2014年3月21、24日。環境クラブ8回目の今日は「水」シリーズ第三弾、コンポストである。水とコンポスト(堆肥)がなぜ繋がるのか?それはポンペイのライフスタイルと密接な関係がある。これまでにお伝えしてきたようにポンペイで最も重要視されるものの一つに豚がある。その豚小屋から出る糞尿が水の汚染源の一つなのである。この糞尿を水質汚染せずに有効利用するのが「ドライリターメソッド」(僕なりに訳すと「乾式豚糞処理方式」)と言われるコンポストの生成法である。
子どもたちはスクールバスに乗り込み、一路コンポストを作るテストサイトがあるミクロネシア短期大学農業科へ向かう。
車内は完全に遠足気分である。
このスクールバス。日本から供与されたもので、幼稚園で使われていたもの。車内はケロケロケロッピのシートが配置されファンシーな雰囲気。ボディには「○○幼稚園」とネームが入っている。
30分ほど走り、丘の上に建つ短大に到着。
豚舎にはたくさんの豚が。
豚舎はわずかに傾斜があり、谷側に木質チップが供給される。豚の糞尿は自然とチップと混ざり、谷側に切られた溝に自然と落ちていく。溝にたまったチップと糞尿は養生するための区画に移され発酵していく。発酵段階に応じて順に隣の区画に移されていく。一つの区画が10日から2週間ほどで、4つ区画を進む。およそ2月ほどでコンポストの完成となる。
第一区画では発酵熱が大きく、空気を取り入れるためのパイプに手をかざすと蒸気が立ち上ってくるのがわかる。この過程で糞尿が滅菌され、衛生的な堆肥となる。ポンペイでは生活用水として河川の水を使っていることが多いため、糞尿をそのまま河川に流すと菌よる感染症が起こることがあり、最近このことが問題視されている。そのため、このシステムは水を汚さない、衛生的である、堆肥を得るというまさに一石三鳥の方法なのである。
できたコンポストの匂いを嗅ぐ。糞尿のにおいは全くない。
子どもたちは一人一本枝を持ってきた。木質チップを作るチッパーに枝を投入し、チップ作りを体験する。このチッパーまたもや日本から供与されたものである。機械はメイドインカナダである。
かなりの騒音、大きな枝でも一瞬でチップにするチッパーに子どもたちも興奮。
現状この方式は、アメリカの援助によりポンペイの数か所に試験的に導入されているのみである。豚舎を新設しなければいけないこと、チップの供給の問題があり、市民レベルにはまだ広がってはいないが、ポンペイにおいて非常に有効なものであると思う。作成したコンポストは販売もされており、そこそこ売れているらしい。現金を手にすることができるという点でも魅力的な方法である。
因みに、豚のし尿よる水質汚染の解決策として中国が援助、展開しているメタンガス発酵槽がある。し尿を集め嫌気発酵をさせ、メタンガスを生成させ、ガスとして使えるようにしたものである。ガスはガス灯やガスコンロとして使われている。これも一部の家庭に数か所導入されているが、導入後のフォローがなく、広がりを見せていない。
次回のテーマは「海」。ポンペイの自然について学でいく。
24年度2次隊 浜川喬弘
子どもたちはスクールバスに乗り込み、一路コンポストを作るテストサイトがあるミクロネシア短期大学農業科へ向かう。
車内は完全に遠足気分である。
このスクールバス。日本から供与されたもので、幼稚園で使われていたもの。車内はケロケロケロッピのシートが配置されファンシーな雰囲気。ボディには「○○幼稚園」とネームが入っている。
30分ほど走り、丘の上に建つ短大に到着。
豚舎にはたくさんの豚が。
豚舎はわずかに傾斜があり、谷側に木質チップが供給される。豚の糞尿は自然とチップと混ざり、谷側に切られた溝に自然と落ちていく。溝にたまったチップと糞尿は養生するための区画に移され発酵していく。発酵段階に応じて順に隣の区画に移されていく。一つの区画が10日から2週間ほどで、4つ区画を進む。およそ2月ほどでコンポストの完成となる。
第一区画では発酵熱が大きく、空気を取り入れるためのパイプに手をかざすと蒸気が立ち上ってくるのがわかる。この過程で糞尿が滅菌され、衛生的な堆肥となる。ポンペイでは生活用水として河川の水を使っていることが多いため、糞尿をそのまま河川に流すと菌よる感染症が起こることがあり、最近このことが問題視されている。そのため、このシステムは水を汚さない、衛生的である、堆肥を得るというまさに一石三鳥の方法なのである。
できたコンポストの匂いを嗅ぐ。糞尿のにおいは全くない。
子どもたちは一人一本枝を持ってきた。木質チップを作るチッパーに枝を投入し、チップ作りを体験する。このチッパーまたもや日本から供与されたものである。機械はメイドインカナダである。
かなりの騒音、大きな枝でも一瞬でチップにするチッパーに子どもたちも興奮。
現状この方式は、アメリカの援助によりポンペイの数か所に試験的に導入されているのみである。豚舎を新設しなければいけないこと、チップの供給の問題があり、市民レベルにはまだ広がってはいないが、ポンペイにおいて非常に有効なものであると思う。作成したコンポストは販売もされており、そこそこ売れているらしい。現金を手にすることができるという点でも魅力的な方法である。
因みに、豚のし尿よる水質汚染の解決策として中国が援助、展開しているメタンガス発酵槽がある。し尿を集め嫌気発酵をさせ、メタンガスを生成させ、ガスとして使えるようにしたものである。ガスはガス灯やガスコンロとして使われている。これも一部の家庭に数か所導入されているが、導入後のフォローがなく、広がりを見せていない。
次回のテーマは「海」。ポンペイの自然について学でいく。
24年度2次隊 浜川喬弘