘れてしまった」、「たまに運転が荒くなる」といったことが挙げられました。
また、現在用いているトラッシュビンとホーンコレクションの2つの収集方法の比較も行われましたが、2つの収集方法で収集効率に大きな違いはないとのことでした。今後もこの2つの手法をうまく組み合わせて使っていくことができそうです。
この他、トラッシュビンの配置場所について改善の提案があった他、これまでトラッシュビン収集では定められていなかった収集スケジュールについても具体的な提案がありました。これにより、無駄に収集車を走らせることがなくなり、燃料の節約が期待できます。
この収集スケジュールについては、私もこれまで運転手と何度も話をしてきましたがあまり聞く耳をもってくれませんでした。しかし今回は、調査をもとに提案を行ったことで、運転手も素直に受け入れている様子にさすが専門家の仕事だなぁと感心しました。(詳しくは「ごみ収集同行調査」)
4.この2ヶ月を振り返って
10月から新たな地域でのホーンコレクションが始まり、最近やや停滞気味だった活動に火が付いたところでかかってしまった急性中耳炎。これは、全ては私のダイビング中の不注意によるもので、防げたものだっただけに当初は悔しくて仕方ありませんでした。これにより、ミーティングやイベントを棒に振ってしまったり、収集スケジュール作成後にフォローが出来なかったことにより、収集スタッフ間に誤解が生じてしまい、いざこざが生じてしまったり・・・(詳しくは「今日の出来事」)。また、私自身も2週間ほど耳が聞こえなくなってしまい、その間は目の前で話しかけられても手を耳にあてなければ聞き取れない状態で、人とコミュニケーションをとることすら億劫になってしまったりと、正直散々な期間となってしまいました。反省すべきところはしっかり反省し、もっと責任と自覚を持たなければと痛感させられた出来ごとでした。
中耳炎は今はほぼ治っており、通常通りの生活や活動が出来ています。中耳炎にかかる前と同様、現在もやるべきことが多くありますので、もう一度仕切り直して活動に励んでいきます。なお、12月の初めに1週間ほど日本に帰ることになりましたので(これはもともと計画していたものです)、ここでうまくリフレッシュしていきたいです。
最後に、今回も写真をいくつか。
この写真は10月中旬に行われたホストファザーの妹の結婚式。ほとんどのチューク人はキリスト教を信仰しており、結婚式も教会で行われます。また、チュークの名家だけあってその後の披露宴(?)も盛大に。
ホストファザーの祖父が日本人なだけあって、酒樽(白鶴)まで用意されていたのが面白かったです。この日は未明まで歌って踊った一日となりました。
またこの写真は11月29日のホストファザーの誕生日のもの。この日は隣の家の漁師が幸運にも亀を捕えたため、これを御馳走に。親戚や知り合い(まだまだ会ったことがない人がいるものです)が集まり、夜遅くまでお酒を飲んで楽しく語り合った一日でした。
それではまた!
平成23年度1次隊チューク州 前川健一
なお、今号は諸般の事情により、10月と11月の合併号とさせていただきます。
1.平成24年10・11月の活動
10月はホーンコレクションも新たなエリアへと拡大。また、JICAの専門家が一カ月間訪れ調査等を行いました。さらに10月からは新会計年度が始まったということもあり、他の目的に使われないうちに(笑)収集車の部品等を確保しようと、取引の調整をしてくれることになっていた日本外交協会と見積もりの依頼を行いました。
そして、私にハプニングが。。。10月末の週末にダイビングを行った際に、耳抜きがうまくいかなかったことが原因で急性中耳炎にかかってしまったのです。このため、仕事にも大きな影響を与えてしまいました。
これまでミーティングを重ねてきたYouth Environmental Summit(青年主体による環境サミット)が11月2日に行われ、多くの人たち(100名以上??)が集まったそうですが、私にも発表の場が与えられていたにも関わらず、参加することすらできず。また、11月7~9日に首都ポンペイで行われたJICAボランティア環境部会も、これまで私が連絡調整を努めてきたにも関わらず中耳炎の炎症により飛行機に乗ることへドクターストップがかかってしまい、残念ながら参加することができませんでした。
このミーティングの場では、「家庭ごみの発生量と組成分析」、「埋立場における搬入量調査」と1年に1回のペースでごみの調査を行ってきたJ-AWAREの第3弾ついて主に話し合いが行われました。私はJICAスタッフ、環境系ボランティアの皆さまの配慮により電話会議という形で参加させていただき、次回は商業系ごみ(事業系ごみ)に関する発生量調査を行うことで話がまとまりました。
急性中耳炎にかかってから、2週間ほど安静にさせていただいたおかげで11月中旬に職場復帰。来年3月に予定されている埋立場およびその周辺の改善工事のための見積もり調査に出かけたり、首都に駐在している日本大使館から来られた参事官にごみ収集車や埋立場の案内を上司とともに行いました。
なお、私と共に活動しているカウンターパートは、11月の1か月間研修を受けに神戸に行っていたために、これらの活動は副局長と行いました。
ちなみに日本への研修では、ごみ処理の実施機関である公共事業局からも8月に一人行っています。
2.イラス村でのホーンコレクション
5月に寄贈を受けたごみ収集車を用いて6月から行っているホーンプロジェクトですが、10月から2つ目の地域となるイラス村へ拡大しました。拡大するにあたっては、いかにコミュニティの核となる人とコンタクトを取るかに苦戦したのですが、これまでも私たちのプロジェクトにも加わってくれている短期大学がイラス村で行っていたワークショップに参加させてもらうことにより、現地とのつながりができました。話をしてみると、このコミュニティでは、地域をどうにかきれいにしたいとちょうど活動を起こし始めていたところだったので、早速私たちもワークショップを開き、その翌日からホーンコレクションをスタートしました。
6月から実施しているムウェン村では、最初は収集件数がとても少なかったのですが、このイラス村では、住民自身が何かしたいと思っていたこともあってか、また世帯数が多いこともあり多くのごみを集めることができています。
また、ワークショップで対象に含むことが出来なかった地域では、収集時にチラシを配ったのですが、ここでは収集員が一緒になって説明を行ってくれました。チラシはチューク語に翻訳されているものの、やはり直接話をするのが一番。この収集員の活躍がホーンコレクションの住民への周知に大きく役立ちました。(詳しくは「新たな地域でのプロジェクト」)
3.ごみ収集同行調査
10月は、JICA専門家が行ったTime & Motion Studyと呼ばれる調査にも同行させていただきました。これは、ごみ収集車を1日中1週間尾行し、実際の収集状況を把握することで、収集の改善へとつなげていくための調査です。
そして調査を終えた後のミーティングでJICA専門家から挙げられた指摘事項。まず良い点として、「収集記録を毎日とっている」、「収集車がバックする際など、アシスタントが誘導を行っている」、「トラッシュビンの周りも含めてごみを拾い集めている」こと。収集記録については、宿題のごとく運転手に記録をとるようお願いしていたため、専門家の方からこうして褒めてもらえたことで彼らのやる気にもつながるはず!次に悪い点として、「収集中運転席の窓を閉めているために、アシスタントや住民とのコミュニケーションが十分に取れていない」、「出発時の確認を怠ったことで、収集に必要な道具を忘れてしまった」、「たまに運転が荒くなる」といったことが挙げられました。
また、現在用いているトラッシュビンとホーンコレクションの2つの収集方法の比較も行われましたが、2つの収集方法で収集効率に大きな違いはないとのことでした。今後もこの2つの手法をうまく組み合わせて使っていくことができそうです。
この他、トラッシュビンの配置場所について改善の提案があった他、これまでトラッシュビン収集では定められていなかった収集スケジュールについても具体的な提案がありました。これにより、無駄に収集車を走らせることがなくなり、燃料の節約が期待できます。
この収集スケジュールについては、私もこれまで運転手と何度も話をしてきましたがあまり聞く耳をもってくれませんでした。しかし今回は、調査をもとに提案を行ったことで、運転手も素直に受け入れている様子にさすが専門家の仕事だなぁと感心しました。(詳しくは「ごみ収集同行調査」)
4.この2ヶ月を振り返って
10月から新たな地域でのホーンコレクションが始まり、最近やや停滞気味だった活動に火が付いたところでかかってしまった急性中耳炎。これは、全ては私のダイビング中の不注意によるもので、防げたものだっただけに当初は悔しくて仕方ありませんでした。これにより、ミーティングやイベントを棒に振ってしまったり、収集スケジュール作成後にフォローが出来なかったことにより、収集スタッフ間に誤解が生じてしまい、いざこざが生じてしまったり・・・(詳しくは「今日の出来事」)。また、私自身も2週間ほど耳が聞こえなくなってしまい、その間は目の前で話しかけられても手を耳にあてなければ聞き取れない状態で、人とコミュニケーションをとることすら億劫になってしまったりと、正直散々な期間となってしまいました。反省すべきところはしっかり反省し、もっと責任と自覚を持たなければと痛感させられた出来ごとでした。
中耳炎は今はほぼ治っており、通常通りの生活や活動が出来ています。中耳炎にかかる前と同様、現在もやるべきことが多くありますので、もう一度仕切り直して活動に励んでいきます。なお、12月の初めに1週間ほど日本に帰ることになりましたので(これはもともと計画していたものです)、ここでうまくリフレッシュしていきたいです。
最後に、今回も写真をいくつか。
この写真は10月中旬に行われたホストファザーの妹の結婚式。ほとんどのチューク人はキリスト教を信仰しており、結婚式も教会で行われます。また、チュークの名家だけあってその後の披露宴(?)も盛大に。
ホストファザーの祖父が日本人なだけあって、酒樽(白鶴)まで用意されていたのが面白かったです。この日は未明まで歌って踊った一日となりました。
またこの写真は11月29日のホストファザーの誕生日のもの。この日は隣の家の漁師が幸運にも亀を捕えたため、これを御馳走に。親戚や知り合い(まだまだ会ったことがない人がいるものです)が集まり、夜遅くまでお酒を飲んで楽しく語り合った一日でした。
それではまた!
平成23年度1次隊チューク州 前川健一